「ちょっと食べ過ぎると、すぐに体重が増えてしまう」
「立ち仕事で体は動かしている方だけど、特に体重は減らない」
今、そんなことで悩んでいるあなたに、耳寄りなダイエット方法が「低GIダイエット」です。
今回は、低GIダイエットの正しいやり方や効果、おすすめの朝食・昼食・夕食・間食レシピを紹介します。
低GIダイエットの効果
それでは、低GIダイエットの効果について説明します。
ポイントは2つです。
GI値とは?
GI値とは、食べたときに上がる血糖値の上昇スピードを数値化したものです。
具体的には、食品に含まれる糖質の吸収率を指します。グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の頭文字を取りGIです。
現在約1300種類以上の食品にGI値があり、WHOでも推奨されています。
食品のGI値の判断基準は一般的に、70以上のGI値のものを高GI食品。56〜69が中GI食品、55以下が低GI食品です。
高GI値の食品を食べると糖質の吸収率が高くなるので、GI値には気をつけて食品を摂る必要があるでしょう。
ダイエット中はGI値を意識しよう!
今、ダイエットを考えている人は、低GI食品がおすすめ。
その理由は、食べるものの糖質で血糖値の上がり下がりが左右されるからです。糖質が高い食品を摂ると、インスリンが過剰に分泌され血糖値が上昇します。その結果、体内にブドウ糖が増え脂肪の原因に。
そうならないように低GI食品を摂る必要があります。インスリンの過剰分泌を抑え、糖質の吸収率を低めにすれば、太りにくい体質になるからです。
代表的な食品のGI値
ここで主な食品のGI値を紹介します。
食パン・白米・うどん、クッキーやショートケーキはかなり高めのGI、アイスクリームやコーラやポテトチップスは中GI、豚肉・鶏肉・卵、バナナやチョコレートなどは低めですよ。
主な食品 | GI値 |
食パン | 95 |
白米 | 88 |
うどん | 85 |
ショートケーキ | 82 |
クッキー | 77 |
アイスクリーム | 65 |
パイナップル | 65 |
コーラ | 63 |
味付きポテトチップス | 56 |
バナナ | 55 |
さつまいも | 55 |
オートミール | 55 |
そば | 54 |
全粒粉パン | 50 |
チョコレート(商品によって異なる) | 49 |
豚肉 | 46 |
鶏肉 | 45 |
パスタ | 41 |
りんご | 36 |
卵 | 30 |
納豆 | 30 |
牛乳 | 25 |
低GIダイエットの正しいやり方
それでは具体的に低GIダイエットのやり方を見ていきます。
ポイントは5つです。
1日に必要な糖質量を計算する
低GIダイエットを行う前に、まずは1日に必要な糖質量を計算しましょう。
ちなみに、日本人の1日に必要な糖質摂取量は320gといわれています。事務作業などで普段あまり体を動かさない成人女性の場合は、270gが目安。
糖質の計算方法は、標準体重(kg)×1日の活動量(Kcal)×0.6÷4です。
標準体重の計算方法は、身長(m)×身長(m)×22で算出します。
また、1日の活動量の数値の考え方ですが、座り仕事などで活動が少ない人は25〜30(=軽い)の数値。通勤などで一定の立つ時間がある人は30〜35(=普通)の数値。移動や立ち仕事が多く活動的な人は35〜(=重い)の数値になります。
例えば身長150㎝で、仕事のなかである程度立つ時間がある人の場合。
1日に必要な糖質量は、(1.5×1.5×22)×30×0.6÷4=222となります。
あくまでも目安に過ぎませんが、低GIダイエットを行う前の参考にしてください。
主食を低GIな食品に置き換える
食パンや白米などの主食はGI値が高いです。
