疲労と免疫の関連性を知ろう

「最近全く疲れがとれない。仕事や子育てのプレッシャーもあるし、よく眠れていないのが原因だろうか。」「デスクワーク続きでなんだか肩こりやコシの張りがひどいな。」

今、このような悩みを抱えていないでしょうか。

疲労は放っておくと深刻な不調を引き起こす可能性もあるため、適切な対処が大事です。
そこで今回は、疲労の原因免疫との関連性、疲労や免疫力を高めてくれる生活習慣やレシピを紹介します。効果的なストレッチやツボ押しも紹介しますよ。

「疲労」とは何を指す?

疲労

「疲れたなー」と私たちが感じる疲労。

この疲労とはどのようなものなのでしょうか

疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退 状態である。疲労は「疲労」と「疲労感」とに区別して用いられることがあり、「疲労」は心身への過負荷により生じた活動能力の低下を 言い、「疲労感」は疲労が存在することを自覚する感覚で、多くの場合不快感と活動意欲の低下が認められる。様々な疾病の際にみられる全身倦怠感、だるさ、脱力感は「疲労感」とほぼ同義に用いられている。

日本疲労学会平成22年度発表『抗疲労臨床評価ガイドライン』4Pより引用

できれば疲れを感じたくないものですよね。しかし、なにも感じないのもよくありません。なぜなら疲労感は、体を守る重要なサインだからです。

人間は長時間の作業や激しい運動をする際に、細胞の中で遺伝子やたんぱく質に傷が蓄積していき、その傷の量が体の限界を超えると細胞が壊れます。

そのようなときに疲れを自覚できれば、体は健康な状態に戻そうとする作用が働きます。

疲労の原因

疲労の原因は、肉体的疲労精神的・神経的疲労の2つです。

肉体的疲労

肉体的疲労は、乳酸などの疲労物質の蓄積やエネルギー不足によって生じるといわれています。

乳酸などの疲労物質の蓄積

乳酸は糖質が分解されてエネルギーになる時にできる物質です。運動などで体を動かし続けることで蓄積され、体内を酸性状態にします。そのことにより代謝に障害を起こし、筋疲労として現れます。

デスクワークなどで同じ姿勢を長時間取り続け、一部の筋肉に緊張を与え続けていることも体内に乳酸を多く蓄積する原因です。酸性に弱い性質を持つ筋肉は乳酸が多くたまると十分に働けなくなるため、筋肉の張りだけでなく「疲れやだるさ」となって現れます。

エネルギー不足

体のエネルギーの素となるのは「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」の3大栄養素です。これらの栄養素が体内で十分に消化されると、エネルギーを生み出し貯蔵する回路のTCAサイクルに取り込まれます。

そして、多様な種類の酸に変換しながらエネルギーの生成につながります。このエネルギー回路を生み出すためには酵素とビタミンBが欠かせません。また、不足するとエネルギー不足となり「疲労」の原因となります。

精神的・神経的疲労

職場での人間関係や仕事のストレスなどによる疲れは、精神的疲労につながります。人間関係に気を使い続けることで、脳が活発に働くと体内で取り除けないほどの活性酸素が発生し、それにより細胞が傷つけられ、疲れをともなうだるさが発症します。

また、長時間労働も精神的な疲労の原因です。コロナ禍でテレワークが進み、在宅で仕事をしている人も多いでしょう。しかし、公私の切れ目なく働くことは脳を過剰に働かせ、神経的にも疲労を引き起こしやすくします。

こんな症状があったら「疲労」を疑うべき?

