日本でも徐々に浸透しつつあるプラントベースフード。植物由来の食品のことで、スーパーやコンビニ、カフェやファストフード店など、さまざまな場所で目にする機会が増えてきましたね!
前回の記事では、プラントベースフードが環境に優しいといわれる理由についてお伝えしました。
前回の記事はこちらから→自分にも環境にも優しい!プラントベースフードって何?~環境編~
SDGsにも貢献できるプラントベースフードを、環境保護を意識して選ぶという人はもちろんいるでしょう。しかし、それ以上に「健康に良さそうだから」「ダイエットに良さそうだから」という理由で選ぶ人も多いのでは?とはいえ、実際どういった点が健康に良いのかよく知らない人も多いかもしれませんね。
そこで今回は、プラントベースフードとは何かおさらいをしつつ、プラントベースフードの健康に良い点について迫っていきます!
プラントベースフードのおさらい!
まずは、前回のおさらいをしましょう!プラントベースフードとは、植物由来の食品のことです。
代表的なものに、大豆ミートを使った「ハンバーグ」や「ミートボール」、大豆やアーモンド、オーツを使った「植物性ミルク」などがあります。これらは、一般的にスーパーに並ぶようになったため、誰もが一度は口にしたことがあるかもしれませんね。
その他にも、おからとこんにゃくを混ぜた「白身魚のフライ」に似せたものや、ナッツや乳製品を使用せず、米粉やココナッツオイルで作った「植物由来のチーズ」なども登場し、プラントベースフードの種類は年々増えています。
しかも、味も食感もより本物に近づき、クオリティが上がっているんです!そのため、本物ではなくあえてプラントベースフードを選ぶという人もいます。
プラントベースフードは基本的に原料に動物性食品を使わないものが多いですが、加工の段階で卵を使用している場合はあります。そのため、プラントベースフードは、動物性由来の食材を一切使用しない「ヴィーガンフード」とは違うものです。
ただし、肉類を使用しない点では共通しています。ヴィーガンフードと同様に、プラントベースフードを選ぶことによって、環境保護につながるということも学びましたね。
畜産動物の飼育には、大量の水や土地、穀物といった多くの資源を使います。また、牛から出るゲップには温暖化の原因になるメタンガスが多く発生します。
しかし、私たちが植物性由来の食事にシフトすることによって、これらの環境問題への解決につながるんです!そして未来に起こりうる人口増加や、農作物の不作による食糧危機問題を防ぐことにもつながります。
プラントベースフードを取り入れることは、持続可能な未来を目指すSDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標15「陸の豊かさを守ろう」の達成にも大きく貢献できるんです。
健康に良い点①脂質やカロリーが低い!
それではここからいよいよ、プラントベースフードの健康に良い点を見ていきます!
まず、健康に良い点のひとつめは、脂質やカロリーが低いことです。プラントベースフードは、植物由来の食材で作られているため、動物性由来の食品に比べ、低脂質、低カロリーなものが多いといえます。
例えば、本物の豚肉ミンチと大豆ミートのミンチの栄養成分を比較してみましょう。
豚肉ミンチ(100gあたり)
- エネルギー 221kcal
- タンパク質 18.6g
- 脂質 15.1g
※参照
https://calorie.slism.jp/111163/
大豆ミートのミンチ(100gあたり)
- エネルギー 181kcal
- タンパク質 19.7g
- 脂質 8.9g
※参照
https://www.someat.net/lineup/mince_1000/
ご覧の通り本物の豚肉ミンチに比べ、大豆ミートの方がカロリーも脂質も低いことがわかりますね。
しかも、植物由来の脂質はほとんどが不飽和脂肪酸のため、体に良い脂質なんです!嬉しいことに不飽和脂肪酸は、血液中のコレステロール値を下げてくれる働きがあるといわれています。
- 飽和脂肪酸を詳しく知るには
また、上記の栄養成分表を見比べてわかる通り、大豆ミートの方がタンパク質量が多いんです!
低脂質、低カロリー、高タンパク質ということがわかったら、本物の肉よりも大豆ミートを選びたくなる人がより増えるかもしれませんね。
脂質やカロリーを抑えながらタンパク質をしっかり摂れるのは、かなり優秀といえるでしょう。健康のためにカロリー制限をしている人や、ダイエット中の人には特におすすめですよ!
健康に良い点②生活習慣病や大腸ガンの発生リスクを下げる
プラントベースフードは、生活習慣病の発生リスクを下げるといわれています。なぜならプラントベースフードは低カロリー、低脂質なためそれを食事に取り入れることが肥満防止につながるからです。
つまり、糖尿病や心筋梗塞、高血圧症、動脈硬化などの生活習慣病を引き起こす原因である肥満にさえならなければ、生活習慣病の発生リスクを下げられるということです!
