「在宅を続けていたら、太ってしまった」
「食べたら食べた分だけ脂肪が付いてくる」
「便秘もひどい」
そんなあなたには、運動により腸内環境を改善する「腸活トレーニング」がおすすめ。
そこで今回は、具体的な腸活トレーニングやストレッチ、スクワットについて紹介します。
腸内環境を改善する食べ物についても取り上げていますよ。
腸活とは?腸内環境を良好に保つこと
そもそも腸活とは何でしょうか。
腸活は腸にやさしい食生活を送ったり、運動で体の血流をよくしたりすることにより、腸内環境を良好に保つことをいいます。
人間の腸内には、約1000種類・100兆個にもおよぶ腸内細菌があり、「腸内フローラ」といった細菌グループを形成。
そのなかには腸によい影響を与える「善玉菌」、悪い影響を与える「悪玉菌」、善玉菌・悪玉菌のどちらでもない「日和見菌」といった3種類の菌が存在します。
善玉菌が有利なときには腸内環境は良好ですが、偏った食事や不規則な生活を続けていると、腸内で腐敗化が進み悪玉菌が優勢に。
それにより、便秘を引き起こすなどお腹の不調の原因が起こります。
便秘による体への影響は次のパートでお伝えしますね。
便秘により起きる3つの体の影響
ここでは、便秘により起こる体への影響について見ていきたいと思います。
1.おならや口臭・体臭がくさくなる
便秘が長引くと、おならがくさくなる可能性があります。
それは、便秘により腸内にたまっている悪玉菌が、おならの臭いとなって出てしまうからです。
また、悪玉菌は血中に有害な物質として流れこみ、肺を通って口臭や体臭として現われます。
2.肌のトラブル
便秘により、肌の乾燥や肌荒れを引き起こしやすくなります。
便秘で腸内に悪玉菌が増えると、肌に有害なアンモニア物質が発生するからです。
アンモニアは血中の栄養分を奪い、肌の代謝を妨げます。
代謝がうまくいかなくなると、肌を正常に保つターンオーバー機能がうまく働かなくなり、肌トラブルになってしまうのです。
3.胃腸本来の働きが鈍くなり肥満体質に
便秘で腸内に悪玉菌が増えると、胃腸の働きが鈍くなり代謝も低下します。
その状態で食事を取ると、腸内で消化されて便として外に出ていかないため、体内に脂肪がたまることになります。
結果として、肥満体質になってしまうのです。
また、代謝が低下して血行不良になることで、お腹の冷えの原因にもなります。
冷えによって大腸の働きがうまくいかなくなると、さらなる便秘を引き起こす結果に。
そうすると便秘が慢性化してしまうので、バランスのよい食事を取って腸内環境を整えておきましょう。
腸活トレーニングの必要性 体を動かすことで代謝をよくする
肥満は基礎代謝が低下することにより起こりやすくなるため、体を動かす習慣を取り入れることが必要です。
基礎代謝とは、睡眠時の状態でも24時間働いてくれるエネルギー消費量のこと。
ここでは、腸活トレーニングの必要性を紹介したいと思います!
トレーニングで便秘解消!
