「あれ?健康診断で中性脂肪が高い判定が出てる!体重は増えてないんだけどなー。」
中性脂肪の値が高いと、「どうして?」と思ってしまいますよね?
ましてや体重が増えていないとなると。

今回はそのような方のために、中性脂肪が高くなる4つの原因や中性脂肪を減らすのに運動が効果的な理由、自宅でできる10の運動などを紹介します。

中性脂肪を減らす食材や飲み物なども取り上げますよ。

「中性脂肪」とは?

中性脂肪は、活動のエネルギー源として重要な脂肪の一つです。
体内の栄養素が不足したときに補ってくれたり、善玉コレステロールを増やしてくれたりする役割を持っています。

しかし、食事の食べ過ぎなどにより中性脂肪が増えてしまうと、脂質異常症による心筋梗塞や脳梗塞などの病気を引き起こす原因に。

体内の中性脂肪が増えて血管が詰まりやすくなることにより、引き起こされます。
「特に太っているわけじゃないから大丈夫」と、そのままにしておくのは危険です。
健康診断で異常が見られたら、通院して診察を受ける必要があります。

中性脂肪が高くなる4つの原因

中性脂肪が高くなる原因はおもに4つです。

①食生活の乱れ

1つ目は食生活の乱れがあげられます。

揚げ物などの脂分の多い食事や、糖分の多い菓子パンやジュースなどを取り続けていると、体内に内臓脂肪がたまってしまうのです。

②お酒の飲み過ぎ

2つ目はお酒の飲み過ぎによるもの。

過度な飲酒でアルコール分が体内でうまく消化されないと、中性脂肪がたまってしまいます。

梅酒やリキュール、ビールや日本酒などのお酒を好む方は、糖質が高いので飲み過ぎに注意です。

③ストレス

3つ目はストレスです。

仕事などで過度なストレスにさらされていると、脳内でストレスホルモン「コルチゾール」が過剰に分泌され、甘い物や揚げ物をたくさん食べたくなります。

コルチゾールが増え過ぎると、食欲を抑える働きを持つ「セロトニン」が減少することに。
そのことにより食欲のコントロールがきかなくなり、結果として中性脂肪が高くなることにつながるのです。

ちなみにコルチゾールは本来、体に悪いものではありません。
たんぱく質の代謝や脂肪の分解など、体にとって必要な物質です。

④運動不足

4つ目は運動不足です。

本来、食事のカロリーは運動で消費されますが、運動しない生活を続けていると体内に脂肪分がたまりやすくなります。

また、運動不足により筋肉量が減ると、基礎代謝も下がってしまいます。
基礎代謝とは、睡眠時など活動していないときにも24時間働き続けてくれるエネルギー消費量のことです。

中性脂肪を減らすのに運動が効果的な理由

中性脂肪を減らすのに運動が効果的な理由は3つあります。

「中性脂肪を減らす効果」「コレステロール値を下げる効果」「血糖値を下げる効果」があると言われているからです。

運動は、ウォーキングや軽いジョギング、踏み台昇降などの有酸素運動が有効ですが、腹筋や腕立てなどの無酸素運動と組み合わせることで、さらに効果を発揮しやすくなります。

無酸素運動には、「基礎代謝を上げる効果」や「脂肪を燃やす成長ホルモンの分泌を促す効果」を期待できます。

運動の目安は、有酸素運動は一日30分くらいです。
仕事が忙しくてできない場合は、週3回を目標にしましょう。

無酸素運動は、お風呂上がりなどに時間をつくって毎日少しずつでも行なえるといいですね。

いきなり筋トレが難しい場合はストレッチから始めて、徐々に体を慣らしていってもいいでしょう。

自宅でできる中性脂肪を減らす5つの無酸素運動

このパートでは、中性脂肪を減らす5つの無酸素運動を紹介します。

①スロースクワット

スロースクワットは、太ももにある大きな筋肉「大腿四頭筋」や、お尻の付け根から膝の裏にかけて伸びる筋肉「ハムストリングス」、ふくらはぎの筋肉を鍛えることができる筋トレです。