たとえば、肉類ばかり食べていては高カロリー、高脂質になりがちです。最近ではダイエット中にタンパク質を多く摂ることを意識して、肉類ばかりを多くとる方がいますが、それも注意が必要です。
過剰な肉食は腸内に悪玉菌を増やし、腸内環境を悪くするため、大腸ガンのリスクも高くなるといわれています。
そのため、肉を大豆ミートなどのプラントベースフードに変えることで、生活習慣病や大腸ガンなどのリスクを下げることにつながるんです!
健康にいい点③免疫力を高める効果が期待できる
プラントベースフードは、免疫力を高める効果が期待できます。なぜならプラントベースフードは、抗酸化作用を持つ栄養素を含む、果物や野菜を豊富に使っているからです。
抗酸化作用とは、細胞を酸化させたり傷つけたりする活性酸素から体を守る作用のこと。抗酸化作用を持つ栄養素を摂ることは、免疫力を高めるのに効果的といわれているんです!
抗酸化作用を持つ栄養素は、「ビタミンCやビタミンE、ポリフェノールやミネラル、カロテノイド」などがあげられます。
例えば、ブロッコリー、キウイやいちごには「ビタミンC」が多く含まれています。
また、ごまやナッツ類には「ビタミンE」、りんごや枝豆には「ポリフェノール」、わかめ、のり、昆布などの海藻類には「ミネラル」、赤パプリカやほうれん草、トマトなどの緑黄色野菜には「カロテノイド」が豊富に含まれています。
プラントベースフードは、植物由来で果物や野菜が豊富なため、免疫力アップが期待できますよ。
プラントベースフードを普段の食生活に取り入れる方法
ここでは、プラントベースフードを普段の食生活に取り入れる方法を紹介します!
朝ごはんには「植物性ミルクで作るオートミール粥」でヘルシーに
朝ごはんにはソイミルクやアーモンドミルクで作る「オートミール粥」がおすすめ。
オートミールが浸るくらい、ソイミルクまたはアーモンドミルクを入れ、レンジでチンするだけで簡単にオートミール粥が作れます。
味付けはシンプルに塩こしょうか、あるいは無添加のブイヨンを入れるのも良いですね。刻んだきのこを入れるのも食感が増しておいしいですよ!
ランチには「大豆ミートのボロネーゼパスタ」でイタリアンに
いつものミートソースをプラントベースフードに変えて、大豆ミートを使ったボロネーゼパスタはいかがですか?
パスタ麺も一般的な小麦粉でできたものではなく、全粒粉のパスタがおすすめ!血糖値が上がりにくく、なおかつ大豆ミートは高タンパク・低脂質・低カロリーなので健康効果も期待できますよ。
調理が面倒な人は、レトルトもあるので活用すると良いでしょう。サラダや野菜スープをプラスすれば、ビタミンやミネラルも摂れよりバランスの良いランチメニューになります。
ディナーには「菜食シュウマイ」で中華気分!
今夜は中華料理が食べたい気分…そんなディナーにおすすめなのが、「菜食シュウマイ」です。こちらも大豆ミートを使用しているため、肉は一切不使用。
蒸したり揚げ焼きにしたり、お好みの調理法でいろんな食感が楽しめます。
菜食シュウマイをおかずに、玄米ごはんや卵スープ、春雨サラダなどをプラスすれば、栄養バランスもバッチリ!肉類を食べなくても大満足のディナーになりますよ。
プラントベースフードを上手に活用して、健康な体を目指そう!
プラントベースフードは環境だけでなく、健康にも良いことがわかりましたね。
植物由来のため動物性食品に比べてカロリーや脂質が低いことに加え、大豆ミートの場合はタンパク質も豊富に含まれているのが嬉しいポイント!
ダイエット中でも安心して食べられますよ。また、低カロリー、低脂質なので肥満の防止や生活習慣病の予防が期待できるのも驚きでしたね!
その他にも、プラントベースフードの原料となる野菜や果物には、抗酸化作用を持つ栄養素が含まれているため、免疫力アップも期待できます。
これだけ健康に良いなら毎日食べたくなるかもしれませんが、ひとつだけ注意点が!
植物性食品からビタミンB12だけは摂取することができないので、プラントベースフードのみに偏った食事はおすすめできません。
ビタミンB12は貝類やレバーに多く含まれる成分です。ビタミンB12が不足すると貧血などを引き起こすこともあります。
プラントベースフードは上手に活用すれば今回紹介したような健康効果を得ることができます。
おすすめは、今の食生活に週1〜2回取り入れる方法です。ぜひプラントベースフードを上手に活用して、健康な体を目指してくださいね!