ダイエットに欠かせない「食欲のコントロール」
過度な食欲は、必要以上のカロリーを摂取することとなり体重管理が難しくなります。

さらに、過度な食欲を満たそうとする食生活を続けることで食習慣が変化し、日常的に食べすぎや無駄な間食を助長し肥満や健康問題を引き起こす原因ともなりうるのです。

食欲をコントロールすることは健康なからだづくりに良いとはわかっていても、難しいことも確かです。
しかし、普段の飲み物で食欲のコントロールがしやすくなるとしたら、どうでしょう。「試してみようかな?」と思われるかも知れません。

ここでは、食欲を抑えるために効果的な飲み物や、飲み方についてお伝えします。
現在ダイエットに挑戦しようとしている方も、ダイエットに行き詰まっている方も。食欲を抑える飲み物の工夫をぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
・食欲をコントロールしたいなら「水」「炭酸水」「コーヒー」「緑茶」「ハーブティー」「リンゴ酢」がおすすめ

 飲み物で食欲を抑えられるのか

飲み物の種類や飲み方の工夫は、食欲のコントロールに役立ちます。

普段あまり意識せずに飲んでいる飲み物も、食欲を抑える効果があるものや食欲を増進するものなど様々な働きがあるのです。

飲み物と食欲の関連を知り、適切なコントロールを目指しましょう。

なぜ空腹感を感じるのか

飲み物と食欲の関連を知る上で必要なのが空腹感を感じるメカニズムです。

食欲とは、空腹感を感じた身体の反応です。
胃内に食物がなくなると空腹を感じ、体内の血糖値が低下すると食欲が生じます。

食欲の仕組みを知ろう

食欲は、脳内の「視床下部」という部分でコントロールされます。

視床下部には摂食中枢という部分がありますが、血糖値が下がると「脳のエネルギー不足」を認識しエネルギー補給を必要とします。これが空腹感を生じさせ、食欲を感じるのです。
反対に、満腹時には血液中の当と脂肪が増加し、満腹中枢が反応することで食欲を抑えます。

脳内の摂食中枢と満腹中枢により調整されているのが食欲であり、カラダにとって必要な栄養素や脳の活動に不可欠な糖分を適切に摂取するための正常な仕組みなのです。

食欲に波がある理由

食欲には波があるのは、ホルモンや精神状態など様々な要因が関係しています。

一般的にストレスや過労、消化管(胃や腸など)の疾患などにより食欲は低下または喪失します。
たとえば、人前で発表する前など緊張する場面を控えているときに「食べ物が喉をとおらない」と感じるのも、過度な緊張というストレスが原因だと言われています。
一方で、緊張がほぐれた瞬間には「安心してお腹が空いた」と感じた経験があるでしょう。

ストレスは食欲を左右する大きな要因のひとつなのです。

また、女性の場合は生理前に食欲が旺盛になるのを感じる方もいるかも知れません。
これは「プロゲステロン」というホルモンが関係しています。
プロゲステロンはホルモンの一種で、食欲を増進させたりむくみや眠気を引き起こすと言われています。
また、生理中にはホルモンの変動が大きく自律神経の調節が難しくなることもあり、通常とは違った食欲が生じる時期でもあります。

このように、食欲は精神状態やホルモンの作用で容易に影響を受けやすいものです。

食欲をコントロールするためには日常生活の安定や体調管理だけでなく、ホルモンの周期などを理解して上手に対応することが必要です。

食欲を抑える飲み物

ホルモンや精神的な要因などで食欲は変動しやすいものですが、普段の生活で摂取しやすい飲み物でも食欲を抑制することができます。
食欲を抑えることができる飲み物について見ていきましょう。

食事前に水を飲むことで胃を一時的に満たし、食事の量を減らすのに役立ちます。
また、水は身体の水分補給にも重要です。

炭酸水

炭酸水の炭酸ガスは胃に拡張圧力をかけ、食欲を抑える助けになります。
無糖の炭酸水がおすすめです。

コーヒー

コーヒーに含まれるカフェインは、交感神経を刺激し空腹感を抑える働きがあります。
また、脂肪細胞の分解を促進し脂肪の吸収を抑制します。
効果を高めるには、食事の前や間食の代わりに飲むのがおすすめです。

