飲み会やパーティーなど、友人や家族たちと楽しく過ごす時は、どうしても食べ過ぎてしまいますよね。
翌日、体重が急激に増えてしまって、がっかりしてしまうことも。

この、食べ過ぎによって増えた体重は、どのくらいで元に戻るのでしょうか。
今回は、食べ過ぎによる体重増加の原因や、食べ過ぎを防ぐためのポイントを紹介していきます。

この記事でわかること
・食べ過ぎても48時間以内なら体脂肪の増加は防げる
・「たんぱく質」「ビタミンB群」「体を温める食事」は食べ過ぎ予防に役立つ栄養

食べ過ぎによって体はどのように変わってくるのか、ご紹介します。

食べ過ぎた後の体重増加の原因

食べ過ぎた後の体重増加には、いくつかの原因があります。

食物や水分量の増加

食べ過ぎ直後の体重増加の原因のほとんどは、食べたものの重さや、体内に蓄積される水分量の増加です。
この体重増加は、決して「太った」わけではなく、一時的に増えただけです。

1日のうちで、体重は1~2kgの変動は常に起こっています。飲食によって増えたり、発汗や排泄によって減ったりと、普段と変わらない生活をしていても変動は起こっています。

脂肪の蓄積

しかし、食べ過ぎが続くと、着実に体脂肪は蓄積されていきます。体脂肪がつくことで、はじめて「太った」といえるのです。

食べたものは、体を動かすエネルギー源(グリコーゲン)として肝臓に蓄えられます。摂取エネルギーと消費エネルギーが釣り合っていれば太ることはありませんが、食べ過ぎによってエネルギー過多になると、肝臓に入りきらなくなったグリコーゲンが脂肪に変わっていきます。

その脂肪細胞が大きくなっていくと、見た目にもわかるように体に脂肪がつきます。そこで初めて、太ったといえるのです。イベントなどで食べ過ぎても、体脂肪の蓄積を抑えておけば、太ることはありません。

食べ過ぎた食事は、どれくらいの期間で体脂肪になるのか

では、余ったエネルギーはどれくらいで脂肪に変わってしまうのでしょうか。
実際に食事をした後、食べたものが脂肪に変わるまでの時間は48時間といわれています。

逆に言えば、それまでに対応すれば、体脂肪は増えないということです。

翌日に摂取カロリーを控えたり、運動をして消費カロリーを増やすことによって、食べ過ぎた直後に増えた体重を、体脂肪として蓄積させないということが重要です。

ダイエットの成功は、体重よりも見た目を重視する

ダイエット成功のカギを握るのは、ダイエットの目標をどのように設定するかにもあります。
5kgや10kgなど、【体重】を減らすことを目標としている方も多いのではないでしょうか。
確かに数値としてわかりやすい体重は、目標に設定しやすいと思います。
しかし、体重という数値にばかり目を向けてしまうのには注意が必要です。

たとえば、頑張って食事コントロールや運動を行い、体重を減らそうと考えていたのに、なかなか体重が減らなかったり、逆に増えてしまったという方もいるかもしれません。ダイエット中はこのようなことが度々起こります。

その原因は、筋肉と脂肪の重さの違いです。

筋肉と脂肪を同じ体積で計算すると、筋肉は脂肪よりも重くなります。同じ重さであれば、筋肉は脂肪よりも体積が少なく、小さくなるのです。

食べ過ぎによる一時的な体重増加や、筋トレによって筋肉量が増えると、体重は重くなってしまいます。体重を減らす目標の場合、その体重増加によってモチベーションが低下してしまい、挫折してしまう可能性が高まるのです。

筋肉量の増量による体重増加であれば、見た目は引き締まって細くなっています。
体重よりも、見た目を重視してダイエットを行うと、成功確率が高まります。

食べ過ぎ・便秘がちの人におすすめの漢方薬

ついつい食べ過ぎてしまう人は漢方薬を活用してみるのもよいでしょう。
「防風通聖散」は脂肪細胞を活性化して脂肪を分解・燃焼する作用や便通改善効果も期待できます。

食べ過ぎによる体重増加を防ぐ食事のポイント

食べ過ぎを防ぐには、いくつかのコツがあります。
ここでは食べ過ぎを防ぐための、食事のポイントについて解説します。

整った食生活リズムを作る

普段から食べ過ぎてしまう方は、整った食生活リズムを作ることが必要です。
朝・昼・夕の食事の時間を、毎日決まった時間にしたり、間食をしないようにすることを心がけましょう。
食事の間が長く、空腹感でいつも食べ過ぎてしまう…という方は、食事回数を見直してみるのもいいかもしれません。

