皆さんが朝気持ちよく起きられて、1日を元気に過ごすために必要な睡眠時間は何時間ですか?

忙しい現代人の多くは、元気に過ごせるのなら睡眠時間を短くして時間を有効活用したいと思うかもしれません。

しかし、慣れれば誰でもショートスリーパーになれるのでしょうか?
また、睡眠は長すぎても短すぎても身体に悪いのではないかと気になりますよね。

そこで今回は、人には大切な睡眠時間に関係する「ショートスリーパー」と「ロングスリーパー」についてご紹介します!

ロングスリーパーとショートスリーパーの基準って?

日本人の平均睡眠時間は約6時間半といわれています。この時間は世界でワースト2という短さなのだとか。

平均的な睡眠時間がわかったところで、ではロングスリーパーやショートスリーパーの睡眠時間はどれくらいなのでしょうか?

ロングスリーパーとは睡眠時間が長い人のことを指し、一般的には9時間以上睡眠が必要な人のことをいいます。しかし、ロングスリーパーに明確な定義はなく、アメリカの米国睡眠医学会では、10時間以上としています。

そんなに寝る人は本当にいるの?と気になるところですが、実は「相対性理論」で有名な物理学者のアインシュタインは、毎日10時間以上眠るロングスリーパーだったといわれているんです!

睡眠時間が9時間以下だった日には、「頭が冴えない」と周囲に漏らしていたという話も。研究者はあまり寝ていないようなイメージですが、そんなにたっぷり寝ていたのには驚きですね!

一方、ショートスリーパーとは睡眠時間が短い人のことを指し、一般的には6時間未満とされています。睡眠時間が6時間未満でも寝不足になることなく、十分に健康を維持できる体質を持つ人が、ショートスリーパーに当てはまります。

ショートスリーパーは人口あたり約1%未満ともいわれるほど極少数なんだとか。そうなると「自分はショートスリーパーだ」という人も、実は無理して睡眠時間を短くしている可能性があるかもしれませんね!

とはいえ、偉人や著名人にショートスリーパーは多く、ナポレオンを始め発明王のエジソンやマイクロソフト創業者ビル・ゲイツもそのひとりです。

こうしてみると、睡眠時間をたっぷりとらないと不調を感じてしまう人もいれば、短時間睡眠でも力を発揮できる人もいます。適正な睡眠時間は人それぞれ、ということがわかります。

ロングスリーパーのメリット・デメリットはどんなものがある?

ロングスリーパーのメリット・デメリットはどんなものがある?

ここではロングスリーパーのメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう!

まず、ロングスリーパーのメリットは、睡眠時間をたっぷりとるため、体に疲れが残らないことです。

心身をしっかりと休めることができるので、前日の疲れを引きずることがなく、疲労回復効果も高いといえるでしょう。

眠っている間、脳はレム睡眠とノンレム睡眠をくり返しています。ノンレム睡眠の時に脳が休まり、副交感神経が優位になります。副交感神経が優位になると、心も体もリラックス状態になるので、睡眠時間が長いほどリラックス状態も長いというわけです。

一方、デメリットは周囲に理解されにくいということ。必要な時間の睡眠なのに「寝すぎ」「怠け者」と誤解されてしまうかもしれないのは悲しいですよね。

また、睡眠時間が長いということは、それだけ睡眠時間を確保しなければならないのです。

残業で帰りが遅くなったり、終電まで飲んでしまったりした日には、睡眠時間が足りなくなる恐れがあるでしょう。
翌日、睡眠不足で眠気や倦怠感におそわれ仕事が手につかない、といった状態に陥ってしまうことも…!睡眠不足ではストレスも溜まりやすいため、心身のバランスを崩れやすくなりますよね。

しかし、ロングスリーパーの人は、睡眠時間さえたっぷり確保できれば、疲労を解消できるメリットがあるので、睡眠負債が蓄積しないよう気をつければ活力もあり健康的に過ごせますよ。

ショートスリーパーのメリット・デメリットは?

続いて、ショートスリーパーのメリット・デメリットを見ていきましょう!

ショートスリーパーのメリットは、睡眠時間が少ない分、活動時間を長くとれることです。人間は、皆平等に1日24時間です。時間を増やそうと思っても、それ以上増やすことはできないですよね。
しかし、与えられた24時間の中で睡眠時間が3時間だとしたら、残りの21時間は仕事をしたり好きなことをしたりと、活動時間にあてられます。これってかなり大きなメリットですよね!