ただし、カフェインの摂り過ぎは胃腸への負担や不眠などの原因になるため、注意してください。

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緑茶

緑茶に含まれるカテキンには2つの働きがあります。

①食欲を抑える働き
カテキンには、食欲を抑制する働きがあるといわれています。
脳の視床下部に作用して食欲を抑制するホルモンの分泌を促す働きがあります。

②脂肪燃焼を促す働き
カテキンには、脂肪燃焼を促進する働きもあります。
脂肪細胞の分解を促進し、脂肪の吸収を抑制します。

また、緑茶にはカフェインも含まれています。
カフェインは、交感神経を刺激し、空腹感を抑える働きがあります。

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ハーブティー

ペパーミントやカモミールなどは消化を助け、食欲をコントロールするのに役立つことがあります。またハーブティーはリラックス効果もあり、ストレス性の食欲を抑える働きもあるといわれています。食欲を抑える効果のあるハーブティーには、以下のようなものがあります。

①フェンネル
消化を促進する働きがあり、食後の満腹感を高める効果が期待できます。
また食欲を抑える働きがあるホルモン(※)の分泌を促す効果もあると考えられています。

②ペパーミント
胃腸の働きを整える働きがあり、食欲を抑える効果が期待できます。
またリラックス効果があり、ストレスによる過食を防ぐ効果もあると考えられています。

③セロリ
食物繊維が豊富に含まれているため、胃で膨らんで満腹感を与える働きがあります。
また、食欲を抑える働きがあるホルモン(※)の分泌を促す効果もあると考えられています。

④レモングラス
リラックス効果があり、ストレスによる過食を防ぐ効果が期待できます。
また、食欲を抑える働きがあるホルモンの分泌を促す効果もあると考えられています。

※レプチンやGLP-1
レプチン
脂肪細胞から分泌されるホルモンで、脳の視床下部に作用して食欲を抑制
GLP-1
小腸から分泌されるホルモンで、食後の血糖値の上昇を抑える

ハーブティーを食前や間食の代わりに飲むことで、食欲を抑え食べ過ぎを防ぎます。
ただし、ハーブティーだけに頼らずに食事の内容や量にも気を付けるようにしましょう。
ハーブティーそのもののカロリーも考慮してください。
注)ハーブティーは、妊娠中や授乳中の方は、医師に相談してから飲むようにしましょう。

リンゴ酢

リンゴ酢には、酢酸や食物繊維が豊富に含まれています。
酢酸は、胃の中で膨らんで満腹感を与える働きがあります。

食事前にリンゴ酢を飲むことで、食事の摂取量を減らすことができます。
食物繊維は、胃で膨らみ満腹感を与える働きがあり腸内環境を整えて、食欲を抑えるホルモンの分泌を促す効果もあると考えられています。

食事前にリンゴ酢を飲むことで、食事の摂取量が減少したり食後の血糖値の上昇が抑制するとも言われています。
ただし、リンゴ酢の飲み過ぎは酸による胃腸への負担になる可能性があるため、注意が必要です。

こちらで紹介した飲み物を上手に摂取することで食欲を抑制する手段として利用できます。
しかし、飲むタイミングを考慮することや過度に頼りすぎないことが大切です。
また、食欲を抑えるには習慣化する必要があります。食欲を抑えながら、健康なカラダを維持するためには続けて飲める物を適切な量摂ることを意識してください。

飲み物で食欲抑制!注意点は?