腸内で悪玉菌が増えると、便を外に出す「腸のぜんどう運動」がうまくいかなくなり、便秘になります。
便秘を解消するには、腸のぜんどう運動の働きをよくして、便が出やすい状態にすることが必要。
そこで、腸活トレーニングです。
トレーニングはお腹周りの筋肉にほどよい刺激を与え、血液の流れをよくして胃腸の働きを活性化します。それがスムーズな排便を促します。
腸のぜんどう運動は自律神経の働きと密接な影響があるので、トレーニングをする際にはお風呂上がりなどのリラックスした状態で行なうのがおすすめですよ。
腸内の善玉菌が増える可能性も
お腹まわりのトレーニングをすると、腸内の善玉菌が増える可能性があります。
アメリカのある大学の研究によれば、毎日運動を行なったマウスは、まるで運動をしていないマウスに比べて善玉菌の量が多い結果に。
また、運動量の多いラグビー選手の腸内環境の調査をしたところ、腸内の善玉菌の量が多いという報告も上がっています。運動をしている人の方が腸内環境は良好なんですね。
まだ完全には解明されていないとはいえ、トレーニングで適度な刺激を与えることが血行促進や自律神経の安定につながり、便秘知らずの良好な腸になると考えられるのではないでしょうか。
腸活の役に立つトレーニング9選
ここでは、具体的な9つの腸活トレーニングを紹介します。
運動で腸のぜんどう運動を促して便秘を解消しつつ、筋肉も付けちゃいましょう。
1.まずは腹式呼吸でリラックス
便秘を解消して腸内の悪玉菌を外に出す「腸のぜんどう運動」を活性化するには、まずは自律神経を整えてリラックスすることが大事です。
まずは腹式呼吸でリラックスしましょう。
①仰向けになり両膝を立てる。(※足はやや開く) |
②片手をお腹の上に、もう片方の手は胸の上に置く。 |
③お腹が膨らむのを意識しながら鼻から息をゆっくりと吸う。 |
④吸ったときの倍の時間をかけ、口から息をゆっくりと吐く。 |
⑤①〜④の動作を5〜10回繰り返す。 |
2.腹筋① おへそのぞき腹筋
腹式呼吸でリラックスしたら、さっそくトレーニングです。
このトレーニングは、便を外に出すときに使う腹直筋を鍛えるのに有効なトレーニングとなります。
やり方は下記のとおり。
①仰向きに寝て両手を頭のうしろで組む。(※もしくはお腹にあてても可。) |
②足をやや開き、両膝を立てる。 |
③お腹に力を入れながら、おへそをのぞくようにゆっくりと頭を起こして10秒間キープする。 |
④ゆっくりと頭を床に戻してゆく。 |
⑤①〜④を5〜10回を目標に繰り返していく。 |
3.腹筋② 足上げ腹筋
こちらは、お腹の下の方にある腹筋・腹横筋を鍛えるトレーニングです。
やり方は下記のとおり。
①床に仰向けに寝て、お腹の上に両手を置く。 |
②床に付いたまま両足を持ち上げ、5〜10秒間キープする。 |
③両足を元に戻し、元の姿勢に戻る。 |
④①〜③を10回繰り返す。 |
※慣れてきたら両足を空中で伸ばすようにしてキープすると、より効果的。 |
4.腹筋③ 斜め腹筋
便を外に出すときに必要になる外腹斜筋(がいふくしゃきん)、内腹斜筋(ないふくしゃきん)を鍛えるトレーニングです。
やり方は、下記のとおり。
①床に大の字になり仰向けに寝る。 |
②①の状態で右肘を曲げる。 |
③左膝を右肘にくっつくように斜めに曲げ、5秒間キープする。(※右足はまっすぐに、左腕は真横に伸ばしたままに) |
④左右を逆にして①〜③の動きを行なう。 |
⑤左右交互に5〜10回行なっていく。 |
5.アームレッグレイズ
便を出やすくするのに必要な腰回り、お尻の筋肉のほか、肩や太ももを鍛えられるトレーニングです。
やり方は、下記のとおり。
①床に四つん這いになる。 |
②息を吐きながら、ゆっくりと右手と左足を上げて約5秒キープする。 |
③息を吸いながら、ゆっくりと右手と左足を下げて元の姿勢に戻る。 |
④①〜④の動作を5〜10回繰り返す。 |
⑤左右の手と足を変えて、同じように①〜④の動作を行なう。 |