しかも、ショートスリーパーは短時間睡眠でも寝不足にならないため、昼間のパフォーマンスが下がることはありません。

一方、ショートスリーパーのデメリットですが、これといったデメリットは特にないといえます。
一般的に、睡眠時間が長過ぎても短過ぎても、病気を発症するリスクが高くなるといわれています。
しかし、ショートスリーパーの場合は短時間睡眠でも、その人にとっては適正な睡眠時間なので、健康や寿命への影響は心配ないとされているんです。

とはいえ、睡眠の質が悪いと睡眠不足に陥るケースもあるので注意が必要!睡眠不足になると、眠気や頭痛を引き起こすなどして、翌日のパフォーマンスも下がってしまいますよね。

特にスマホやパソコンの画面から出るブルーライトを寝る直前まで浴びていると、ブルーライトの光を脳がまだ日中だと勘違いをして眠気を促すメラトニンの分泌が抑えられてしまいます。そして眠りにつきづらくなり睡眠の質の低下や睡眠時間の短縮につながるのです。
また、アルコールやカフェインの摂り過ぎも眠りを浅くする原因となるので、寝る前の食習慣にも気をつけてみてくださいね!

ロングスリーパー・ショートスリーパーは病気じゃない?誰でもなれるもの?

ここまで見てきて、「私はロングスリーパーかも…」「自分はショートスリーパーになりたい!」と思った方もいるかもしれませんね。また、実際にロングスリーパーやショートスリーパーの方だと気になるのは病気ではないのかというところではないでしょうか。

実は、ロングスリーパーは体質や遺伝的な影響、ショートスリーパーは特有な遺伝子を持っていることが原因と考えられています。

そのため長時間寝てしまうのも、短時間で起きてしまうのも病気ではなく、その睡眠時間が遺伝子的な自分に合った適正な睡眠時間ということなんです。

そのため、ロングスリーパーやショートスリーパーは病気ではありませんし、なろうと思ってなれるわけでもありません。ショートスリーパーになりたい人は少し残念な事実かもしれませんが、安心した人もいることでしょう。

ただし、気をつけなければならないのが、ロングスリーパーに似ている「過眠症」やショートスリーパーのように長く眠れない「不眠症」や「睡眠障害」です。

ロングスリーパーの場合は、病気ではなくただ睡眠時間が長いだけなので、必要な時間寝ていれば日中に眠気や倦怠感が残ることはありません。しかし「過眠症」は、十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず、日中眠くなってしまう症状を指します。
いくら寝ても日中に強い眠気を感じてしまう場合は、ロングスリーパーとは違う可能性があります。

そして、睡眠時間が短い病気もあります。1ヵ月以上に渡って、なかなか眠れない状態が続いたり、熟睡感が得られなかったりする場合は「入眠障害」や、早朝に目覚め再び寝ることができない「早朝覚醒」などがあります。

夜中に何度も目が覚めてしまうという人も要注意です!ショートスリーパーは短時間睡眠でも健康を維持できますが、睡眠障害で短時間しか眠れていないという人は、心身に不調をきたす恐れがあるります。

このような過眠症や不眠症といった症状が見られる場合は、ロングスリーパーやショートスリーパーとは違うので、一度かかりつけ医で診てもらってくださいね。

自分に合った適正な睡眠時間で健康を保とう!

ショートスリーパーとロングスリーパーのメリット、デメリットを見てきましたが、どちらが良いということはなく、自分に合った睡眠時間を確保することが健康を維持するうえで大切なポイントです。

また、世間では時間の有効化を促す風潮があり「誰でもショートスリーパーになれる!」といった煽りも見られます。しかし、ショートスリーパーは生まれつき持った遺伝子が影響しているので、誰もがなれるわけではないんです。

無理に睡眠時間を削ってしまうと睡眠負債となり、疲労が溜まって体調不良を引き起こす可能性があるので無理な睡眠時間の調整はおすすめできません。

ショートスリーパーに憧れるよりも、自分のパフォーマンスが最大限に発揮され、健康を保てる最適な睡眠時間を見つけることから始めてみましょう!

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