中性脂肪を下げるために、伝統的な東洋医学では「ツボ」と呼ばれる特定の経穴が注目されています。
これらのツボを刺激することで、中性脂肪の調節をサポートする効果が期待されます。

ツボを活用した方法は、食事や運動と併用することで、中性脂肪の正常な範囲に保つために役立つ可能性があるのです!
今回は中性脂肪を下げるツボややらないほうがいいことなどを紹介していきます。

そもそも中性脂肪とは何なのか?

中性脂肪は、エネルギー源であるブドウ糖が不足した場合に体内で合成されるものです。食事から取り込まれたエネルギーが余った場合、中性脂肪として肝臓で合成され、皮下脂肪や内臓脂肪として蓄えられます。

体脂肪は、体に蓄えられる脂肪の総称であり、中性脂肪がそのもとになっています。体脂肪は主に皮下脂肪と内臓脂肪に分けられます。

皮下脂肪は皮膚の下にある組織につく脂肪で、体温調節や衝撃吸収の役割を果たします。女性に比較的多く蓄えられ、外見的なぽっちゃり感と関連しています。

内臓脂肪は内臓の周りにつく脂肪で、男性や閉経後の女性により多く蓄積されやすい傾向があります。内臓脂肪は健康上のリスクとも関連しており、適切な管理が重要です。

以上のように、体脂肪には中性脂肪から変化した皮下脂肪と内臓脂肪の二つがあります。中性脂肪はお財布の中のお金に例えられ、エネルギーとしてすぐに利用できる特徴があります。一方、内臓脂肪は普通預金に例えられ、蓄積されやすいが減らしやすい特徴があります。皮下脂肪は定期預金に例えられ、なかなか蓄積しないが一旦たまると減らしにくいとされています。

中性脂肪が持っている役割

中性脂肪は体内のエネルギー源であり、エネルギー不足時に代わりに使用される役割を果たしています。体を動かすためには主に糖質が必要であり、パンやご飯、麺類などの炭水化物に含まれる糖質が重要なエネルギー源となります。

通常、糖質は血液中に含まれ、エネルギーが必要な筋肉へと適切に供給されます。しかし、食事内容の偏りや無理なダイエットによって糖質の摂取量が減少すると、代わりに中性脂肪が利用されることになります。

中性脂肪は脂肪組織として体内に蓄積されるため、過剰な中性脂肪の蓄積は肥満や様々な健康上の問題を引き起こすことがあります。そのため、バランスの取れた食事や適度な運動を通じて糖質の摂取量を調節することが重要です。

中性脂肪は体内のエネルギーバランスを調整する役割を果たしていますが、適切な量を保つことが健康維持にとって重要です。過剰な中性脂肪の蓄積を避けるためには、バランスの良い食事と適度な運動を心がけることが必要です。

中性脂肪を下げるツボ4選!

中性脂肪はできるだけないほうがいいものではありますが、下げるのはそう簡単ではありません。実は中性脂肪は体のツボを押すことでも下げる効果を見込むことが可能です。ここでは中性脂肪を下げるツボについて4つほど紹介していきます。

  • ツボ①:気海(きかい)
  • ツボ②:合谷(ごうこく)
  • ツボ③:湧泉(ゆうせん)
  • ツボ④:足三里(あしさんり)

ツボ①:気海(きかい)

おなかの中心、へその下にあるツボは、全身の血流を促進し、自律神経を整える働きがあります。寝転んだ状態で両手の人差指と中指を使い、ゆっくりと呼吸に合わせて押します。この刺激により、血液の流れが活性化し、組織や臓器に酸素と栄養が行き渡ります。また、自律神経のバランスを整え、リラックス効果も期待できます。ただし、個人の感じ方や体調に合わせて行い、不快感や痛みがあれば刺激を止めて医師に相談することが重要です。

ツボ②:合谷(ごうこく)

手のツボで、人差し指と親指の合流部からやや人差し指寄りにあるツボは、手足の末端の血液流れを改善し、冷え性に効果があります。刺激は簡単で気持ちよく、適度な力で行いましょう。科学的な裏付けはないため個人差があります。必要なら専門家に相談しましょう。

ツボ③:湧泉(ゆうせん)

足裏の土踏まずの上、足指の付け根から指三本分の位置にあるツボは、血流を改善し、身体全体を温める効果があります。

このツボを刺激することで、血液の循環が促進され、体温が上昇します。特に吐く息と同時に強く押して刺激すると効果的です。運動前や入浴時に刺激すると、発汗効果も高まりますのでおすすめです。

ただし、ツボの効果には個人差があり、科学的な根拠は不十分です。適度な力で刺激し、自身の体調や感じ方に合わせて行うことが重要です。また、医療上の問題がある場合は、専門家に相談することをお勧めします。

ツボ④:足三里(あしさんり)

膝の皿の外側の斜め下、くぼみから指4本分下に位置するツボは、全身の血流を促進し、特にドロドロした血液に効果があります。病気予防や体力増強だけでなく、足の疲れやむくみ、胃腸の不調、膝の痛みにも効果的です。

