中性脂肪の対策をしなければと思っているのに、つい後回しにしてしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
中性脂肪が気になっていても、バターをたっぷり塗ったトーストやほどよくチーズが溶けたピザなど乳製品を含んだ食べ物を食べる瞬間はとても幸せですよね。
しかし、今のままの食生活を続けていると、中性脂肪は増えていくばかりですので対策が必要です。

そこで、本記事では中性脂肪への乳製品の影響や、健康的に食べる方法をまとめています。
最後までお読みいただいて、中性脂肪を減らすための参考にしてみてください。

中性脂肪とは?増えると何が問題なのか?

中性脂肪には、以下に挙げるような特徴があります。

  • 血液の中にある脂肪の一種
  • 脂質を含む食品を摂取すると体内に入る
  • 人が身体を動かす際のエネルギーとして消費される

人が活動する際、最初にエネルギー源として消費するのはブドウ糖です。ブドウ糖がなくなった後は、中性脂肪が代替のエネルギーとして使われます。
運動量が少ないと中性脂肪が燃焼されないため、血管や肝臓に脂肪が溜まり続けて脂質異常症や肥満になります。
脂質異常症は、動脈硬化やメタボリックシンドロームなどのリスクが高くなる原因です。

中性脂肪値は、適切な数値を保つのが健康で生活するために重要と言えるでしょう。

乳製品は脂質が多い

乳製品には脂質が多く含まれています。ほとんどの乳製品の原材料となる牛乳と、代用として紹介されることの多い豆乳に含まれている栄養成分量を比較しました。

栄養成分牛乳(100gあたり)豆乳(100gあたり)
カロリー (kcal)6645
脂質3.8g2g
コレステロール12mg0mg
ナトリウム41mg2mg
カリウム150mg190mg
炭水化物4.8g3.1g
タンパク質3.3g3.6g
カルシウム110mg15mg
0mg1.2mg
マグネシウム10mg25mg

植物性の豆乳と比較すると、牛乳には脂質だけでなくカロリーやコレステロールが多く含まれていると分かりました。

乳製品が中性脂肪に与える影響

乳製品は脂肪を多く含んでいるので、摂取を習慣化していると中性脂肪が増加するとイメージしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

最近では、乳製品の摂取は中性脂肪の増加には大きく影響しないと研究で明らかになってきています。この研究結果は、乳製品の1日に必要な摂取量を守った結果ですので、摂取しすぎてしまうと中性脂肪にも影響が出る可能性があります。

それでは、乳製品の種類ごとに中性脂肪への影響に違いがあるのかなど、詳しく見ていきましょう。

牛乳は中性脂肪ではなくコレステロールに影響する?

牛乳の摂取が中性脂肪やコレステロールの増減に影響するのか、明確な研究結果は出ていません。

ただ、牛乳に含まれている脂肪は、中性脂肪を減らす効果があると言われている不飽和脂肪酸がほとんどです。

カナダのマクマスター大学などの研究で、牛乳を日常的に摂取している人はメタボリックシンドロームや肥満、高血圧などのリスクが低いと報告されています。
一方で、牛乳には悪玉のLDLコレステロールを増やす飽和脂肪酸も含まれており、コレステロール値が高いと医師から摂取を控えるように言われることもあります。

中性脂肪もコレステロールも、高カロリーな食事が原因で増加するためバランスの良い食生活を心がけることが大切です。

チーズは中性脂肪を上げるか

チーズは主に牛乳を原料として異なる方法で製造されるものが豊富にあり、種類によって含まれている栄養成分の量も違っています。

スキムミルクが原料のチーズや脂肪をカットしたチーズなどは摂取しても中性脂肪が増えにくいです。

しかし、次に挙げる種類のチーズは基本的に脂肪や塩分を多く含んでいるため、摂取しすぎてしまうと中性脂肪の増加や血圧の上昇に関係する可能性があります。

  • クリームチーズ
  • ブリーチーズ
  • カマンベールチーズ
  • チェダーチーズ
  • ブルーチーズ

同じ種類のチーズでもメーカーが違うと脂肪や塩分の含有量も違うので、パッケージの栄養成分表示を確認し、摂取量のバランスを調整するようにしましょう。

中性脂肪を減らすのにヨーグルトは効果がある?

ヨーグルトは、中性脂肪を減らす効果が期待できるものと期待できないものの2つに分かれます。
以下の表にヨーグルトの中で、中性脂肪に影響がある栄養成分をまとめました。

栄養成分考えられる効果
脂肪脂肪含有量を減らしたヨーグルトがある
脂肪が少なければ、摂取による中性脂肪の増加を少なくできる
タンパク質タンパク質が豊富
タンパクは脂肪の分解を助ける働きをする
カルシウム体内で脂肪が合成されにくくなる
難消化性デキストリンガセリ菌SP株どちらも食事からの脂質の吸収を緩やかにするので脂肪が溜まりにくい

中性脂肪を減らすのを助ける成分が、全てのヨーグルトに含まれているわけではありません。
ヨーグルトに中性脂肪を減らす効果を期待して摂取する場合は、パッケージに表示されている栄養成分表をしっかり確認してから購入するのがおすすめです。

バターやマーガリンは中性脂肪を増やす?

