迷えるダイエッター・ふとし君は、ダイエットに近道はないことを薄々感じているものの、「すぐ痩せる」「簡単に痩せる」という言葉に弱いようです。今日も目移りしています。

先生!「ケトン体ダイエット」だったらすぐ痩せられるみたいです!

ふとし君

また新しい方法を聞きつけてきたのね。

ダイエット小学校
教頭先生

ケトン体ダイエットを試してみたいんですぅぅ~

ふとし君

……けっこう大変だし、リバウンドもしやすいけどいいの?

ダイエット小学校
教頭先生

えぇ?どういうことですか??

ふとし君

ケトン体ダイエットで痩せる仕組み

ケトン体ダイエットとは、簡単に言うと「体脂肪をエネルギーとして燃やしやすい身体の状態にすることでダイエットする」方法です。

基本的に人間の身体のエネルギー源は、まず糖質が使われて、その後に脂質が燃えるという順番で使われます。ケトン体ダイエットでは、糖質の摂取を厳しめに制限することで、すぐに脂質が使われるような身体の状態にして体脂肪を減らすことを目指します。

ちなみに、体脂肪(中性脂肪)をエネルギーに変換する過程で、ケトン体(アセト酢酸、3-ヒドロキシ酪酸、アセトンなど)が副産物として作られ、血中で増えます。このことから、ケトン体ダイエットという名称が付いたのでしょう。

すぐに脂質が使われるような身体の状態のことをケトーシス(高ケトン血症)といいます。ケトン体ダイエットでは、食事を工夫してわざとケトーシスをキープすることになります。ケトーシスかどうかは血液検査や尿検査をすると分かりますが、ダイエット目的でこの検査を受けるのはやりすぎでしょう(自費です)。成果は体重や体脂肪率の変化でチェックすれば十分です。

すぐに脂肪が燃えてくれるって、いいじゃないですか!

ふとし君

そうなんだけど…実行するのがなかなか大変なのよ…。。

ダイエット小学校
教頭先生

ケトン体ダイエットの方法

では、ケトン体ダイエットとはどのように行えばいいのでしょうか。

極端に考えれば、食事から糖質をまったく摂らないようにすれば、ケトーシスになります。しかし、糖質は食材(甘くない食品にも)に広く含まれていますので、完全にカットすることは不可能です。

ですから、ケトーシスを目指せる実行可能なレベルということでは、重量(g)の比率で「脂質:糖質(炭水化物)+タンパク質=2:1~3:1」が目安となります。エネルギー(kcal)の比率で言えば、脂質を50%、糖質を10%、タンパク質を40%くらいです。

仮に30代男性の1日に必要なエネルギーを2700kcalとすると、そのうち1350kcal(150g)を脂質から、270kcal(68g)を糖質から、1080kcal(270g)をタンパク質から摂ることになります。イメージしやすくなるように、単純な食品に置き換えると下記のようになります。

  • 脂質1350kcal(150g)⇒サラダ油大さじ10杯
  • 糖質270kcal(68g)⇒砂糖大さじ4杯半もしくは白米180g(=普通茶碗で3杯弱)
  • タンパク質1080kcal(270g)⇒鶏ささみ(ゆで)900g(=12本ほど)

このように、脂質とタンパク質を意識して多く摂らなければいけない一方で、糖質にもかなり注意が必要です。というのも、糖質は食品や調味料に広く含まれていますから、うっかりするとすぐに摂りすぎてしまうからです。意外に糖質の多い食品をご紹介しておきます。

意外に糖質の多い食品(100g当たりの糖質量)
  • いも類:じゃがいも(17g)、さつまいも(31g)
  • 野菜類:にんじん(6g)、れんこん(14g)、玉ねぎ(7g)、キャベツ(4g)
  • 調味料:みりん(27g)、ウスターソース(24g)、ケチャップ(24g)、焼き肉のたれ(28g)

肉や魚はタンパク質と脂質が同時に摂れるので、ケトン体ダイエットで使いやすい食材です。ただし、糖質の多い調味料で味付けしないように注意してください。

糖質が少なめの料理の脂質とタンパク質(100g当たりの糖質量)
  • ハンバーグ:脂質6.1g、タンパク質6.7g
  • 豚バラ焼き:脂質43.9g、タンパク質19.6g
  • ウインナーソーセージ:脂質32g、タンパク質12.1g
  • 鶏むね肉焼き:脂質9.1g、タンパク質34.7g
  • さば缶(水煮):脂質10.7 g、タンパク質20.9g

ケトン体ダイエットはかなり偏った栄養の摂り方ですので、普通に食事をしていては実現が難しいです。外食や市販の総菜ばかりでは厳しいので、自炊することが必要になるでしょう。その際の注意点を記載しておきます。

ケトン体ダイエット食事の工夫
  • 糖質の多い食材や調味料をなるべく避ける
  • 糖質ゼロ麺やこんにゃくライスなど糖質オフ食材を活用する
  • すぐエネルギーになる中鎖脂肪酸を摂り入れる
  • プロテインを活用する

