ダイエットを始める・なかなか減量できない・モチベーションが維持できないという方へ、無理なく成功するための「ダイエット計画」を立てる方法を紹介します。

目次の「まとめ」で要約していますので、時間の無い方はそちらからご覧ください!

ダイエット計画のポイント「体重を目標にしてはいけない」

うまく継続できるダイエット計画を立てるコツは、「体重を目標にしない」ことです。例えば、「1か月で何kg痩せる」というような目標を立ててしまうと、大きく2つの理由でダイエットを失敗してしまいます。

①無理な減量を計画すると失敗する

体重を目標に据えるとき、多くの人は「目標っぽく見える数字」を置きがちです。1か月に10kg痩せる!という大きな数字を置いてしまうのは失敗しがちなダイエット計画です。

100kgを超えるようなよっぽど太っている人や、かなり厳しいダイエットをする場合なら10kg減らすことは不可能ではないですが、リバウンドが心配です。人間の身体は、急に減量すると生命の危険を感じ、体重を元に戻すように働きます。一時的にダイエット成功したとしても、以前以上に太ってしまう人は少なくありません。

一方、「1か月に1kg減らす」という無理のない計画であれば実現する可能性はぐっと高まりますが、「何をするのか」という視点が欠け、具体的な行動に落とし込めません。これだと、最初の数kgはうまく減量できても、その後は停滞してしまいます。

②目標がなかなか達成できず、挫折してしまうと失敗する

体重というのは、古今東西なかなか人間の思い通りにならないものです。そのようなものを計画の目標に据えてしまうと、「努力したのに成果が得られない」という挫折感を味わうことになります。

人間の身体は、1~2kgほどなら割とすぐに痩せられます。問題はその後に起こる「停滞期」です。それまでと同様にダイエットをしていたのに、計画(目算)通りに痩せられなくなります。これは自然に起こることなので、ダイエットしている人が怠けているとか、努力不足ということではないです。

しかし、体重を目標としてダイエットをしていると、停滞期に挫折感を味わってしまうことになります。挫折して、また減量に挑戦して、また挫折する……こういうことを繰り返していると、自分に自信がなくなってきて、ダイエットする気力がわかなくなり、ダイエットしない言い訳ばかりを探し出してしまいます。

ですから、体重をダイエット計画の目標として組み込むのはおすすめしません。
しかし、体重を目標にしないからってダイエット計画を立てなくて良いという意味ではありません。
むしろ、良い計画を立てればダイエットを継続しやすくなり、無理なく成功させることができます。

ダイエットの計画を立てるメリット

ダイエットの計画を立てる大きなメリットは「継続しやすくなる」ことです。それには達成しやすい(成功体験を得やすい)目標を設定し、達成できたら自分を褒めてあげることが重要です。

あなたはこれまで、勉強や仕事で計画を立ててきましたよね。計画を立てるときって、どういうときですか? そのほとんどは「長期間にわたって取り組む必要があること」ですよね。ダイエットはまさに長期戦ですから、計画という伴走者があると取り組みやすくなります。

また、継続を促すような計画は、その人を勇気づけ、モチベーションをアップしてくれます。良いダイエット計画は、単に体重を減らすだけでなく、自己効力感を高めて、自分を信じられて好きになれるようにしてくれます。

ぜひ、無理なく続けられる計画をお供にして、ダイエットという長い道のりを踏破してください。

ダイエット計画を立てよう!必要なのは【記録・食事・運動】の3要素

質の良いダイエット計画に必要な要素は、①記録、②食事の短期行動目標、③運動の短期行動目標の3つです。それぞれ、具体的に解説していきます。

①ダイエット期間中は【記録】が必須!

ダイエットの計画を立てたなら、その計画がうまく進んでいるかを確認するために、毎日の記録が大事です。しかも、記録することだけでもダイエットの効果が期待できます(レコーディングダイエット)。

ダイエットがうまくいっていることを確認するための最も簡便で有効な方法は、体重を測定し、それを記録して推移を確認することです。体重は目標にするのではなく、ダイエットの成果を判定するための1つの指標として捉えると、精神的にも楽ですよ。

体重測定のポイント
  • 毎日、同じ時間帯(朝や夜など)に測定する
  • 測定するタイミングを決め、習慣化する(朝トイレに行った後、お風呂に入る前など)
  • 100g単位で量れる体重計を使う
  • 簡単に記録できるアプリやデバイスを活用する

いつ、どの体重計で、どのように記録するのか…というルールを決めることが、ダイエット計画の最初の一歩となります。やる気アップのために、新しい体重計を買ったり、体重記録用のアプリをインストールしたりするのはいかがでしょうか。

