「甘いものいっぱい食べちゃう!」「炭水化物大好き!」そういう方はいらっしゃいますか?こういう方は健康診断の血液検査の「糖代謝」に気を付けたほうがいいかもしれません。

「糖代謝」は血液検査の「血糖値」「HbA1c」という項目に該当します。

皆さんお察しの通り、この項目は「糖尿病」を判定する項目の一つです。糖尿病とは、糖代謝がうまくできず、血液中の糖が慢性的に増えた状態に多くなる病気です。糖尿病はカロリーの多い食生活、運動不足、肥満、ストレスなどの生活習慣因子や加齢が引き金となって発症します。糖尿病は初期段階では特に症状はなく、症状が出たときにはかなり病気が進行しているため、早期発見には血液検査がとても重要です!

血糖値検査と数値

血糖値の検査は空腹時に行います。検査値の基準は下記の通りです。

基準値99mg/dL以下問題なし🤩
要注意100~125mg/dL生活習慣の見直しを!😣
異常126mg/dL以上要再検査😰
参考:日本人間ドック学会基準

1回目の検査で126g/dL以上だった場合、別日に再検査を行います。再検査の際も126g/dL以上であれば、糖尿病を強く疑われます。

そもそも血糖値ってなに?

みなさん「血糖値」って説明できますか?

「血糖」とは、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)のことです。血液中の糖の濃度を「血糖値」と呼び、1㎗(1デシリットル:100cc)の血液中に何mgのブドウ糖が含まれるかを表しています。

食後は誰でも一時的に血糖値が高くなりますが、通常であればインスリンがすぐ分泌され、食後約2時間以内には正常値に戻ります。

インスリンは、すい臓から分泌されるホルモンの1種で、血液中のブドウ糖を細胞の中に取り込む働きをしています。このインスリンの働きが弱くなると血糖が上昇し、強すぎると血糖が下がりすぎ「低血糖」といわれる状態が起きます。

低血糖とは?

一般に70mg/dLより低いと低血糖と診断されます。

食事の量が少なかったり、空腹の状態で激しい運動などを行ったり、血糖を下げる薬が多過ぎたり、あるいは薬を服用しても食事を取らなかったりした場合などに起こります。

低血糖の主な症状は、不安になる、集中力がなくなる、生あくびが出る、などの症状が現れます。更に低くなると昏睡状態などの意識障害を引き起こす恐れもあるので、少しでも気になる方は医師に相談してみてくださいね。

血糖値が高くなる原因

血糖値が高くなる原因は肥満や過食、運動不足、ストレス等、生活習慣が関係しているといわれています。生活習慣の乱れにより、血糖値をコントロールするインスリンの働きが悪くなり、血糖値が上がりやすくなり、高血糖になるのです。

ただし、遺伝的にインスリンが効きづらい場合や免疫の病気でインスリンがでない場合もあります。

説明図

HbA1c(ヘモグロビンA1c)

ヘモグロビンは肺で受け取った酸素を体中に運ぶ役割があります。ヘモグロビンの中の糖(グルコース)がゆっくりと結合してできたタイプのヘモグロビンをHbA1cといいます。

血糖値が高い状態が続いていると、HbA1cの割合がふえていきます。ヘモグロビンの中でHbA1cが何%くらいあるかを測定することによって糖尿病の状態がわかります。

なお、HbA1cは過去1~2ヶ月前の平均の血糖値を反映しますので、当日の食事や運動など短期間の血糖値の影響を受けません。

基準値5.5%以下問題なし🤩
要注意5.6%~6.4%生活習慣の見直しを!😣
異常6.5%以上要再検査😰
参考:日本人間ドック学会基準

血糖値が126mg/dL以上かつHbA1c 6.5%以上なら糖尿病と診断される可能性が高いです。

標準値に近づけるために日常生活の中でできること

1.食事

  • ごはん・パン・麺類・イモ類など糖質を多く含む食品の摂取量を減らす
  • 野菜・汁物・タンパク質・炭水化物の順番に食べる
  • 肉・魚・卵などのタンパク質や、血糖値の急上昇を防ぐ食物繊維を多く含む野菜を積極的に摂取する
  • 血糖値を急激に上げる食べ物(パン・うどん・ソーメンなど)と緩やかに上げる食べ物(ごはん・そば・パスタなど)を把握しておく

血糖値を急激に上げる食べ物&飲み物

  • 清涼飲料水(ジュース・コーラ・乳酸飲料・栄養ドリンクなど)
  • 甘い菓子パン(あんパン・ジャムパン・クリームパンなど)
  • 菓子(ようかん・まんじゅう・大福など)
  • 精白米
  • めん類(うどん・そうめんなど)  など

血糖値を緩やかに上げる食べ物

  • 雑穀米、十割そば、スパゲティなどのめん類 
  • かぼちゃ、芋類(じゃが芋、さつまいも、里芋など)、とうもろこし、くり
  • 大豆以外の豆類(小豆、インゲン豆、おたふく豆など)  など

血糖値高めの方におすすめの健康食品を利用してみるのも一つの手です。お茶などいろいろな商品がドラックストアを始め販売していますので、生活に取り入れやすいものをお試しください。

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2.運動

運動をして筋肉を使うと、血液中のブドウ糖や脂肪酸をエネルギーの材料として筋肉に取り込むため、運動中から運動後まで血糖値が下がる効果があります。

ただ、いきなりきつい運動は続けられないと思うので、継続できる運動をしていきましょう。

  • 1日10分のストレッチ
  • 帰宅時に1駅分歩く
  • Youtube動画の5分トレーニングを1日1本行う

など、できるところから始めてみてください。

3.肥満気味で食事制限、運動が継続できない方へ

肥満気味で「食事制限がつらい」、「運動は続けられない」というあなたにおすすめなのが、GLP-1です。

GLP-1 とは?

GLP-1は「食欲を抑えて痩せる」ことが特徴で、肥満気味で食事量を変えたくない、運動も苦手という方におすすめです。

GLP-1は1週間に1度ご自身で注射を打つ、あるいはお薬を飲むだけで無理なく続けることができます。また、医師が管理して処方してくれるので安心して使用することができます。

ご興味のある方は下記URLからご確認ください。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

少しでも気になる症状がある場合は、医師(内科医師)に相談してみてくださいね。

血糖値やHbA1cが高いと指摘を受けたことがある方や受けたことはないけど甘いものを食べ過ぎちゃう方や炭水化物をいっぱい食べがちな方は、毎日の食事を見直してみてください。

血糖値があがらないよう毎日ちょっとした努力でできるので、できることからやってみましょう!

監修

明舘ねこ
山崎義光 (AMC西梅田クリニック理事長)
大阪大学医学部卒業。その後、大阪大学医学部附属病院の内科医として30年以上勤務。在籍中に生活習慣病に関する遺伝子研究の会社の設立を行なうなど糖尿病・動脈硬化の治 療・研究に長きにわたり従事してきた専門家。現在は大阪にあるAMC西梅田クリ ニックにて糖尿病や生活習慣病の方を中心に、風邪など一般内科の方も幅広く診 療。肥満の治療にも力を入れている。