蕎麦(そば)は季節に関わらずよく食べられる日本を代表とする食べ物ですよね。冷たいものから温かいものまで、トッピングの種類が豊富なため、飽きずに食べられることもよく食べられる理由の一つかもしれません。

蕎麦は栄養価が高く健康にいいと思われていますが、実はデメリットもあることをご存知ですか?
この記事では蕎麦の栄養価を中心にメリット、デメリットを解説していきます。

この記事からわかること
・蕎麦のメリット:「ダイエット向き」「疲労回復」「二日酔い予防」「美肌効果」「生活習慣病の予防」
・蕎麦のデメリット:「消化に時間がかかる」「食べ過ぎると体温を下げる」「ビタミンCとビタミンAが不足しやすい」
・蕎麦湯はタンパク質、ビタミンB1、B2、ルチンが豊富
・そば茶はルチンや食物繊維が豊富

蕎麦の栄養価

では、蕎麦にはどのような栄養が含まれているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。

干しそば(乾)100g干しそば(茹で)100g
エネルギー344kcal113kcal
タンパク質14.0g4.8g
脂質2.3g0.7g
炭水化物66.7g22.1g
食物繊維3.7g1.5g
ビタミンB10.37mg0.08mg
ビタミンB20.08mg0.02mg
ビタミンB60.24mg0.05mg
ナイアシン3.2mg0.6mg
ナトリウム850mg50mg
カルシウム24mg12mg
マグネシウム100mg33mg
2.6mg0.9mg
リン230mg72mg
参照:日本食品標準成分票2020年版(八訂)

ご飯との違い

蕎麦とご飯を比較してみましょう。
100gあたりのタンパク質、脂質、炭水化物、糖質、カロリーの比較です。

干しそば(茹で)白米
エネルギー113kcal156kcal
タンパク質4.8g2.5g
脂質0.7g0.3g
炭水化物22.1g37.1g
糖質21.5g35.6g
参照:日本食品標準成分票2020年版(八訂)

このように白米と比較するとタンパク質も多く、糖質が少なく、白米よりも低カロリーであることがわかりますね。

蕎麦のメリット

蕎麦が栄養豊富なことはわかりましたが、蕎麦の健康効果について解説していきます。

ダイエット向き

蕎麦は血糖値の急上昇を緩やかにする低GI食品です。ちなみに白米のGI値は「81」で、うどんで「85」、食パンで「95」に対し、蕎麦は「54」です。他の主食(炭水化物)と比較しても低いことがわかります。
※GI値とは、食べたときに上がる血糖値の上昇スピードを数値化したもの

高GI値食品を食べると糖質の吸収が高くなり、太りやすい体質になります。
参考記事:低GIダイエットで太りにくい体質になろう!正しいやり方と効果やおすすめ食品&メニューも紹介

また、他の主食と比較しても、タンパク質や食物繊維が豊富に含まれているので、太りにくい食品といえます。

疲労回復

そばには疲労回復に役立つビタミンB1ビタミンB2を豊富に含んでいます。お米や小麦と比較するとその量は2~3倍なため、疲労回復したいときにご飯よりは蕎麦がおすすめです。

二日酔い予防

蕎麦にはアルコールの分解に役立つパントテン酸と二日酔いの原因であるアセトアルデヒドの分解に役立つナイアシンが含まれているため、二日酔い予防にとても効果的です。

また、蕎麦に含まれるコリンには肝臓の働きを促す効果があり、脂肪肝や肝硬変などの予防にも役立ちます。

美肌効果

蕎麦には強い抗酸化作用のあるルチンと肌の材料となるタンパク質が含まれているため、美肌にとても効果的です。

また、蕎麦に含まれる食物繊維は腸内環境を整え、ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持を助ける働きがあるため、美容にとても良いといえます。

生活習慣病の予防

蕎麦には強い抗酸化作用のあるルチンが豊富に含まれており、毛細血管を丈夫にし、高血圧の予防動脈硬化の予防に役立ちます。

このルチンはビタミンCと同時に摂るとさらに効率的に働いてくれるので、野菜などと一緒に食べるといいでしょう。

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蕎麦のデメリット

それでは、蕎麦を食べるデメリットはあるのでしょうか?詳しく解説していきます。

消化に時間がかかる

脂質や食物繊維を多く含む食品は消化に時間がかかるといいます。蕎麦はご飯やうどんと比較すると脂質と食物繊維が多いため、消化に時間がかかります

風邪など体調が悪いときは蕎麦は控えましょう。

食べ過ぎると体温を下げる

蕎麦にはルチンやカリウムがふくまれています。ルチンは毛細血管を強化し、血流を改善するため体を温める効果があります。
しかし、カリウムは利尿作用があり、尿を出すことで体を冷やす働きがあります。適量を食べる分には問題ありませんが、食べ過ぎてしまうと体を冷やしてしまうので、注意が必要です。

ビタミンCとビタミンAが不足しやすい

蕎麦はビタミンAとビタミンCが不足しています。そのため野菜や果物など付け合わせに追加して摂るようにしましょう。

蕎麦は食べないほうがいい?