②食事に関する短期の行動目標を設定する

記録のルールが決まったら、次は食事の目標を立てましょう。ここでポイントとなるのは、「短期間で達成する目標にする」「成果ではなく行動の目標を立てる」ことです。つまり、短期の行動目標を設定するということになります。

よくダイエットでは「1日の摂取エネルギーを○○kcal以下に抑える」ということが言われます。これは目安として非常に参考になるものではあるのですが、すべての食事をカロリー計算して調整するというのは、プロの栄養士が付いているならまだしも、素人が簡単にこなせることではありません。

ですから、初心者のダイエット計画では、カロリーを目標に据えるのではなく、下記のような「ダイエットに良い食べ方」を行動目標とすることをおすすめします。

ダイエット計画:食事の短期行動目標(例)
  • 野菜から先に食べる(ベジファースト)
  • 1口で最低10回は噛むようにする
  • 就寝までの3時間に食事をしない
  • 間食は1週間に3回までにとどめる
  • 1日3食、主食・主菜・副菜(定食スタイル)の献立にする

ダイエットというと「いかに食べたいものを我慢するか」という耐久レースのようなことをしがちなのですが、上に挙げたようなことから1つだけ、できそうなものを選んで目標にすればいいのです。これなら頑張れそうな気がしませんか?

他にも、食事の短期行動目標にできそうな案をいくつか紹介しておきます。少し意識すればできそうだな…と思えるものを選んでください。

ダイエット計画:食事の短期行動目標(例)
  • 野菜やきのこ、海藻など、食物繊維が豊富な食品を毎食食べる
  • 甘い飲み物(ジュースなど)を水やお茶に切り替える
  • お皿やお茶碗のサイズを小さくする
  • いつも食べている量の7割にする
  • 大盛りを頼まない/小盛りを選ぶ
  • 揚げ物は週に3回までにする
  • 230kcal(1か月で1㎏減らすためのカロリー)に相当する食事を減らす

いくつも挙げましたが、一度にこれらすべてに取り組む必要はありません。まず1つ選んで、それが達成できたらもう1つ選ぶ……という形で、短期目標を数珠つなぎにして続けていくイメージで取り組みましょう!

献立に迷う・食べ過ぎてしまうという方はミールキットを利用するのもおすすめです。

③運動に関する短期の行動目標を設定する

食事の短期目標が決まったら、運動についても検討しましょう。運動は思いのほか消費カロリーが少なく、「運動で○○カロリー消費する」という目標を立ててしまうと、達成が難しくなりますし、やる気が損なわれる原因にもなります。

そこで運動でまず目標にしてもらいたいのは「今よりもプラス10分運動する」ということです。運動の内容は何でも構いませんが、少し息が上がって気持ち良い汗がかけるくらいの強度のあるものを選びましょう。

よく例として挙がるのは、ウォーキングやジョギング、水泳などですよね。もちろんこれらでもいいですが、もともと運動の習慣がない人がこれらを始めるのはハードルが高いかもしれません。計画の最初はもっと生活の中で取り組みやすいものでOKです。例えばこんな行動目標はどうでしょう。

ダイエット計画:運動の短期行動目標(例)
  • 通勤時にはできるだけ階段を使う
  • テレビCMのタイミングで足踏みをする
  • 家事をしながらスクワットをする
  • いつもより遠いスーパーで買い物をする
  • 身体を動かすゲームで遊ぶ

ダイエットの運動を長続きさせるコツは、以下の2つです。

  1. 嫌でないものを選ぶ
  2. いつもの生活パターンの中に溶け込ませることができるものを選ぶ

いかにも運動・スポーツをしてます!みたいな気合の入った目標は、継続面ではマイナスに働きますので、まずは「ながら運動」で十分です。

こういった簡単な目標を達成できたら、次は「強度を上げる」か「時間を長くする」かの2軸で難易度を上げることを考えてください。例えばこのような形です。

ダイエット計画:運動の短期行動目標(強化例)
  • 通勤時にはできるだけ階段を使う ⇒1駅前で降りて歩く
  • テレビCMのタイミングで足踏みをする ⇒スキップをする
  • 家事をしながらスクワットをする ⇒スクワットをする機会を増やす
  • いつもより遠いスーパーで買い物をする ⇒スーパーまで早歩きする
  • 身体を動かすゲームで遊ぶ ⇒そのゲームに類したリアルの運動をする

最初に立てた目標を達成できたら、それはあなたにとって「やれること」です。同じ方向性で強度もしくは時間の負荷を少し高めても、きっと達成できるはず。このような形で、好きな運動をステップアップしてください。

また、少し乱暴ではありますが、初期投資をしてやらざるを得なくするという方法もあります。例えば、ランニング用のいい靴を買う、フィットネスジムに入会する、有酸素運動のマシンを買うなどです。最初にお金がかかっているので、投資分を回収する意味でもやる気になりやすい方法です。

ただし、この方法は本当に自分に合っている方向性の運動なのかが分からない状態で始めてしまうことになるので、ややリスキーです。つまり、早晩飽きてしまってやらなくなるという可能性があります。

ですから、まずは初期投資なしでやれる運動の短期目標を立てて色々試してみて、自分にフィットする方向性の運動を知ってから、その方面のグッズを買うという流れをおすすめします。

ダイエットの計画ができたらまずは2週間やってみましょう。

ダイエット計画は2週間~1か月ほどで見直しを!