バターやマーガリンを継続して摂取しても中性脂肪に大きな影響はなく、代わりにLDLコレステロールを増やす可能性があります。
コレステロールは脂質の一つで、悪玉のLDLコレステロールと善玉のHDLコレステロールに分かれています。

バターに含まれている飽和脂肪酸や一部のマーガリンに含まれているトランス脂肪酸が、LDLコレステロールを増加させる原因です。LDLコレステロールは、肝臓で作られた脂肪を全身に運ぶ働きをするので量が増えすぎると病気のリスクが高くなります。

ただ、体内のコレステロールが不足すると免疫機能が低下したりするので、健康のために必要な成分と言えます。LDLコレステロールを増やす可能性があるバターやマーガリンは、過剰摂取にならないように注意が必要です。

健康的に乳製品を食べよう

種類ごとに身体への影響が違う乳製品ですが、1日に必要な摂取量を意識すれば効率良く栄養素を取り入れられます。

乳製品以外でも言えることですが、健康に良いからといって過剰摂取してしまうと栄養バランスが崩れて逆効果になってしまいかねません。

それでは、健康的な乳製品の食べ方を種類ごとに見ていきましょう。

牛乳でコレステロールを下げる

成人の場合、1日の牛乳の必要摂取量は200ml、コップ1杯分と言われています。適量を守るほかにコレステロールを増やさないように牛乳を飲むポイントは、以下の2つです。

  • 低脂肪タイプの牛乳を選ぶ
  • 追加の脂質を制限する

最初から脂肪含有量が少ない牛乳を選べば脂質の摂取量が少なくなり、同時にコレステロールの増加を減らす効果が期待できます。
また、ほかの食品から摂取する脂質が増えすぎないように制限するのでも、コレステロールの増加を抑制できるでしょう。

ただ、牛乳を摂取するだけでコレステロールが減らせるわけではないので、栄養バランスの良い食事が大切になります。

中性脂肪値を下げるチーズの食べ方

チーズの1日の適切な摂取量は、成人の場合で30~60g程度と言われています。
中性脂肪を増やさないために、チーズを食べる際は以下の点を意識すると良いでしょう。

  • 低脂肪のチーズを選ぶ
  • 過剰摂取にならないようにする
  • 食べ合わせに注意する

チーズは加工方法の違いで脂肪含有量も変わります。フレッシュチーズや脂肪が少なくなるように製造されたタイプなら脂質の摂取量を抑えられるので、中性脂肪も増えにくくできます。

チーズを摂取する際は、一緒に食べる食品選びにも注意が必要です。パンやクラッカーなどは高脂質なので、全粒穀物入りのパンや野菜など脂質を抑えた食品と一緒に食べるようにしましょう。

中性脂肪値を下げるためにヨーグルトはいつ食べる?

ヨーグルトの1日あたりの摂取上限量は100~200gと言われており、中性脂肪を下げるには砂糖などの甘味料を入れずに食べるのがおすすめです。身体の状態別に、食べるのに適している時間を表にまとめました。

身体の状態食べるのに適した時間
中性脂肪値が高い方食前(食事を摂る20~30分前くらい)
HDLコレステロール値が低い方食前(食事を摂る20~30分前くらい)
LDLコレステロール値が高い方どの時間に食べてもOK

食後に血糖値が上昇すると、これを鎮めようとして分泌されるのがインスリンというホルモンです。インスリンはブドウ糖を脂肪に変えて体内に蓄える働きをするため、中性脂肪の増加に繋がります。

食事をする前にヨーグルトを摂取しておけば、血糖値の上昇を緩やかにできるので中性脂肪を増やさない効果が期待できます。

中性脂肪やコレステロールを増やさないようにバターやマーガリンを摂取する

バターの1日あたりの摂取量目安は約10〜20g以下、マーガリンだと20〜30g以下と言われています。ただ、バターもマーガリンもパンやお菓子など加工食品の原材料として使われていることが多いので、これらからの摂取も含めて食べる量の調整が必要です。

バターやマーガリンを摂取しすぎてしまうと、LDLコレステロールが増える原因になるため適量の範囲で食べるようにしましょう。
低脂肪タイプを選んだり、オリーブオイルやアボカドオイルなどの良質な脂質で代替したりするのも中性脂肪やコレステロールの増加を抑えるために有効です。

中性脂肪を減らすには生活習慣の改善が必要

効率良く中性脂肪を減らして、健康的な生活をするためには生活習慣の改善が必須です。改善したい内容を以下の表にまとめました。

改善したい項目必要なこと
食生活     主食も副菜も食物繊維が多いものを食べる糖質や脂質を摂り過ぎない
運動適度な運動を習慣化する少し汗をかくくらいの有酸素運動を定期的に行う   ※ 毎日ではなくて良い
その他喫煙やアルコールを控えるストレスを溜めない

生活習慣の全てをいきなり変えるのは難しいので、取り組めることから徐々に改善していくだけでも中性脂肪を減らす効果が期待できるでしょう。

まとめ

ここまで、乳製品の摂取が中性脂肪に大きく影響しないことや健康的に食べる方法を紹介してきました。

それぞれの食品には1日の適切な摂取量の目安があるので、過剰摂取をしてしまうと反対に健康を害するリスクがあります。適量での乳製品の摂取を意識しながら、メインの食生活や生活習慣を改善すれば中性脂肪を大きく減らせます。

中性脂肪を減らして健康的な生活ができるように、食生活などの生活習慣を見直してみてはいかがでしょうか。

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