最近なかなか疲れがとれないと、自分のなかで違和感を覚えているならば、「疲労」を疑うべきです。

ここでは、具体的に3つの疲労のサインを取り上げます。

体がだるくて疲れやすい

寝つきが悪かったり、歩くのが面倒に感じたりする人は「疲労」を疑ってもよいかもしれません。疲労が慢性化することで、神経や筋肉に支障がでて体がだるく感じ、長い間疲労感が抜けきれなくなってしまうからです。

食欲がわかない

あまりにも疲れすぎていると、胃や肝臓などの消化器官も鈍くなり、「なんだか食欲がない。」「なにも食べたくない」といった状態になります。このような状態も「疲労」を疑っていいケースです。

風邪を引きやすい

疲れによって免疫力が低下すると、ウイルスの侵入を防ぐべき抵抗力がなくなり、風邪をひきやすくなります。最近、咳や鼻水が止まらないといった症状が続いているならば、「疲労」を疑い、たまには会社を休むなどの休養も必要です。

「免疫」とは

「免疫力をつけなきゃ」「免疫力がついた」などといいますが、免疫とはどういったものでしょうか

ここでは、免疫の役割や免疫の低下の原因について紹介します。

免疫の役割

免疫は自分の体をウイルスや細菌などから守る仕組みのことです。

体内に異物が入り込んだときに、その異物を体から排除するのも免疫の役割です。

免疫の中には「終生免疫」というものがあり、一度かかることでウイルスを寄せつけない免疫です。

おたふくかぜなどは、一度かかるとたいていの人はかからなくなるといわれています。

しかし、インフルエンザや肺炎のように、一度かかったからといっても免疫がつかないウイルスや細菌もいます。

心身ともに健康な場合は免疫機能が高い状態なので、気にせず生活を送ることができますが、心身ともに疲れていると免疫力が低下するため注意が必要です。

例えば、水痘症(みずぼうそう)は幼少時に一度かかると終生免疫がつくとされていますが、過労やストレスなどで免疫力が低下すると、体内に潜み続けている水痘症ウイルスが再び活動をし、「帯状疱疹」と形を変えて病気を引き起こすことがあります。

そのため、心身ともに常に健康な状態を保つのが大切です。

免疫力低下の原因

免疫力低下の代表的な原因を4つ紹介します。

①ストレス

疲労の原因にもなる職場の人間関係や仕事のストレスは、免疫力の低下にも大きく影響します。ストレスが過度にかかると、自律神経が乱れるからです。

自律神経は交感神経と副交感神経の2つからなります。

「交感神経」は、活発的に動き続けていたり、緊張状態が続いたりするときに優位に働く神経です。一方、「副交感神経」は、心身ともにリラックスしているときに優位に働きます。

しかし、仕事のストレスなどで常に緊張状態が続いていると「交感神経」が上回り、自律神経が乱れ、免疫力の低下につながります。

②少ない睡眠時間

毎日4〜5時間ほどしか睡眠を取れていない場合、免疫力の低下を招きます。

睡眠によって取るべき体の疲れが、いつまでも取れなくなるからです。

③運動不足

毎日の運動が不足している人は、免疫力が下がりやすいです。

例えば、車で出勤する、会社でエレベーターしか使っていないなどの場合、運動不足の可能性が高くなります。

④偏食

偏食も免疫力低下につながります。

「毎日の食事で脂っこい料理が多い」「野菜不足」「スーパーの総菜や外食で済ますことが多い」場合は、注意が必要です。

こんな症状がでたら疲労による免疫力低下を疑うべき?