このように蕎麦にはデメリットも存在しますが、食べ過ぎない、食べ方を気を付けるだけで問題ありません!

特に蕎麦から得られるメリットの方が大きいため、無理のない範囲で蕎麦を習慣的に食べるといいでしょう。

蕎麦を栄養バランスよく食べる方法

蕎麦は栄養豊富な食品ですが、蕎麦のみで食べると栄養に偏りができます。そのため蕎麦と一緒に食べるといいものや蕎麦の選び方まで詳しく解説していきます。

野菜や果物と一緒に食べる

蕎麦はビタミンAやビタミンCが不足しているため、野菜と一緒に食べるといいでしょう。
サラダや温野菜、果物などがおすすめ!

野菜の天ぷらだとカロリー過多になってしまう可能性があるため、野菜の天ぷらの食べ過ぎには気を付けましょう。

トッピングの食べ合わせて健康効果倍増

トッピングによって、得られる健康効果が異なります。おすすめは以下の通りです。

  • なめこ⇒免疫アップ
  • わかめ⇒便秘解消
  • 大根おろし⇒消化促進、高血圧予防
  • とろろ⇒消化促進、免疫アップ
  • 卵⇒筋肉を作る効率アップ
  • 納豆⇒腸内環境を整える

そば粉を多く含む蕎麦を選ぶ

蕎麦には100%そば粉でできている十割蕎麦もあれば、小麦粉を配合されたものがあります。

そば粉が多く含まれているそばのほうが太りにくいので、食べる際は十割蕎麦を選ぶようにしましょう。

蕎麦湯には体にいい?

お蕎麦屋さんに行くと食後に出てくることがある蕎麦湯、最近では粉末状や液体状でお湯に溶かして飲むタイプのものなどが販売されています。

ここでは蕎麦湯について解説していきます。

蕎麦湯とは?

蕎麦湯とは、蕎麦を茹でた後の茹で汁です。そのため、蕎麦の栄養がたっぷり溶け出しています。
つゆで割って飲んだり、そのまま飲んだりして蕎麦の風味を楽しむことができます。

蕎麦湯を飲むメリット

蕎麦の栄養は先述した通りですが、蕎麦の溶け出た栄養素を丸ごと摂るのであれば蕎麦湯を飲むのがおすすめです。

特にタンパク質やビタミンB1、B2、ルチンが多く含まれています。

ただし、そばつゆなどで割って飲む場合、飲みすぎてしまうと塩分の摂りすぎになってしまうので飲みすぎには注意しましょう。

そば茶は?

そば茶の原料はそばの実で、そばの実を焙煎して製造されたものです。
ここではそば茶について解説していきます。

そば茶を飲むメリット

そば茶にはルチンや食物繊維などが多く含まれています。そのため、以下のような効果があります。

  • 冷え性改善
  • 便通改善
  • 美肌効果

また、そば茶はカフェインが含まれていないため、妊娠中の方や授乳中の方も安心して飲むことができます。

1日あたりの摂取量

そば茶を飲むのであれば1日あたり3杯程度飲むといいでしょう。

飲みすぎてしまうと、トイレの回数が増えたり、体を冷やしてしまうので注意が必要です。

まとめ

蕎麦には以下のようなメリット・デメリットが存在します。

<メリット>

  • ダイエット向き
  • 疲労回復
  • 二日酔い予防
  • 美肌効果
  • 生活習慣病の予防

<デメリット>

  • 消化に時間がかかる
  • 食べ過ぎると体温を下げる
  • ビタミンCとビタミンAが不足しやすい

デメリットがあるので食べ控えしたくなりますが、食べ過ぎない・食べ方に気を付けるだけで、特に問題ありません。それ以上に蕎麦には体にいい効果があるので、、安心して蕎麦を食べてください。

また、蕎麦湯やそば茶も体にいいので、ぜひ参考にしてみてください。