痩せるお茶のダイエット効果は？種類や特性、成分ごとの効果をまとめました！（ダイエット相談室⑫）

ふとし君の相談リスト

1. ①お茶を飲むだけで痩せられる？
2. ②痩せるお茶にはどういう効果があるの？
3. ③痩せるお茶の飲み方や注意点は？

お茶を飲むだけで痩せられる？

お茶はダイエット中の飲み物としては最適です！
（糖分が入っていなければ）緑茶や麦茶、ほうじ茶はとてもローカロリー。喉を潤したり、汗をかいたりした分の水分補給としてオススメです。

ダイエット中で食べ物には気を付けていても、飲み物まで注意を払っていますか？
運動後にシュワシュワ炭酸が気持ちいいコーラや、何となく健康に良さそうということでスムージーを飲むのが習慣化されている人も多いのではないでしょうか。

実は、砂糖を添加していない飲み物（水、お茶）とカロリーを比較するとその差は歴然です。

飲み物200ｍLあたりのカロリー

• コーラ　⇒90kcal
• スムージー　⇒134kcal
• 麦茶⇒　6.7kcal
• ほうじ茶⇒　6.7kcal

コーラやスムージーなど、甘い飲み物を毎日摂っていたら、1週間で1,000kcalを超えてしまうこともあるでしょう。

だからダイエット中の飲み物は水やお茶を選びましょう。エクササイズをしたあとの水分補給や、食事制限ダイエットの影響を与えない飲み物です。

しかし、一般的なお茶を飲むほど痩せるというわけでありません。あくまで水分補給をする際に、余計なカロリーを摂取しなくて済むというだけです。お茶そのものに痩せる効果はありません。

しかし、お茶の一部にはダイエットに良い特別な成分が入っているものがあります。例えば、『トクホ』や『機能性表示食品』というマークとともに「体脂肪が気になる方に適しています」や「脂肪の吸収を抑える」などの効果をうたう商品です。これはお茶がローカロリーであるということに加えて、痩せる効果が期待できます。

関連記事

• 余分な脂肪を排出！ウーロン茶重合ポリフェノール（成分図鑑③）
• 脂肪を燃やしやすい身体に！茶カテキン（成分図鑑②）
• 黒ウーロン茶飲みながらご飯食べれば、全て良し！（ダイエットの言い訳⑬）

ふとし君の相談リスト①への回答

痩せるお茶にはどういう効果があるの？

インターネットの広告では「体の脂肪を消す消しゴム！」だったり「あの芸人さんも使ったダイエットサプリ」というような魅力的な文言がたくさんあふれています。そんな中で何を選んだらいいか、消費者の手助けをする制度があります。それが特定保健用食品（トクホ）と機能性表示食品です。

痩せるお茶：特定保健用食品（トクホ）の種類と特性

『トクホ』とは『特定保健用食品』を略したものです。健康維持に役立つことが、科学的根拠に基づいて認められていて、その効果効能の表示が認められている食品です。つまり、健康に良いことが国によっても認められている食品と言えるでしょう。

トクホは、人がバンザイしたような特徴的なマークが入っていて、「体脂肪が気になる方に」というような文言が目立つように表示されているので、見分けることは難しくありません。

トクホはその有効性や安全性を個別に国が審査し、消費者庁長官の許可を得ています。そのためには、食品ごとに人での有効性を示す臨床試験や安全性を示す証拠を示すことが必要ですし、様々な委員会や調査会の審査を経てやっとマークや効果の表示ができるようになっています。

そんな大変な手順を踏んで認められた効果ですから、信用できる食品と言えます。一体どういうものがあるのか気になりますよね。トクホのお茶に入っている痩せる成分（関与成分）と許可を受けた表示内容（効果）はこうです。

関与成分	許可を受けた表示内容
茶カテキン	本品は茶カテキンを豊富に含んでおり、エネルギーとして脂肪を消費しやすくするので、体脂肪が気になる方に適しています。
ウーロン茶重合ポリフェノール（ウーロンホモビスフラバンBとして）	本品は、脂肪の吸収を抑えるウーロン茶重合ポリフェノールの働きにより、食後の血中中性脂肪の上昇を抑えるので、脂肪の多い食事を摂りがちな方、血中中性脂肪が高めの方の食生活改善に役立ちます。
難消化性デキストリン（食物繊維として）	本製品は難消化性デキストリン（食物繊維）の働きにより、脂肪の吸収を抑え、糖の吸収をおだやかにするので、血中中性脂肪が高めで脂肪の多い食事を摂りがちな方、食後の血糖値が気になり始めた方に適した飲料です。
ケルセチン配糖体（イソクエルシトリンとして）	本品は、脂肪分解酵素を活性化させるケルセチン配糖体の働きにより、体脂肪を減らすのを助けるので、体脂肪が多めの方に適しています。

トクホの痩せるお茶は、どのくらい効果がある？

では、トクホのお茶では、どれくらい痩せる効果が期待できるのでしょうか。
代表例として、数多くのトクホ飲料に含まれている茶カテキンを継続して摂ると、下記のような効果があるそうです。