1日3食ではなく、間に間食を入れて1日5食や6食にするのです。

食事回数を増やすと太ってしまうのでは…と思う方もいるでしょう。確かに食事回数だけを増やしてしまえば全体の食事量が増えてしまい、太ってしまいます。食事回数を増やすというのは、全体の食事量を変えずに、それを細かく分割して食べる方法です。

食事回数を増やすのは、食べ過ぎを防ぐと同時に、ダイエットにも効果があります。
食事の間隔を狭くすることで空腹の状態を防ぎ、血糖値の上昇を緩やかにしてインスリンの分泌を抑え、体脂肪の蓄積を抑えるのです。

食事を分割して摂ることは、筋量の維持にも効果を発揮します。
空腹になると、筋肉を分解してエネルギーを生み出します。食事を分割することでエネルギー切れによる筋肉の分解を防ぐとともに、体内で筋肉の元となるたんぱく質をこまめに摂取することができるため、筋量を維持することができるのです。

回数を増やすことによるデメリットの一つが、調理の手間です。そのため3食以外は、間食として簡単に摂取できるものを選ぶと便利です。
体作りの代表的な間食には、プロテインがおすすめです。溶かして飲むだけなので、すぐに摂取できるうえ、たんぱく質を豊富に補給でき、体作りに最適です。

その他にもナッツ類などのお菓子も良いでしょう。間食としてとる食事には高たんぱく・低糖質・低脂質である食品を選ぶようにしましょう。

食事の時間を長くする

食べ過ぎを防ぐには、食べ方が重要です。
忙しい人がついついやりがちな早食いは、脳の満腹中枢が働く前にどんどん食べてしまうので、食べ過ぎに繋がってしまうのです。

また、早食いは、血糖値の上昇を速め、血糖値を抑制するためのホルモンであるインスリンが短時間に分泌されることになります。
これにより膵臓に負担がかかり、インスリンの分泌量が減少し血糖値のコントロールができなくなっていき、結果的に内臓脂肪の蓄積や肥満に繋がるのです。

早食い・食べ過ぎにならないようにするには、ゆっくりよく噛んで食べることを意識しましょう。よく噛むことは、満腹中枢を刺激し食べ過ぎを防ぐことに繋がります。
満腹中枢が刺激されるまでには、約15分かかるとされています。食べ過ぎを改善するためには、最低でも15分以上かけてゆっくりよく噛んで食事をすることが大切です。

食事前の水分補給

食事前に水分を補給しておくと、空腹感を抑え、食べ過ぎを防止することができます。
水分補給をするなら、食前30分前がおすすめ。

また、食事中の水分補給が多いと、消化を妨げたり、食事を水分で流しながら食べてしまうため、食事量が多くなりがちで、食べ過ぎにつながってしまいます。
水分補給はなるべく食事前に済ませておきましょう。

ながら食事をしない

食事に集中せずに、テレビやスマホなどを見ながら食事する「ながら食事」も食べ過ぎに繋がります。[拓和1]

これは、自分が食べた量を把握できなくなったり、空腹感を感じにくくなることが原因です。これは食事だけでなく、間食の場合も同じ。テレビを見ながらお菓子を食べていたら、いつの間にか全部食べてしまっていたという経験がある方も多いのではないでしょうか。

逆に、おしゃべりをしながら食べる「ながら食事」は、食事時間を長くし、食事量を減らすのに効果的。家族や友達とおしゃべりしながら、ゆっくり食事をするとよいでしょう。

空腹時に買い物をしない

皆さんも経験があると思いますが、空腹時にスーパーやコンビニに食材やお弁当を買いに行ってしまうと、ついつい買いすぎてしまいます。

これは、空腹時は決断をする際に、短期的なものに飛びついてしまうという心理が働く体ということが研究で報告されています。これは食事だけでなく、物欲を刺激することによる買いすぎ→もったいないから食べてしまう、ということにつながります。

また、空腹時の買い物は高カロリー食品を選びがちになるという研究報告もあります。
空腹時はなるべく買い物を控えるか、買うものを決めてから買い物に行くようにしましょう。

食べ過ぎ予防に役立つ食材

食べる量はもちろんですが、食べるもの(栄養素)にも注目してみましょう。
栄養素の種類を意識して食べるだけで、食べ過ぎを防ぐだけでなく、体づくりにも役立ちます。

たんぱく質

食事をすることによっても代謝が高まります。食事をすると摂取した栄養素が分解されることで、体温が上昇します。これを食事誘発性熱生産(DIT)といいます。皆さんも食事中に暑くなってきて汗をかいたという経験があると思いますが、これはDITの影響です。