脂肪燃焼効果や基礎代謝アップ効果を見込めます。

(手順)
①足を肩幅よりやや広めに開き、腕を胸の前で交差させる。
②太ももとお尻が並行になるように、ゆっくりと5秒ほどかけて、膝を曲げていく。
③ゆっくりと5秒ほどかけて、約45度になるまで膝を伸ばしていく。※膝を伸ばしきらないのがポイント。
④①〜③を各5回ずつ、合計10回ほどを目安に行なう。

②プランク

お腹の引き締めや基礎代謝の向上を期待できる筋トレです。

(手順)
①床にうつ伏せになり、手を前に置く。
②①の状態で肘で上半身を起こしながら、足をそろえてつま先立ちする。
③呼吸をしながら、全身がまっすぐになるよう②の状態を維持する。
④③の状態で30秒キープする。
⑤①~④を繰り返す。※きつい場合は、1回ごとに30秒間の休憩を取る。

プランクを行なうポイントは、あごが上がらないように引くのと、腰を反ったり曲げたりしないことです。

③膝つきプランク

通常のプランクが厳しい方は、膝をついて行なうプランクがおすすめです。

(手順)
①床にうつ伏せになり、手を軽く握り両肘を床につける。
②①の状態で腰を持ち上げ、つま先を浮かせる。
③体が一直線になるよう②の状態をキープする。
④①〜③を30秒1セットとして行なう。※バランスが取りにくい場合は、手を開くとバランスが取りやすい。

④ヒップリフト

お尻や太ももの引き締め効果および、インナーマッスルの一部「腹横筋」を鍛えられるのでお腹周りにも効果的な筋トレです。

(手順)
①床に仰向けに寝る。
②腰幅くらいに足を広げ、床に足裏をつける。
③膝から胸までが一直線になるようお尻を上げる。
④自分が限界と思うまでお尻を上げたら、そこで姿勢をキープする。
⑤②の状態に足を下ろす。
⑥③〜⑤を20回を1セットとして3回行なう。

体の反動をつけずに、行なうのがポイントです。

⑤クランチ

お腹の前面にある腹直筋を鍛えられる筋トレです。

脂肪燃焼効果を期待できます。

(手順)
①床に仰向けに寝転がり、手を頭の後ろで組む。
②膝と股関節が90度になるように曲げる。
③息を吐きながら、おへそをのぞきこむようにして、腹筋を縮めていく。
④床から肩甲骨が浮く程度まで上げたら、その姿勢を10秒ほどキープする。
⑤①~④を10〜15回を1セットにして、3セット繰り返す。

正しい姿勢でできているかを確認しながら、ゆっくりと行なうのがポイントです。

自宅でできる中性脂肪を減らす5つの有酸素運動

無酸素運動のあとに、有酸素運動を行なうと効果的に中性脂肪を減らすことができます。

ここでは、5つの有酸素運動を紹介します。

①もも上げ

中性脂肪を減らすだけでなく、股関節や太もも、お尻の筋肉が鍛えられるトレーニングです。早歩きするのと同じくらいの負荷をかけられます。

(手順)
①両足をそろえてまっすぐ立つ。
②腕を大きく振り上げながら、太ももを床より少し高くなる程度までゆっくりと上げていく。
③つま先、かかとの順でリズムよく足を着地させていく。※フォームが崩れないよう意識する。
④反対側の足も交互に行ない、①〜③の動きを1回1秒ほどのペースで15分ほど繰り返す。

フォームが崩れそうになったら、スピードを落として正しいフォームで行なうのがポイントです。

②その場でジャンプ

脂肪燃焼・血流促進効果が期待できるトレーニングです。

(手順)
①両足を肩幅くらいに広げ、両手を腰にあてて立つ。
②膝の力を軽く緩めながら、かかとを上げる。
③つま先立ちの状態で小刻みに20秒続けてジャンプする。
④20秒を1セットにして、1セットごとに10秒休憩しながら4セット行なう。