ダイエットをするなら白米を玄米に切り替えるなど、GI値の低い食品を主食として選ぶ必要があります。
ただ、玄米は消化が比較的悪いので、ゆっくりと噛んで食べることが求められます。また、ゆっくり噛んで食べないと玄米の素材のよさもわかりません。
そのほかには、朝食のパンをライ麦パンにしたり、お昼をそばやパスタにしたりと、低GI食品を摂るとよいですね。
副菜→主菜→主食の順に食べる
毎日の食事の際には、副菜、主菜、主食の順番で食べることが必要です。
まずは、糖質の少ない野菜を副菜として食べましょう。血糖値が急速に上がるのを抑えられます。
次に肉や魚、豆類などの主菜を食べましょう。
最後に主食(米)です。主食を摂るときは、主菜の肉や魚などのタンパク質やレタスやブロッコリーなどの食物繊維、海藻類などの脂質の低い食品とともに食べるとよいですね。
少しの工夫で間食もOK
無理して低GIダイエットをしようと頑張りすぎて疲れてしまっては、長続きしません。
適度な間食も必要です。
摂り方に少しの工夫をすれば心配ありませんよ。
間食で食べてもよいGI値の低いおやつは、りんごやバナナ、芋羊羹やヨーグルトなどです。りんごなど皮ごと食べられる果物は、なるべく皮をむかずに食べたいところ。なぜなら、血糖値を抑えるポリフェノールや食物繊維が豊富に含まれているからです。
スイーツをお菓子として食べたい場合、糖質オフや低GIと明記されているものを選ぶとよいですね。
運動習慣を身につける
GI値の低い食べ物の摂取だけでは、ダイエットはうまくいきません。
有酸素運動や筋トレを効果的に取り入れましょう。これらの運動は、血糖値を下げてインスリンの過剰分泌を抑える効果が期待できます。
具体的には、ウォーキングやジョギングなどの全身を使う運動、スクワットや腹筋運動などです。
毎日仕事で疲れていると、体がなかなか動かないかもしれませんので、無理のない範囲で少しずつやっていきましょう。
低GIダイエットの注意点
ここでは、低GIダイエットの注意点を5つ紹介します。
カロリーや糖質量に気をつける
毎日の食事でのカロリーや糖質量に気をつけないと、ダイエットは成功しません。
血糖値を自分でコントロールする意識をもつことが求められます。
そして、いくら低GIとうたっている食品でも、必ずしも低カロリー・低糖質ではないと肝に銘じておくことも必要です。食べ過ぎてしまえば、カロリー過多で血糖値の上昇を招いてしまいますよ。
また、忙しくて、朝やお昼ごはんを抜いた分、ドカ食いしてしまうようなことも避けなければいけません。一度のご飯の量が増えると、血糖値の上昇が起こりやすくなるからです。
バランスのよい食事を心がける
副菜・主菜・主食の順番だけでなく、バランスのよい食事を心がけるようにしましょう。
例えば、ご飯と味噌汁、納豆と焼き魚のような和食、豚汁などの野菜の多く含まれる汁物がおすすめです。
豚汁は、具材によってはGI値が高い食品もあるので、GI値の低い食材を選んで調理する必要があります。
ゆっくり噛んで食べる
低GI値の食品は精製されていないものも多いので、消化不良を起こさないためによく噛んで食べることが大事です。
よく噛むことで満腹感を得られ、食べ過ぎの防止にもなります。
精製されていない食品は例えば、麦や雑穀、全粒粉使用のパン、オートミール、胚芽・胚乳、ぬかなどの食物繊維が豊富に含まれた食品です。
GI値は調理方法によっても変化する
GI値は調理方法によって変化します。
例えば、さつまいも。
通常のGI値は55ですが、焼くと80〜85、油で揚げると70〜80と高くなります。
反対に、干すと通常の55のGI値、蒸すと45〜50、ゆでると40〜50と低くなります。
調理の仕方でこんなにも変わるなんて驚きですね。