食欲を抑える飲み物でも、たくさん飲めば良いというわけではありません。
上手な摂り方で、食欲をコントロールするためには次のような注意が必要です。

適切な量を摂る

食欲を抑えるために飲み物を利用する場合、適切な量を摂ることが大切です。
過剰に飲むと胃が過度に膨張し、不快感を引き起こす可能性があります。
食事前に1杯の水や他の飲み物を摂ることが効果的です。

糖分に注意

糖分が多く含まれる飲み物は血糖値の急激な上昇を引き起こし、その後の血糖値の急激な下降につながり空腹感を増大させ逆効果になることもあります。
コーヒーや炭酸水などは無糖や低糖分の飲み物を選ぶことをおすすめします。

カフェインの過剰摂取に注意

カフェインを多く含む飲み物(例: コーヒーや緑茶など)は、食欲を抑制する一方で不安感や不眠症を引き起こすことがあります。
適切な摂取量を守り夕方以降に摂ることは控えるよう注意してください。

適切なタイミング

食前に飲み物を摂る場合は適切なタイミングが重要です。
食事の30分前に飲むことで、胃を一時的に満たし過剰な食事を防ぐのに役立ちます。

栄養バランスの維持

飲み物で食欲を抑制することは効果的ですが、食事全体の栄養バランスを考慮することも重要です。
飲み物だけに頼りすぎず、食事そのものもバランスの取れたものとし、必要な栄養素を摂るよう心がけましょう。

継続して飲める工夫

飲み物で食欲を抑えるためには続けることが必要です。
自分の好みにあった飲みやすいものを取り入れることが続けるためのポイント。
カロリーや糖分に注意しながら、美味しく飲めてストレスを溜めない工夫も大切です。

個別の体質を考慮

体質には個人差があるため飲み物の種類や飲み方など、自分には合わないこともあります。
自分自身の体質や健康状態を考慮して、適切な選択を行いましょう。

まとめ | 飲んで食欲コントロール!健康で美しい体を維持しよう

食欲のコントロールは、健康的で美しい体を維持するための重要な要素です。

食事の質と量を適切に管理することは体重のコントロールや健康の維持に不可欠ですが、飲み物によって食欲を抑える効果も上手く使うことが有効です。自分に合った飲み物を選び、摂取するタイミングを工夫することで、食欲を抑える効果が期待できるのです。

飲み物で食欲を抑えるためには、次のような方法があります。

適切なタイミングで摂る

食欲のコントロールにおいて、適切なタイミングで飲み物を摂ることは重要です。

食事前に水や他の低カロリーの飲み物を摂ることで、胃を一時的に満たし、過食を防ぐ助けになります。また、食事中に水を摂ることで食事の消化を助け、満腹感を高めることができます。

適切な量を守る

適切な摂取量を守ることも食欲のコントロールに欠かせません。

過度に飲み物を摂ると胃が過度に膨張し、不快感を引き起こすことがあります。水分の過剰摂取で胃酸が薄まり、胃の消化作用が弱まることもあるため、注意してください。

適切な量を守ることが適切な食欲抑制につながります。

無糖や低カロリーの選択

食欲を抑制するために飲む飲み物を選ぶ際には、無糖や低カロリーの選択肢を優先しましょう。

高カロリーの飲み物は、食欲を刺激しやすくなるため注意が必要です。
低カロリーの飲み物を選ぶことで、食欲を制御しやすくなります。

美味しさのために工夫

食欲を抑制する飲み物を楽しむために、美味しさに工夫することも大切です。

ハーブティーはさまざまな種類のものを組み合わせて摂取することで、違った風味を楽しむことができます。飽きずに飲めるものに出会うこと、好きな味を見つけることが一番かも知れません。

続けられる工夫

食欲コントロールは長期的な目標として取り組むべきです。

自分に合った飲み物を見つけること、ストレスなく続けることはもちろん、運動や食事の楽しみも計画的に取り入れて、バランスよく行うことが重要です。

飲み物の工夫から食欲をコントロールし、健康的で美しい体を手に入れましょう。

食欲をコントロールし、健康的で美しい体を手に入れるために、飲み物は有力な味方です。
適切な飲み物の選択、適切な摂取タイミング、続けられる工夫を取り入れましょう。
飲み物による食欲コントロールは、長期間の目標として取り組み、自分自身を健康的で美しい状態に保つ手段のひとつとして活用してください。