このDITは栄養素によってエネルギーの消費量が異なります。一番多いのがたんぱく質といわれ、摂取エネルギーの約30%がDITによって消費されます。食べ過ぎの翌日は、たんぱく質を中心とした食事にするとよいでしょう。

たんぱく質が多く含まれている食品
肉類、魚介類、卵、大豆製品、乳製品など

ビタミンB群

代謝を高める栄養素として代表的なのがビタミンBです。ビタミンB1は糖質を、ビタミンB2は脂質を代謝しエネルギーを生み出す働きを担っています。

食べ過ぎや飲み過ぎによって多く摂取した糖質・脂質を分解しエネルギーに変えるだけでなく、アルコールなどの代謝にも効果があるのです。

ビタミンB群が多く含まれている食品
豚肉やうなぎ、かつお、マグロ、レバー(鶏・牛・豚)など

体を温める食事

体を温めることで内臓の働きも活発化し、基礎代謝も向上します。そのため、体を温め血行を良くする食品も代謝アップに効果的です。

体を温める食品
トウガラシ(カプサイシン)、ショウガ(ジンゲロール)など

これらの食品を効果的に料理に使うことで、代謝アップにつながります。
食事の食べる順番に気をつけるだけでも、リバウンドを防ぐことに効果があります。意識すれば簡単に行えるため、ぜひとも駆使していただきたいテクニックの一つです。

食物繊維

食事のはじめは、食物繊維の豊富な食材を食べるようにしましょう。
食物繊維をとることでたんぱく質や脂質、炭水化物の消化スピードが緩やかになったり、血糖値の上昇を抑えることができます。また、空腹感を感じにくくなり食欲を抑えるという効果もあるため、食べ過ぎを防ぐことができます。

食物繊維が多く含まれている食品
玄米、胚芽米、麦めし、大豆、うずら豆、あずき、さつまいも、里いも、こんにゃく、ごぼう、ふき、セロリ、アスパラガス、青菜類、キャベツ、白菜、しいたけ、しめじ、えのき、わかめ、寒天、ところ天、バナナなど

チートデイは食べ過ぎを防ぐ?

いつもついつい食べ過ぎてしまうという方は、あえて食べ過ぎてもいい日を設定するという方法も効果的です。
食べ過ぎていい日のことを、チートデイ【チート =だます・ズルをする・反則をする】といいます。

チートデイには様々な効果があります。

代謝を上昇させる

特にダイエットで日ごろから食事を節制している人に、チートデイは効果的です。食事制限により摂取エネルギーが少なくなると代謝も低下します。

チートデイは定期的に多くのエネルギーを補給することで、代謝の低下を抑え停滞期を防ぐことができます。

チートデイを行うことで一時的に体重が増えてしまいますが、長期的に見れば順調にダイエットは進んでいくはずです。

精神的負担の軽減

チートデイを設定すると、その日だけは食べたいものが食べられる、お腹いっぱい食べられると、メンタル面でのストレスを解消し、モチベーションの低下を防ぐことができます。
ダイエットで日ごろ食事制限をしている人は、体だけでなくメンタル面にも多くのストレスがかかります。

また、日常的に食べ過ぎてしまう方は、その翌日に罪悪感を感じるなど、メンタルにも影響を及ぼしてしまいます。
あらかじめチートデイを設定しておけば、体重が増える覚悟ができているうえ、その日以外は食べ過ぎないようにしよう!という意識が働き、食べ過ぎを防ぐことができます。

食事制限は体だけでなくメンタル的にもつらいものがあります。食べたいものも食べられない、お腹が空いても食べられないなど、心には多くのストレスがかかります。そのストレスに負け、ダイエットを辞めてしまう人がほとんどなのです。

チートデイがあるから頑張れる!と、ダイエットが継続している人も多く、モチベーションの維持という点でも大きな役割を果たします。
チートデイを取り入れるのであれば、1週間のうち1日をチートデイにしましょう。あらかじめ何曜日をチートデイにすると決めておくとわかりやすいと思います。
ただし、その他の6日は、しっかりと食事をコントロールするようにしましょう。

食べる量が多くなりやすい飲み会やイベント事などがあらかじめスケジュールに入っているようであれば、その日をチートデイにしてみるのもいいかもしれません。

チートデイにおすすめのアイテム

おわりに

食べ過ぎることは、決して悪いことばかりではありません。ストレス発散など効果があり、メンタル面でのリラックスを促します。

しかし、食べ過ぎた分は、その後にきちんと調整する必要があるのは確かです。放っておけば、太ってしまうからです。できるだけ食べ過ぎをしないように日ごろから工夫するとともに、食べ過ぎた場合は、運動や食事のコントロールにより対処するようにしましょう。