ちなみに焼き芋のGI値が高くなる原因は、長時間加熱するとデンプンのほとんどが麦芽糖に変化し吸収されやすくなるためです。
低GIダイエットにおすすめの朝食メニュー
低GIダイエットにおすすめの朝食メニューを2つ紹介します。
しらすと大葉のピザトースト
1人分 カロリー:194kcal
【材料:1人前】
- ライ麦パン 60g
- とろけるチーズ 10g
- しらす干し 10g
- 大葉 1g
【調理手順】
- 大葉を粗みじんにする。
- 1の上にしらすと大葉を半分乗せる。大葉はあとで使うので少し残す。
- とろけるチーズを残りの大葉とともに乗せ、チーズが溶けるまでオーブントースターで焼く。
- できあがり。
ひじきの玄米炊き込みおにぎり
1人分 カロリー:244kcal
【材料:1人前】
- 水 110ml
- 玄米 65g
- 塩 0.4g
- しょうゆ 小さじ1/4(1.5g)
- 乾燥ひじき 3g
- 白炒りごま 小さじ2/3(2g)
【調理手順】
- 玄米を軽く洗い、110mlの水を入れ1時間浸す(可能なら5時間ほど浸すのが理想)
- 乾燥ひじきを水洗いする。(水で戻す必要はなく、長ければ刻んでおく)
- 1に2としょうゆと水を入れ、炊飯器の白米モードで炊く。
- 焼き上がったら、白炒りごまとともに混ぜ込む。
- 少し冷めたら、ごはんをラップで包みおにぎりにしてできあがり。
低GIダイエットにおすすめの昼食メニュー
低GIダイエットにおすすめの昼食メニューを2つ紹介します。
木の葉丼
1人分 カロリー:366kcal
【材料:1人前】
- 玄米ご飯 140g
- 卵 50g
- 玉ねぎ 40g
- 焼きちくわ 30g
- 油揚げ 5g
- 小ねぎ(小口切り)3g
- Aめんつゆ(3倍濃縮)大さじ1/2弱(10g)
- A水 70ml
- Aみりん 小さじ1/6(0.5g)
- A砂糖 小さじ1/6(0.5g)
【調理手順】
- 玉ねぎを薄切りにする。
- 焼きちくわを斜め薄切りにする。
- 油揚げを1㎝幅に切る。
- 卵を溶く。
- 鍋に玉ねぎとAを入れて中火で熱し、1〜2分煮る。
- 5に焼きちくわと油揚げを加え煮立たせる。
- 6に溶き卵を回し入れて火を消し、卵が固まるまで蓋をして余熱で火を通す。
- 器にご飯を盛り、7をかけて小ねぎを散らしてできあがり。
きのこのつけそば
1人分 カロリー:383kcal
【材料:2人前(作りやすい分量)】
- ゆでそば 360g
- 鶏もも肉 100g
- しめじ 40g
- ねぎ 20g
- しいたけ 20g
- ごま油 小さじ1(4g)
- Aしょうゆ 大さじ1と1/3 (24g)
- Aみりん 大さじ2/3(12g)
- Aだし汁(かつお・昆布) 200ml
【調理手順】
- 鶏もも肉を一口大に切る。
- ねぎを4㎝のぶつ切り、しいたけを薄切りにする。
- しめじの石づきを取り、ほぐす。
- 鍋を弱中火で熱し、ねぎを入れて素焼きにする。
- ねぎの表面に焼き色が付いたら別の皿に取り出す。
- 同じ鍋にごま油を引いて鶏肉を炒める。表面に焼き色が付いたら、しいたけとしめじを加えて炒める。
- 6にAを入れて3分ほど煮立たせてできあがり。
- 鍋に水を入れて沸かし、そばをゆでる。
- 8がゆであがったら、冷水でさらし、皿に盛る。
- 皿に盛った7にそばをつけてめしあがれ。
低GIダイエットにおすすめの夕食メニュー
ここでは、低GIダイエットにおすすめの夕食メニューを2つ紹介します。
さつまいもと鶏肉の煮物
1人分 カロリー:219kcal
【材料:1人前】
- 皮付き鶏もも肉 70g
- 皮付きさつまいも 50g
- 冷凍さやいんげん 20g
- Aしょうゆ 小さじ1(6g)
- A砂糖 小さじ1/2(1.5g)