ポイントは、軽く飛ぶことです。音の衝撃が気になる方は、トレーニングマットなどを敷いて行なうとよいでしょう。

③エア自転車こぎ

腹筋と下半身を同時に鍛えられるトレーニングです。

家にエアロバイクがなくても、手軽にできるのが魅力。

(手順)
①床に仰向けに寝る。
② お腹の力を使い、背中・腰・脚を上に持ち上げる。
③両肘と肩、肩甲骨で体を支えながら、両手で腰を持つ。
④③の状態で、自転車のペダルを漕ぐような動作を20回ほど続ける。※ 1回漕ぐたびに一呼吸、を意識して行なう。

お腹に力を入れて、腹筋を利かせるのがポイントです。

④マウンテンクライマー

お腹全体の筋肉を鍛えながら、脂肪燃焼が行なえるトレーニングです。

有酸素運動と無酸素運動が同時にできるのがポイント。

(手順)
①床に両手をついて腕立て伏せの姿勢を取る。
②片足の膝を胸に引きつける。
③②の状態から両足を素早く交互に蹴るように出していく。
④左右10回ずつを1セットとして、4回繰り返す。

⑤踏み台昇降

踏み台昇降を使って行なうトレーニングです。

中性脂肪の改善や体力・筋力の向上に効果が期待できます。

(手順)
①背筋を伸ばして踏み台昇降の前に立つ。
②肘を軽く曲げ、右足を踏み台に乗せる。
③右足を踏み台から床に下ろし、左足を乗せる。
④左右交互に繰り返し、15分〜30分くらい繰り返す。

ポイントは、1分間に40~60回のペースでリズミカルに行なうことです。慣れてきたら徐々にペースを上げましょう。

踏み台昇降は、現在通販サイトで安いもので1,000円台から購入できるのでおすすめですよ。

運動以外で中性脂肪に気をつける4つのこと

このパートでは、運動以外で中性脂肪に気をつける4つのことを取り上げます。

①脂の多い食事を取り過ぎないようにする

脂の多い食事は、中性脂肪には大敵です。

脂質を多く取り過ぎることで、血中の中性脂肪や、悪玉コレステロールと呼ばれるLDLコレステロールを増やすことにつながるからです。

反対に「善玉コレステロール」のHDLコレステロールが減ってしまいます。

だだ、脂質のなかには、血中のコレステロール値を減らす不飽和脂肪酸が含まれる食品もあるので、すべてが悪いわけではありません。

例えば、DHAやEPAなどの青魚やオリーブ油・たね油などの植物油には、不飽和脂肪酸が豊富に含まれているので、積極的に取ることが大切です。

取り過ぎはいけませんが、バランスよく取れば問題ありません。

②夜遅くに食べない

中性脂肪を減らすためにも、夜遅くにご飯を食べるのは禁物。

人間の生活リズムを整える役割を持つたんぱく質の一種・BMAL1(ビーマルワン)が、夜9時以降に増えるためです。

夜遅くに食事を取ることで、さらにたんぱく質を増やすことになれば、体内で脂肪がどんどんたまってしまいます。

そのため、夜9時以降に夕食を取る習慣があるならば、見直しましょう。

③お酒の飲み方を変える

食事の際にお酒を飲み過ぎてしまう方は、飲み方に注意しましょう。

梅酒やリキュール、ビールや日本酒などは糖質が多いので、比較的糖質の低いブランデーやウイスキー、ラムなどを飲むとよいですね。

ただし、いずれにせよ飲み過ぎには注意が必要です。

ちなみに厚生労働省の定めるお酒の適量は、20g(ビール中瓶500ml1本分)で、女性はそれより少ない量が適当と定められています。

④ストレスをためないようにする

ストレスをうまく発散して、中性脂肪を増やすことにつながる食生活の乱れやお酒の飲み過ぎを防ぎましょう。

例えば趣味の映画を楽しむ、好きな音楽を聴く、友だちと会って話すなど。

お気に入りの入浴剤を入れて、お風呂でゆっくりとリラックスするのもいいですよね。

考え過ぎずに自分が心地よいと思えるものを見つけて、上手にストレスを解消してみてはどうでしょうか?