ダイエット計画は、立てたら終わりではありません。定期的(2週間~1か月ほど)で見直しを行い、必要に応じてレベルのアップ/ダウン、変更を行いましょう。そのためにあえて短期で具体的な行動目標を立てているのです。

ダイエット計画が達成できた場合

食事や運動の短期行動目標が達成できた人は、おめでとうございます! 短期間ではありますが、自分で立てたダイエットの目標を完遂したというのは、自信を持っていいことです。理想の健康的な体型に確実に近づいていますよ!

記録の方はどうでしょうか。体重も連動して下がっている場合も、そうでない場合もあると思います。体重は同じことをしても下がるときと下がらないときがあるので、あまり気にしすぎないようにしましょう。それでも記録は続けてくださいね。

さて、今回の目標が達成できたので、次のレベルに行きましょう。現在の目標にもう1つ加えるか、アップグレードする形で新目標を設定してください。

ダイエット計画:目標が達成した場合の次のステップ(例)
  • 【記録】体重は1kg弱減った 
    ⇒記録をそのまま継続する
  • 【食事】1口10回以上噛む
    ⇒1口10回以上噛んで、野菜から先に食べる(アドオン)
  • 【運動】テレビCMのタイミングで足踏みをする
    ⇒足踏みではなくスキップをする(アップグレード)

ダイエット計画が達成できなかった場合

食事や運動の短期行動目標が達成できなかった場合は、ちょっと悔しいですね。でも、もしかするとその目標は、あなたの生活やタイプに合っていなかったり、難しすぎたりしたのかもしれません。あなた自身が失敗したのではなく、目標設定に失敗しただけなので、気にしないでやり直しましょう!

この場合も、記録の良し悪しにはかかわらずに記録は続けてください。もし記録そのものができていない場合は、記録のルールを変更しましょう。体重計に乗るタイミングを変更したり、記録するツールを変えてみたりしてください。自動で記録してくれる体重計を導入してもいいかもしれません。

食事と運動の目標は、今回の結果を踏まえて再設定します。自分でもどうしてうまくいかなかったのか、何となく目星は付いているのではないでしょうか? その「何となく」の気持ちを大事にして、次の目標を考えてください。「何となく自分と合わない」ことを無理して続ける必要はありません。現在の目標からまるっきり変えてしまうか、難易度を少し下げましょう。

ダイエット計画:目標が達成できなかった場合の次のステップ(例)
  • 【記録】何日か測れていない(理由:つい忘れてしまった)
    ⇒朝、歯磨きをしながら体重計に乗る(ルール変更)
  • 【食事】1口10回以上噛む(理由:数えることを忘れることが多かった)
    ⇒野菜から先に食べる(入れ替え)
  • 【運動】テレビCMのタイミングで足踏みをする(理由:CMのとき気づかなかった)
    ⇒テレビを見るときはなるべく立つ(ダウングレード)

このように短期で計画を立てて見直し、どんどん変えていくと無理なく継続できるので成功しやすいんです。自分自身の「勝ち筋」が見えてくるとモチベーションにもつながります。ダイエットは無理なく楽しく続けることが望ましいです。

まとめ

ダイエットの計画を立てるなら、記録と食事・運動の短期行動目標を作りましょう。体重やカロリーにこだわり過ぎると、難しくなったり挫折しやすくなったりするので、具体的な一つの行動を目標にするのがポイントです。まとめると、

【ダイエット計画を立てる・運用するときの考え方】

①ダイエット計画(初回)

  • 食事の短期行動目標を1つ立てる
  • 運動の短期行動目標を1つ立てる
  • 記録する(体重など)

②2週間から1か月後に自己評価

達成できたら

  • 食事の短期行動目標を1つ追加する
  • 運動の短期行動目標を1つ追加もしくは前回の短期行動目標をアップグレードする
  • 記録する(体重など)

達成できなかったら

  • 食事の短期行動目標を見直す
  • 運動の短期行動目標をダウングレードする
  • 記録する(体重など)

これを繰り返してダイエットを成功させましょう!