日々の生活の中で少しずつ溜まっていくストレス。気づいたときには体に不調が現れていた、という人も少なくないのではないでしょうか。

ストレス社会ともいわれる現代、全くストレスのない生活を送るというのは難しいですが、ストレスを溜めすぎず、うまく付き合っていくことが大切です!

ここでは、ストレスと関係の深い栄養素や食べ物についてご紹介していきます。

ストレスが溜まると●●が食べたくなる

ストレスが溜まっているとき、食べ物で発散するという方も多いのではないでしょうか。甘いものや辛いものが無性に食べたくなったり、やけ食いをしてしまったり…

実はこれらは食べ物によって分泌されるホルモンや脳の働きなどが関わっていると考えられています。このようなストレスと食の関係について、いくつか代表的なものをご紹介します。

①甘いものが食べたくなる

ストレスがかかった状態では交感神経が活発になり、脳が疲れて普段以上にエネルギーを必要とします。そのため、エネルギー源となる糖分の多い「甘いもの」が食べたくなるのです。

また、糖分を摂取すると幸せホルモンとよばれる「セロトニン」の分泌が促され、イライラした気持ちを落ち着かせてくれる作用があります。これらの理由から、ストレスがかかると甘いものが食べたくなると考えられています。

②辛いものが食べたくなる

辛いものを食べるとなんだか気持ちがすっきりする、という方も多いですよね。唐辛子のような辛いものは体にとって刺激となるため、ストレスが溜まるとそれを発散するためにより強い刺激を求め、辛いものが食べたくなります。

また、辛いものを食べるとアドレナリンやエンドルフィンという脳内物質の分泌が促されます。アドレナリンによって興奮状態となり、イライラや疲れが紛れたり、エンドルフィンによって幸福感や高揚感が得られるため、ストレスがたまると無性に辛いものが食べたくなるのかもしれませんね。

③暴食してしまう

ストレスを感じていると、お腹が空いていなくてもなにか食べてしまう、途中でやめられず食べ過ぎてしまう、ということがありますよね。これはストレスによって脳内のセロトニンが減少していることが原因の一つといわれています。

セロトニンには精神を安定させたり過度な食欲を抑えたりする働きがあるため、セロトニンが不足することで食欲が抑えられなくなり、暴食につながってしまうと考えられます。

④食欲がなくなる

ストレスによって過食になる人とは逆に、食欲がなくなる人もいます。ストレスがかかった状態では交感神経が優位になるため、それによって胃腸の働きが低下し、何も食べたくない…と感じてしまうのです。

また、交感神経が優位な状態では血糖値を上げるホルモンも分泌されるため、血糖値が上昇することで「お腹がいっぱい」と感じて食欲がなくなるということも考えられます。

以上のように、ストレスと食は深く関係しています。ストレスによって起こりがちなこれらの食行動は、一時的なストレス解消にはなるかもしれませんが、偏った食生活や過食が続くと体にとって良くないことは言うまでもありません。たまのストレス発散方法としては問題ありませんが、食以外の方法でもストレスを解消できるようになると良いですね!

ストレスに効果的な栄養素と食べ物

日々のストレスは溜め込まずに解消していくことが大切!それには毎日の食事もとても重要です。ここでは、ストレスに効果的な栄養素と食べ物についてご紹介します。

たんぱく質

筋肉など体を作る材料になるだけでなく、ストレスに対抗するためのホルモンや神経伝達物質の材料にもなる。

<多く含む食べ物>
肉、魚、卵、豆腐、納豆、牛乳、チーズなど

ビタミンB群

エネルギー代謝に欠かせない8種のビタミンの総称。ストレスがかかった状態では普段以上にエネルギーが必要になるため、ビタミンB群を摂取することで効率的にエネルギーを作り出すことができる。

<多く含む食べ物>
豚ヒレ肉、鶏ムネ肉、まぐろ、いわし、レバーなど

ビタミンC

抗ストレスホルモンとよばれるコルチゾールの材料となる。ストレス下では消費量が増加するため、積極的に摂取する必要がある。

<多く含む食べ物>
ブロッコリー、ピーマン、ほうれん草、キウイ、イチゴ、レモンなど

カルシウム

脳の神経の興奮を抑え、イライラや不安な気持ちを落ち着かせてくれる作用がある。

<多く含む食べ物>
小魚、桜エビ、牛乳、チーズ、小松菜、豆腐など

トリプトファン

幸せホルモンとよばれるセロトニンの材料になるアミノ酸。体内で作り出すことのできない必須アミノ酸なので、食事からの摂取が必要。

<多く含む食べ物>
鶏肉、かつお、まぐろ、納豆、豆乳、アボカドなど

ストレスに効果的な飲み物

仕事の合間やちょっと一息つくときに飲むものも、せっかくならストレスに効果的なものを選べると良いですよね。下記の飲み物には、リラックス効果や自律神経を整える作用が期待できるので、参考にしてみてください。