なんだか複雑ですね…(汗)

ふとし君

外食中心の人だと無理だと思うわ。自炊スキルが必要かも。

ダイエット小学校
教頭先生

ケトン体ダイエットの注意点

ケトン体ダイエットは、身体をわざと「体脂肪を使わざるを得ない状態」に追い込む方法です。そのため、いくつかの注意点があります。

糖尿病や腎臓が悪い人はやってはいけない

糖尿病の診断を受けている人や、腎臓の機能が低下している人には、自己判断でケトン体ダイエットを行うことはやめましょう。やり方を間違えると危険です。主治医に相談したうえで、慎重に判断してください。風邪を引いたりしていて体調が悪いときも危険ですのでやめましょう。

体調が悪くなることがある

ケトーシスの状態になると、吐き気や嘔吐、腹痛などの体調不良が起こることがあります。特にケトン体ダイエットを始めて間もないうちは、この状態に慣れていないため、頭がぼーっとしたり、イライラしたりすることがあります。しばらくすると慣れてくるはずですが、ダイエットのために仕事や学業のパフォーマンスが落ちることを許容できないならば、ケトン体ダイエットは諦めた方がいいかもしれません。

また、健康な人ではなりにくいですが、ケトーシスが進行してケトアシドーシス(ケトン体によって血液が酸性に傾きすぎる)になると意識障害や昏睡といった危険な状態に陥ることもあります。

口臭や体臭が強くなる

ケトーシスは、血中にケトン体が増えている状態です。ケトン体の一つであるアセトンは揮発して、独特のにおい(リンゴが腐ったような甘酸っぱいにおい)を出します。このにおいを「ケトーシスが保てている証」とポジティブに捉えるか、「嫌なにおいが出た」とネガティブに捉えるか……それは人それぞれでしょう。

筋肉が減らないようにする

人間のエネルギー源は主に糖質と脂質ですが、タンパク質も使えます。飢餓状態に陥ったときには筋肉を分解してタンパク質をエネルギーとして燃やすことができます。

ケトン体ダイエット中は、いわゆる飢餓状態に近い状態になりますので、筋肉が分解されてしまう懸念があります。ですから、タンパク質を食事からきちんと摂って、運動をして筋肉を増やすようにしておく必要があります

また、ケトン体ダイエットは「体脂肪をエネルギーとして燃やす」ということですから、エネルギーを使うことが前提です。そのためにも運動は欠かせません。筋トレと有酸素運動を組み合わせて行うようにしましょう。

栄養バランスに注意

ケトン体ダイエットはかなり偏った食生活になりますので、栄養素の過不足に注意しましょう。例えば、果物の糖質を警戒するあまりにビタミンC不足になったり、炭水化物を避け過ぎて食物繊維が不足して便秘がちになったり、味付けで塩分の摂りすぎになったりします。

糖質をまったく摂ってはいけないわけではないので、さまざまな食材を少しずつ摂るようにしましょう。そうすることでビタミンやミネラルなどの不足を防げます。心配な場合はマルチビタミン・ミネラルのサプリを使ってもいいかもしれません。

リバウンドの可能性

ケトン体ダイエットは体脂肪をよく燃やしてくれますので、結果の出やすい方法です。短期間で大きく痩せることも期待できるでしょう。

しかし、怖いのはダイエットを終えて、いつもの食生活に戻ったときです。身体は飢えていますので、失ってしまった体脂肪を取り戻そうとしてリバウンドしやすくなります。

短期間で痩せるという結果は手に入りますが、その後の維持が難しい方法であることも知っておきましょう。

ボクにはかなりハードルの高い方法かも。。

ふとし君

糖質を減らすのは良いダイエット方法なんだけど、ケトン体ダイエットは糖質制限を強めにしないといけないのよね。そのぶん注意すべきことも多いし…

ダイエット小学校
教頭先生

まずは軽い糖質制限からやってみます!

ふとし君

まとめ:ケトン体ダイエットは効果が高いが、実行は難しい

ケトン体ダイエットは「体脂肪をエネルギーとして燃やしやすい身体の状態にすることでダイエットする」という方法です。糖質制限を強めにする(摂取エネルギーの比率を脂質50%、糖質10%、タンパク質40%が目安)ことで、身体を飢餓状態(ケトーシス)にして体脂肪を使わせます。

ケトン体ダイエットは高い効果が期待できるものの、通常の食事とはかなり違う食生活が求められ、また注意点もいくつかありますので、実行するのはなかなかハードルが高い方法です。大きく痩せることができる反面、リバウンドしやすいというデメリットもあります。

短期的にどうしても痩せたいという場合なら、ケトン体ダイエットはひとつの選択肢となるでしょう。うまく痩せられた後はリバウンド対策として、緩やかな糖質制限をしながら脂質の摂取を控え、運動を続けてください。