• ・過剰になっている体脂肪を減らす
• ・食事で摂った脂質をエネルギーして燃えやすくなる
• ・軽い運動との併用でより脂質が燃えやすくなる

このようなメカニズムによって、どのくらいダイエットに効くのかも気になりますよね。実験では、軽度の肥満（BMIが24～30）の人が12週間、茶カテキンの入った飲み物を継続して飲んだところ、体重は1㎏くらい、腹囲は1cm弱、内臓脂肪の面積は8cm2ほど減少するという結果になりました。この効果は、もともと内臓脂肪が多い人（＝腹囲が長い人＝メタボ体型の人）であればあるほど大きいということも示されています※。

このことから茶カテキンを多く含む食品は、内臓脂肪が多めと指摘されて、ダイエットやメタボ対策に取り組みたい人に適していると言えます。一方で、痩せるといっても、それほど大きな効果はないようです。

痩せるお茶：機能性表示食品の種類と特性

もう一つ、トクホとは別に、痩せる効果を表記できる制度があります。それが「機能性表示食品」です。

トクホは国の厳しい審査を受けて承認されたものが商品化されますが、そこまでのコストをかけられるのは体力のある大企業でないと厳しいです。そこで、もう少し規制を緩くして、幅広く使いやすいものにしたのが「機能性表示食品」です。有効性や安全性のデータを国に提出すれば「事業者の責任」においてその食品の機能性を表示できます。国が審査・承認しているわけではないことに注意しましょう。

体脂肪を減らす効果が期待できる機能性表示食品には、下記のような成分が含まれています。

• ・茶カテキン
• ・ガレート型カテキン
• ・ウーロン茶重合ポリフェノール（ウーロンホモビスフラバンBとして）
• ・ケルセチン配糖体（イソクエルシトリンとして）
• ・葛の花由来イソフラボン（テクトリゲニン類として）
• ・ローズヒップ由来ティリロサイド

これらのお茶のパッケージには「内臓脂肪を減らすのを助ける」「エネルギーとして脂肪を消費するのを助ける」「体重やお腹の脂肪やウエスト周囲径を減らすのを助ける」などと書いてあります。

どの成分も効果は、上で紹介した茶カテキンと同じくらいです。飲むだけで劇的に痩せるというほどの効果はないですが、いつものお茶をこれらに変えるだけで少しでも痩せることはできそうです。

なお、このように記載できるのは特定保健用食品や機能性表示食品だけです。そうでないのに「痩せる」「脂肪が減る」などと書いてある商品があったら、それはルール違反なので信用しないようにしましょう。

ふとし君の相談リスト②への回答

痩せるお茶の飲み方や注意点は？

体脂肪を減らす効果のある特定保健用食品（トクホ）や機能性表示食品などは、スーパーやコンビニ、ネットショップなどで買うことができます。いつも飲んでいるお茶を買う際などに、周りにトクホマークのついたお茶がないか探してみてください。

トクホや機能性表示食品は、国に有効性や安全性のデータを出して表示許可を得ている商品です。トクホや機能性表示食品ではないのに「痩せる」「脂肪が減る」などと書いてある商品があったら、それはルール違反であり、信用できるものではありません。

また、多く飲めばそれだけ痩せるというものではないということに注意してください。パッケージに書かれている飲み方の目安（例：１日600mLを目安にお飲みください）を守ってください。飲むだけで肥満が治る万能のお茶ではないことをしっかり理解しておきましょう。

価格については、トクホや機能性表示食品の飲料は、一般的な商品より価格帯が少し高い傾向にあるようです。ある商品をAmazonで比較してみると、下記のような価格差がありました。おそらく関与成分の研究や申請のためにかかったお金が価格に反映されているのでしょう。

商品	パッケージ	価格	一本あたりの価格
通常のお茶	A社の緑茶 525ml×24本	1964円	82円
トクホのお茶	A社の緑茶（トクホ） 500ml×48本	7680円	160円

通常のお茶より少し高いことをどう捉えるかは人それぞれ。これまでの研究開発の末に発売された飲み物であるから、効果が期待できると考えて買う人もいるでしょうし、高い割に効果がそれほどでもないから買わない人もいると思います。

トクホや機能性表示食品との向き合い方でオススメなのは「ダイエットの意識付け」として使う方法です。運動を始めるときに、気分を盛り上げるためにシューズやウェアを新調する人がいますよね。それと同じように、ちょっと高いお茶を買って、その効果に期待しつつも、通常のダイエット（食事制限や運動）を頑張るという使い方です。

前述したように、痩せるお茶に含まれる成分の多くは「脂肪が燃えやすくする」作用があります。「燃える」ではなく「燃えやすく」です。つまり、お茶を飲むだけでなく、脂肪を燃やすような活動（運動）をすることで、より効果が発揮されやすくなるのです。

ふとし君の相談リスト③への回答

痩せるお茶でダイエットのサポートを

お茶自体は低カロリーな飲み物なので、甘い炭酸飲料や果汁ジュースの代わりに飲むのはダイエットにとても良いことです。さらに体脂肪を減らす効果のあるお茶を飲むようにすれば、わずかながら効果を見込めます。喉が渇いたらジュースを飲むのが習慣化していたような人であれば、うってつけの飲み物でしょう。

ただし、飲むだけで肥満が治るわけではないので注意しましょう。ダイエットの基本の運動やカロリーを控えることを行った上で、補助的に利用するようにしてください。

＜参考文献＞
・森 健太：茶カテキン研究のトピックス. くらしの最前線78. 日本家政学会誌 2011,62(4);253 –255
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhej/62/4/62_253/_pdf