<ストレスに効果的な飲み物>

  • ハーブティー
  • 緑茶
  • ジャスミンティー
  • ミルクココア
  • 豆乳
  • 甘酒
  • 白湯

シーン別ストレス軽減ごはん【おうち・外食・コンビニ】

ここでは、ストレスに効果的な栄養素を多く含んだ簡単レシピと、外食やコンビニのメニューをご紹介します。普段自炊するという方はもちろん、外食やコンビニが多いという方でも、選ぶメニューで栄養バランスは大きく変わるので、ぜひ参考にしてみてください!

おうちで簡単!ストレス軽減レシピ

<納豆小松菜チャーハン>

【材料:1人前】

  • ごはん 180g
  • 納豆 1パック
  • 小松菜 50g
  • 卵 1個
  • 鶏ガラスープの素 小さじ1
  • ごま油 小さじ½

【調理手順】

  1. 小松菜はよく洗って細かく切る。
  2. 深めの耐熱容器に卵を入れてよく混ぜ、納豆、小松菜、鶏ガラスープの素、ごま油を加える。
  3. ふんわりラップをかけてレンジで2分加熱する。
  4. ごはんを加えて混ぜ合わせ、さらに1分加熱して完成。

<サラダチキン棒棒鶏>

【材料:1人前】

  • サラダチキン 1/2パック
  • 水菜 30g
  • トマト 1/2個
  • 胡麻ドレッシング 適量

【調理手順】

  1. サラダチキンは1㎝幅のそぎ切りにする。水菜は5㎝幅に、トマトは薄切りにする。
  2. お皿にトマトと水菜を敷き、その上にサラダチキンを乗せる。
  3. 胡麻ドレッシングをかけて完成。

<ココアバナナヨーグルト>

【材料:1人前】

  • ヨーグルト 80g
  • バナナ 1/2本
  • ココア 小さじ1

【調理手順】

  1. 一口サイズにバナナを切る。
  2. バナナをヨーグルトに入れ、ココアをまぶして完成。

※甘さをプラスしたい場合ははちみつを少量加えるとOK!

外食時に選びたい食べ物・飲み物

<和食>まぐろの刺身、豚肉の野菜巻き、揚げ出し豆腐、じゃこの和風サラダ、緑茶など
<洋食>桜エビとキャベツのパスタ、ほうれん草のポタージュ、アボカドディップなど
<中華>バンバンジー、八宝菜、豆腐のカニあんかけ、青菜炒め、ジャスミンティーなど

外食時は、自炊の場合と比べて高カロリーのメニューや辛いメニューも豊富です。ストレスが溜まっているとそれらのメニューを選択したくなりますが、グッとこらえ、なるべく脂質の少ないメニューや野菜の多いメニューを選ぶようにしましょう。

コンビニで買いたい食べ物・飲み物

<おすすめ食品>
納豆巻き、豚しゃぶサラダ、海藻サラダ、サラダチキン、ひじきの煮物、豚汁、小魚アーモンド、カットフルーツ、ヨーグルト、スムージー、ミルクココア、豆乳、ジャスミンティーなど

コンビニではおやつや飲み物を買うことも多いですよね。食事の調整が難しい日は、普段買っているおやつや飲み物を、ストレス解消に効果的な食品に置き換えて取り入れると良いですよ!

ストレスが溜まっているときに注意したい食べ物・飲み物

<控えたほうがいい食品>
甘いもの、高カロリーなもの、コーヒー、紅茶など

ストレスが溜まると甘いものや高カロリーのものが食べたくなりますが、脂質や糖質が多い食べ物を摂りすぎると、それらを代謝するために、ストレス解消に必要な栄養素を消費してしまいます。

また、コーヒーや紅茶に含まれるカフェインには、集中力を高める効果がある一方、摂りすぎると脳の神経を刺激して緊張状態にすることで、イライラしてしまう原因となります。

これらはいずれもストレスが溜まると摂ってしまいがちなものですが、摂取することでさらにストレスが溜まってしまうという悪循環に陥る可能性があるので、なるべく控えるようにしましょう。

まとめ

ストレスが溜まるとつい好きなものばかり食べてしまいがちですが、そんな時こそバランスの良い食事をとることが大切です。たまには食べ物でストレスを発散しつつ、普段の食生活も見直して、ストレスに対抗できる身体作りを目指しましょう!

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