肩や太ももも鍛えられるので、デスク仕事での肩こりの解消や気になる太もものシェイプに効果的といえますね。
6.つま先立ち
つま先立ちをすると下半身の筋力を高められるので 、便を外に出しやすくなります。
やり方は下記のとおり。
①背筋を伸ばして立つ。 |
②足の親指の付け根に力を入れて、ゆっくりとつま先立ちする。(※机や壁などを支えにして行なうことで転倒防止になります。) |
③体全体のバランスを保ちながら約1分間、その状態をキープする。(※お尻の筋肉に力を入れることで、体がぶれずに立つことができます。) |
息を吐きながら、お腹の筋肉に力を入れると腹筋も鍛えられるので、意識してみましょう。
腹筋を鍛えることで、脂肪が燃焼したり、体のバランスを保つ骨盤底筋が強化されたりしますよ。
また、つま先立ちにより、ヒップアップやO脚も解消されて美脚にもなります。
7.床の上で行なうニートゥチェスト
ニートゥチェストは、便秘解消やぽっこりお腹をヘコます効果、腰痛改善の効果が期待できるトレーニングです。
ここでは、床の上で行なう方法を紹介します。
やり方は下記のとおり。
①床の上に足を伸ばして座る。 |
②肘の角度が90度になるようにうしろで手をつく。 |
③両膝を曲げながら足を伸ばして、少し浮かす。(※体がぶれないようにうしろ手でしっかりと体を支えておく) |
④お腹の奥の筋肉を意識しながら、両膝をそろえて胸の方にゆっくりと引き寄せる(※背中は少し丸めてOK) |
⑤心地よく感じるまで引き寄せたら、膝がピンと伸びるまでゆっくりと足を戻していく。 |
⑥①〜⑤を1セット5〜10回として3セット繰り返す。 |
太ももの力をできるだけ抜くようにすると、お腹に力が伝わりやすくなります。
8.椅子を使ったニートゥチェスト
職場やテレビを見ながらでもトレーニングをしたい方には、椅子を使ったニートゥチェストをおすすめします。
やり方は下記のとおり。
①座面を両手でしっかり握りながら椅子に浅めに座る。 |
②①の状態から両足を伸ばしたまま浮かせる。(※両膝はそろえる) |
③ゆっくりと両膝を胸に引き寄せていく。(※上半身を前傾させて、体全体を丸めるように意識) |
④ギリギリまで引き寄せたら、膝がピンと伸びるまでゆっくりと足を伸ばしていく。 |
⑤①~④を1セット5〜10回として3セット繰り返す。 |
転倒して怪我をしないよう、椅子はキャスター付きでないものを使うようにしましょう。
9.便秘解消につながる腸活ウォーキング
普段のウォーキングを変えるだけでも、腸活のトレーニングになります。
やり方は下記のとおり。
①腕を90度に曲げる。 |
②腕を大きく振り、骨盤を意識しながら歩幅を広くして歩く。(※目安は20~30分ほど) |
普段歩くより歩幅を広くして、歩くことを意識しましょう。
腸活に効果的な6つのストレッチ
筋トレの要素が強いトレーニングを紹介してきましたが、ストレッチやスクワットも腸活には効果的です。
ここでは、腸活になるストレッチや体操などを6つ紹介します。
1.オフィス内でも!座りながらできる「腸ひねりストレッチ」
デスクワークや自宅でテレビを見ているときに簡単にできるストレッチです。
やり方は下記のとおり。
①椅子に浅めに腰かけて背筋をまっすぐ伸ばして正面を向く。 |
②うしろの背もたれに左手をかけながら、ゆっくりと息を吐きつつ上半身をゆっくりと右側にひねる。 |
③②と同様に左側もひねる。 |
④左右合計5回ずつひねっていく。 |
※うしろにひねるのが難しい場合は、背もたれを自分の横に置いて行なっても可。 |
2.便の通りをよくする!前屈ストレッチ
骨盤を立てるストレッチです。このストレッチをすることで、便を出やすくするぜんどう運動が促されます。
やり方は下記のとおり。
①椅子に浅く腰かける。 |
②両膝を直角に曲げ、両手を太ももにそえる。 |
③背筋を伸ばしてゆっくりと息を吐きながら、胸が太ももにつくよう上半身を前屈させる。 |
④同じ姿勢をキープしたまま、数回行なう。 |
3.腸をひねって活性化!「腸ひねりスクワット」