ここでは疲労による免疫力の低下を疑うべきポイントの紹介です。

肌トラブル

免疫力の低下は、体の外側に影響を及ぼします。例えば肌トラブルです。

肌荒れやニキビ、肌のがさつきや赤みなどの症状が見られた場合は、疲労による免疫力の低下を疑いましょう。

肌を保護するバリア機能が弱まることで、それらの症状は現れますが、さらに進むと紫外線への抵抗力・細菌への抵抗力も弱まる可能性が高まるので注意が必要です。

環境の変化

暖かい気候から寒い気候へと切り替わる季節の変わり目は、免疫力低下を起こしやすくなります。

寒暖差が大きくなることで自律神経のバランスが崩れ、ウイルスへの抵抗力が弱まるからです。その際、疲労がともなうと、体調を崩しやすくなります。

お腹を壊しやすくなる

疲労から免疫力が低下しているときは、お腹の調子も崩れやすくなります。

免疫力が低下していると、腸内に細菌が侵入してきたときにウイルスを退治できなくなるからです。

ノロウイルスなどの感染症胃腸炎にもかかりやすくなるので注意しましょう。

歯の炎症

体が疲れた状態が続き免疫力が低下していると、歯の痛みをともなうことがあります。

例えば、歯ぐきの炎症による「歯周病」や、歯の根元の先が炎症を起こす「根尖性歯周炎」などにより、歯や歯ぐきが痛みやすくなります。

少しずつ意識しよう!疲労をためない「生き方」

疲労と免疫は大いに関係していることがわかりましたね。

日頃から疲労をためないようにするには、次の3つの生活習慣を見直しましょう。

適度な運動をする

「疲れている時に体を動かすことは、逆によくないんじゃない?」と思うかもしれませんが、実は違います。

適度な運動で体内の働きが活性化すると血液の流れがよくなり、疲れにくい体質になります。

生活リズムを整えて疲れをためない

心身ともにリラックスして生活リズムを整えることも必要です。

家に帰ったらシャワーで済ませず、ゆっくりとぬるめのお湯につかり、全身の筋肉の凝りをほぐしてください。入浴は体だけでなく緊張した心も和らげてくれるでしょう。

残業のない日は早めに帰って、睡眠時間を確保することも大事です。

栄養をよく摂る

体内に取り込む栄養も大切です。

必要な栄養素を知っておくだけでも、だいぶ違いますよ。

例えば、筋肉疲労には、豚肉や豆腐などに多く含まれるビタミンB1がおすすめです。ニンニクや玉ねぎに含まれるアリシンとともに摂ると、さらなる疲労回復効果も見込めます。

精神的・神経的な要因から起こる慢性的な疲労には、緑黄色野菜や柑橘系の果物などを摂るとよいですね。魚介類などに多く含まれるビタミンEとともに摂れば、活性酸素の過剰な働きを和らげる抗酸化作用も期待できます。

肌トラブルには、鶏胸肉やささみ、牛や豚などの肉類とアジやイワシ、脂の多いウナギなどの魚類がおすすめです。これらは肌の細胞をつくる、肌の乾燥を防ぐなどといわれています。

腸内環境を整えるには、大根やかぼちゃ、イモ類や豆類などの食物繊維です。腸内環境を整えて肌荒れの原因となる便秘の解消効果も期待できます。

歯周病などの歯の炎症には、コラーゲンをつくるビタミンCが有効です。具体的には、キウイ、柿、ブロッコリーやピーマンなどに含まれます。

疲労や免疫力アップに期待!2つの「レシピ」

疲労や免疫力アップが期待できるレシピの紹介です。

根菜たっぷりカレー

スパイスと根菜が体を温め、免疫力と抵抗力を高めるメニューです。

1人分 カロリー:ご飯なし392kcal/ ご飯180g 678kcal

【材料:4人前】

  • ニンニク 1片
  • ゴマ油 大さじ1
  • カレールー:4皿分
  • 水:1リットル
  • 鶏ガラスープの素:小さじ1
  • 玉ねぎ 2個
  • ごぼう 1/2本
  • 人参 1本
  • 長ネギ 1本
  • レンコン 100g
  • ブロッコリー 1/2株
  • ジャガイモ 2個
  • 豚ロース肉 300g

【調理手順】

  1. 鍋にごま油と玉ねぎ1個、長ネギを半量、みじん切のニンニクを入れてしんなりするまで炒める
  2. 追加で角切りした玉ねぎを1個、ぶつ切りした長ネギを半量、ニンジン、レンコン、乱切りにしたごぼう、豚ロース肉を入れ炒める
  3. 2を炒めたあとにじゃがいも、水と鶏ガラスープの素を入れ箸などで刺して柔らかくなるまで煮込む
  4. カレールーを入れて約5〜10分煮込んでいる間に、ブロッコリーを小房に分けて熱湯でさっとゆでる
  5. カレールーにゆでたブロッコリーを入れる