- Aみりん 小さじ1/2(3g)
【調理手順】
- さつまいもを一口大に切る。
- 凍ったさやいんげんを食べやすい長さに折る。
- 耐熱容器に鶏もも肉、さつまいも、Aを入れて混ぜる。
- 3にふんわりとラップをして、電子レンジで8分間加熱する。(600Wの設定)
- 一度取り出して、さやいんげんを加えて混ぜる。
- 再びふんわりとラップをし、電子レンジで2分間加熱する。
- できあがり。
ぶり大根
1人分 カロリー:209kcal
【材料:1人前】
- ぶりの切り身 70g
- 大根 100g
- 米のとぎ汁 適量
- Aだし汁(かつおか昆布) 80ml
- Aしょうゆ 大さじ1/2 (9 g)
- A砂糖 小さじ1(3g)
- Aみりん 小さじ1/2(9g)
【調理手順】
- ぶりを半分に切る。
- 沸騰したお湯に1を、くぐらせてざるにあげ、流水で軽く洗ったら水気を拭く。
- 大根を大きめの乱切りにして、鍋に入れる。
- 米のとぎ汁を加えて、3を中火にかける。(とぎ汁がないときは水で代用)
- 竹串がすっと通るのを目安に約10分ゆでたら、軽く洗う。
- 鍋にAを入れ、中火にかける。
- 6が煮立ったら、ぶりと大根を加える。
- 落とし蓋をして、弱火で汁気が約1/3になるまで煮たらできあがり。
低GIダイエットにおすすめの間食メニュー
最後に低GIダイエットにおすすめの間食メニューを2つ紹介します。
さつまいも羊羹
1人分 カロリー:58kcal
【材料:1人前】
- さつまいも 35g
- もち玄米粉 1.5g
- ココナッツミルク 小さじ1と1/3(4g)
- シナモンパウダー 小さじ1/4(0.5g)
【調理手順 一人分の6倍量での作り方】
- 皮付きのままのさつまいもを、竹串がささるくらいやわらかくなるまで中〜弱火で蒸す。(約30分)
- さつまいもを蒸している間、もち玄米粉、ココナッツミルク、シナモンパウダーをボウルで全て混ぜておく。(さつまいもの水分が多い場合、ココナッツミルクはやや少なめでOK)
- 蒸し上がった1を、飾り用に少し輪切りにし、残りは2のボウルに加え入れる。(お好みでいもの皮をむいてもOK)
- 3のボウルに入れたさつまいもを、潰す。(粗めに形が残っていてもOK。)
- ラップで包んで、羊羹の形にして、飾り用の輪切り芋を乗せる。
- 500ー600Wの電子レンジで、3〜4分加熱する。(または、蒸し器で蒸してもOK。)
- 電子レンジから6を取り出し、冷めたらできあがり。(加熱後の生地はややふくらむため、もう一度包みなおして形を整えると見栄えがよくなります。)
焼きりんご
1人分 カロリー:82kcal
【材料:1人前】
- 皮付きりんご 60g
- グラニュー糖 小さじ1と1/4 (5 g)
- シナモンパウダー 小さじ1/6弱 (0.3 g)
- バター 小さじ1 (4 g)
- 塩 少々
【調理手順 2人分の目安】
- 皮付きのままのりんごに塩をつけてこすり洗いをする。
- 1をしっかりと洗い水気を切って、厚さ5㎜のくし切りにする。
- フライパンを中火で熱してバターを溶かす。
- 3に重ならないようにリンゴを並べる。
- りんごに焼き色が付いたらグラニュー糖を振り、蓋をして5分ほど蒸し焼きにする。
- できあがり。
まとめ
今回は、低GIダイエットについて紹介しました。
ダイエットをする際には、GI値が高い食品を食べると血糖値が上がってしまうので、低GI食品を摂るようにするのがよいということがわかりました。
食品で糖質を気にするだけでは不十分で、バランスのよい食事を心がけたり、ゆっくり噛んで食べたりすることも必要なんですね。そして、適度な運動も。
それらのことに気をつけながら低GIダイエットを続け、太りにくい体質を作っていきましょう!