お腹周りを刺激して腸内の動きを活性化する運動です。
やり方は下記のとおり。
①相撲取りの四股(しこ)を踏む体勢をとり、大きく足を広げてしゃがむ。 |
②しゃがんだ状態で体を右側に5回ねじる。 |
③②と同様に左側に体を5回ねじる。 |
(※①の体勢を取るのが難しい方は、両腕を膝の内側に入れてお祈りするようにするとやりやすいです。) |
できる方は、かかとを浮かせて上下に動くとさらに効果を感じられます。
4.お腹周りを刺激して便秘解消!うつ伏せストレッチ
お腹周りの筋肉を動かすことで大腸に刺激を与えて、腸の動きをよくするストレッチです。
やり方は下記のとおり。
①左右の膝を肩幅より広めに開いて曲げ、うつ伏せになる。 |
②手を重ねてあごの下に置き、曲げた両足は内側を合わせて三角形をつくる。 |
③左右交互に腰をひねりながら足を床に倒す。(※左右の足が離れないよう、ゆっくりと床に倒すのがポイント。) |
④③の動作を2往復・3セット行なっていく。 |
ストレッチの際には、呼吸を忘れないようにしましょう。
5.お腹周りの筋肉に効果!お尻歩き
骨盤をずらすような動きで、お腹周りの筋肉を鍛える運動です。
やり方は下記のとおり。
①背中をまっすぐに伸ばして、床に体育座りをする。 |
②お尻を左右交互に浮かしながら、壁などの目標に向かってお尻で歩く。 |
③目標の場所まで歩いたら、次に後方に向かってお尻で歩く。 |
④5回ほど往復することを目標に行なう。 |
頭の位置を動かさないように意識して歩くのがポイントです。
6.冷え性を改善するストレッチで便秘を解消!
お腹の冷えによる便秘を解消するストレッチも紹介します。
やり方は下記のとおり。
①足を腰の幅くらいに開き、椅子に深く座る。 |
②両手を重ねおへその下に置いて、口から息を吐きながらお腹をヘコませる。(※口をすぼめて、少しずつ息を吐き出すのがポイント) |
③息を吐ききったら、次に顔を上げながら息を吸う。 |
④大きく鼻からゆっくりと吸い、お腹を膨らませていく。 |
⑤①〜④の動作を3回ずつ3セット行なう。 |
手をみぞおちの部分につけて行なうと十分な腹式呼吸ができないので、おへその下に手を置くのがポイントです。
トレーニングだけでなく食べ物も腸活には大事
腸活にはトレーニングやストレッチだけでなく、食事も大切です。
どのような食材を取れば、腸内環境をよくできるのかを具体的に紹介します。
食物繊維を取って善玉菌を増やす やせ体質にも!
食物繊維を取ると、やせ体質になります。
食物繊維を多く取って善玉菌が増えると、悪玉菌を分解して抑える「短鎖脂肪酸」という酸がつくられるからです。
また、短鎖脂肪酸がつくられることにより、小腸から食欲を抑える「インクレチン」というホルモンも大量に出るようになります。
それにより、食べ過ぎの防止にもつながります。
やせ菌が増える食材
実際に短鎖脂肪酸を多く含み、やせ体質になる食物繊維とは、どのようなものなのでしょう。
例えば、水溶性食物繊維やレジスタントスターチは、短鎖脂肪酸を出して腸内の善玉菌を増やす役割があります。
また、発酵食品は、善玉菌に味方をしてくれる日和見菌が腸内に増える食品です。
具体的には下記の食材があります。
(水溶性食物繊維)
野菜…オクラやごぼう
海藻類…ひじきや昆布、わかめ
穀類…大麦やオート麦
(レジスタントスターチ)
豆類…インゲン豆、グラノーラ・コーンフレークなどのシリアル
穀類…お米や大麦・お米は冷めていた方がよりレジスタントスターチが豊富。コンビニのおにぎりやお寿司は最適。
(発酵食品)
納豆や味噌、ヨーグルト。醤油やお酢などの調味料にも。
まとめ
腸活の効果的なトレーニングやストレッチなどについて紹介しました。
腸内の悪玉菌を便として外に出すためには、運動によって腸のぜんどう運動を促してあげることが大事です。
自分のできる範囲内で、ちょうどいいトレーニングやストレッチをしていきましょう。
あわせて腸にいい食材も取るようにして、総合的な腸活で便秘知らずのやせ体質になりたいですね!