中性脂肪を減らす食材・飲み物

このパートでは、中性脂肪を減らすのに効果的な食材や飲み物を紹介します。

野菜類・海藻類・きのこ類

野菜類や海藻類、きのこ類は、食物繊維が豊富です。

食物繊維のなかには、「水溶性」と「不溶性」があります。

水溶性食物繊維は、水に溶けやすい成分で、不溶性食物繊維は、水に溶けにくい成分のこと。

いずれも腸の働きを整える働きがありますが、中性脂肪を減らす効果を期待できるのは水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維には、「血糖値の上昇を防ぐ役割」「コレステロール値を下げる役割」「コレステロールを体の外に出す役割」もあります。

そのため、中性脂肪が気になる方は、野菜類や海藻類、きのこ類を積極的に取ることが必要です。

魚介類

青魚などの魚介類を取るのも中性脂肪を減らす効果を期待できます。

なぜなら青魚には、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)など、中性脂肪や血液をサラサラにしてくれるオメガ3脂肪酸が豊富に含まれているからです。

例えば、ブリやイワシ、サンマやサバ、マグロなどが該当します。

普段の食事で魚をあまり取っていない方は、意識して食べるようにしましょう。

焼き魚はグリルを洗うのが面倒ですが、そのようなときには缶詰や刺身で取るようにしましょう。

大豆類

大豆類もおすすめ。

大豆に含まれるサポニンの抗酸化作用により、コレステロール値を下げる効果が期待できるからです。

サポニンは、マメ科の植物に多く含まれている物質です。

血中の脂肪やコレステロール値が酸化して悪玉コレステロールとなるのを防ぎ、脂肪を付きにくくする役割を持っています。

また、血流を改善してくれる働きもあるので、冷え性で悩む女性にも強い味方です。

サポニンは、高野豆腐や油揚げ、豆乳などに多く含まれています。

飲み物

飲み物にも中性脂肪を減らす効果が期待できるものがあります。

ポリフェノールです。

ポリフェノールには、食事の脂肪分の吸収を抑えて便として外に出し、体内の脂肪を付きにくくしてくれる効果が期待できます。

中性脂肪を抑える3つの飲み物は下記のとおり。

【飲み物】    【期待できる効果】
①ウーロン茶ウーロン茶重合ポリフェノールに、食後の血中中性脂肪の増加を抑える作用がある。
②緑茶茶カテキンに、脂肪燃焼・脂肪吸収抑制効果が期待できる。
③コーヒークロロゲン酸の糖質分解作用により、血糖値の上昇を抑えたという研究結果がある。

飲み物からも中性脂肪を減らすように意識するといいですね。

ただし、緑茶やコーヒーにはカフェインが含まれているため過剰に飲み過ぎると、めまいなどの体の不調となって現われるので注意しましょう。

まとめ

今回は中性脂肪が高くなる4つの原因、中性脂肪を減らすのに運動が効果的な理由、室内でできる10の運動などを紹介してきました。

運動は中性脂肪を減らすだけでなく、コレステロールや血糖値を下げる効果も期待できます。

そのために有効なのは、「有酸素運動」と「無酸素運動」の組み合わせです。

今回記事で取り上げた運動は、どれも室内で簡単にできるものばかりなので、試してくださいね。

運動のほかにも、「脂が多い食事の取り過ぎ」「夜遅くの食事」「お酒の飲み過ぎ」「ストレス」なども影響してくるので、心あたりのある方は意識的な改善が必要です。

正しい方法で中性脂肪を減らして、次の健康診断では「中性脂肪の値が高い」と、言わせないようにしましょう。

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