豚肉と玉ねぎの生姜焼き

豚肉のビタミンB1が、疲労回復に働きかけるメニューです。

【材料:3~4人前】

  • サラダ油 適量
  • 豚ロース肉(生姜焼用) 300g
  • 玉ねぎ 1個
  • 市販の生姜焼き用のタレ 大さじ4

【調理手順】

  1. 豚肉を一口大に切る
  2. 玉ねぎを串切りに切る
  3. フライパンに油を引き、豚肉を炒める
  4. 豚肉に火が通ったら玉ねぎを加えて炒め合わせる
  5. 生姜焼きのタレを絡めたら完成

免疫力アップの7つの「ツボ」

免疫力をアップする7つのツボを紹介します。

安眠(あんみん)

耳の後ろにあるとがった骨の先から指1本分下にあるツボです。

自律神経を休ませ、ぐっすりと眠れるようになります。

完骨(かんこつ)

両耳のすぐ後ろにあり、出っ張った骨のふくらみをたどった下の後ろ側にあるツボです。

神経の高まりを抑え、安眠に導いてくれます。

百会(ひゃくえ)

両目と左右の耳の交差する頭のてっぺんにあるツボです。

寝不足などで頭がぼんやりした状態をスッキリとさせてくれます。

目の疲れや肩こり、頭痛のほか、自律神経の働きも整えてくれるため、不眠・ストレスにも効果的です。

合谷(ごうこく)

手の親指と人差し指の付け根部分で、少し人差し指側にあるツボです。

自律神経の乱れや風邪のひきはじめのほか、あらゆる不調の改善が期待できることから「万能のツボ」といわれています。

丹田(たんでん)

おへその下の約3~5㎝にあるツボです。

交感神経の高ぶりを抑えて、心身ともにリラックスして睡眠に導いてくれます。

女性の生理痛などの症状にも働きかけます。

失眠(しつみん)

足の裏の、かかとの中央にある少しへこんだところにあるツボです。

神経の高ぶりを落ち着けて眠気を誘います。

不眠解消や下半身の冷えへの対策が期待できます。

涌泉(ゆうせん)

土踏まずの前の方にあり、足の5本指に力を入れた時に一番へこむところにあるツボです。

体の疲れやだるさを解消するといわれています。

体の疲れを取る「ストレッチ」3つ

疲れにはストレッチも取り入れてみましょう。

3つのストレッチを紹介します。

凝り固まった肩と腕に効果的なストレッチ

肩こりと腕まわりの解消に役立つストレッチです。

  1. 床などに背筋を伸ばして座ります
  2. 左腕を肩の高さに真っすぐと伸ばしていく
  3. 2であげた左腕を右肩の方へもっていく
  4. 左腕が十字になるように右腕でささえる
  5. 右腕を手前に引いて10~20秒キープする
  6. 反対の腕も同様におこなう

お尻のストレッチ

座り続けたり立ち続けたりで同じ姿勢を取ることにより凝り固まったおしりの筋肉をほぐすストレッチです。

腰痛などの解消にも役立ちます。

  1. 床に仰向けになる
  2. 1の状態で右足のかかとを左膝に乗せる
  3. 右膝を左手でもち、左の方に倒す
  4. 3の状態で20~40秒間キープ
  5. 反対側の膝も同様におこなう

就寝前のストレッチ

寝る前に簡単にできる全身をほぐすストレッチです。

  1. 両手両足を伸ばし全身を思いきりほぐす
  2. 次にお腹に片足を抱えこみ、足と腰の筋肉を伸ばす(もう片足も同様に)
  3. 左右の足を交差して片手で一方の足を引き、腰をひねる(片方も同様に)
  4. 両膝を抱え、お腹を覗き込むように頭を起こして丸くなり、背中全体の筋肉を伸ばす

まとめ

疲労には肉体的疲労だけでなく、精神的・神経的な疲労も原因であることがわかりました。

また、過度な疲労は免疫力の低下につながり、深刻な病気を引き起こす原因にも。

今回紹介した疲労の症状で自分に当てはまるものがあったら、適度な運動をおこなったり、栄養を摂ったりするなどして、疲れをため込まないことが大切です。

それでも疲労感がとれない場合は、「慢性疲労症候群」などの病気が潜んでいる可能性も。そのようなときは、迷わず医療機関に相談しましょう。

疲れ知らずの生活を送ることで、毎日を元気に過ごしたいものですね!

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