このツボを刺激する方法は、太い骨にそって位置しているため、中指や親指を使って骨の外側から押すイメージで刺激します。適度な力を加えながら、自身の体調や感じ方に合わせて行いましょう。

ただし、科学的な根拠は限られており、効果や効能には個人差があります。症状がある場合は、医師の指示や助言を受けることが重要です。自己判断せず、専門家のアドバイスを受けながら適切なケアを行いましょう。ツボの刺激は補完的な健康法として考え、個人の体験や感じ方を重視することが大切です。

中性脂肪を下げる際にやらないほうがいいこと 

中性脂肪を下げるためには、健康的な食事や生活習慣の改善が重要ですが、注意が必要な点もあります。中性脂肪を効果的に管理するために、過度な糖質制限やコレステロール制限を行うことはむしろ避けるべきです。これらの制限が過剰になると、健康に対して逆効果となる可能性があります。

過度な糖質制限

糖質制限や糖質オフに関連した情報や商品が増えていますが、糖質自体が悪いものなのか疑問です。

糖質は炭水化物から食物繊維を除いたものです。過剰摂取は肥満症や中性脂肪の増加の原因となりますが、糖質は人間の活動エネルギー源であり、脳にとって主要なエネルギー源でもあります。

極端に糖質を制限すると意識障害などが起こる可能性もあるため、完全なカットではなく摂取量に注意することが重要です。バランスの取れた食事と適切な糖質摂取により、必要なエネルギーを供給しながら健康を維持できます。

個々の体質や目標によって糖質摂取量は異なりますので、自身の体調や栄養バランスを考慮しながら適切な食事スタイルを見つけましょう。専門家のアドバイスを受けながら健康的な食生活を築くことが重要です。

油や脂質をシャットアウトする

中性脂肪を減らしたいときに完全に油を摂らない食事は好ましくありません。揚げ物やトランス脂肪酸を含む食品、高脂肪のケーキなどは避けるべきです。

しかし、魚の油に含まれるDHAやEPAは血液をサラサラにする効果があります。重要なのは、「良質の油を摂る」ことです。適度な摂取を心掛けましょう。

コレステロールの非摂取

LDLコレステロールが増えると血液がドロドロになり、脳梗塞などのリスクが高まります。ただし、コレステロールを完全に摂らない食事も避けるべきです。実際、コレステロールは細胞膜の材料として必要であり、新しい細胞の形成に欠かせません。

また、コレステロールはホルモンの材料ともなります。以前はコレステロールの摂取量に制限があった時代もありましたが、現在は日本の食事摂取基準から上限値が撤廃されました。ただし、バランスの取れた食事が重要であり、摂り過ぎは栄養の偏りを引き起こす可能性があります。

したがって、適度なコレステロール摂取が健康維持に必要です。バランスの取れた食事を心掛け、過剰な摂取には注意しましょう。個々の体質や健康状態に合わせて、医師や栄養士のアドバイスを受けることも重要です。

中性脂肪を下げる成分について

中性脂肪を下げるためには、いくつかの成分が効果的であることが知られています。ポリフェノール、DHA、水溶性食物繊維などがその代表的な成分です。

これらの成分は、食事やサプリメントを通じて摂取することで、中性脂肪の蓄積を抑制し、血液中の脂肪レベルを正常化する助けとなる可能性があります。さまざまな研究により、これらの成分が心血管健康にも良い影響を与えることが示されており、バランスの取れた食事とともに摂取することが推奨されています。

ポリフェノール

ポリフェノールは中性脂肪を下げる成分として有用です。
主に緑茶や紅茶、カカオ、ワイン、シナモン、オリーブオイルなどに含まれています。

ポリフェノールは抗酸化作用や抗炎症作用を持ち、中性脂肪の蓄積を抑制し脂肪の代謝を促進します。

さらに、中性脂肪の産生を抑制する酵素を活性化し、脂肪の蓄積を防ぐ効果もあります。ポリフェノールは心臓病や糖尿病の予防にも役立ち、血管の健康を保つことができます。

ただし、単独では効果が限定的であり、バランスの取れた食事や適度な運動との組み合わせが重要です。個人の健康状態に応じて医師や栄養士のアドバイスを受けながら、ポリフェノールを摂取しましょう。

FDA、DHA

FDA(フィブリン酸化酵素阻害剤)は中性脂肪を下げる成分で、リパーゼ酵素の働きを抑制して蓄積を防ぎます。

DHA(ドコサヘキサエン酸)はオメガ-3脂肪酸で、血液をサラサラにし、中性脂肪の合成を抑制します。青魚や海藻に多く含まれています。

これらは中性脂肪の制御に役立ち、心血管の健康をサポートします。適切な摂取量を守り、医師や栄養士の指導を受けながら摂取することが重要です。

水溶性食物繊維

水溶性食物繊維は、中性脂肪を下げるための有用な成分です。
オートミール、オクラ、りんご、イモ類、豆類などに多く含まれています。

水溶性食物繊維は消化器官で水と結びつき、ゼリー状の物質を形成します。これにより、腸内での消化吸収を遅らせ、脂質やコレステロールの吸収を抑える効果があります。

また、腸内環境を改善し、善玉コレステロール(HDLコレステロール)の増加や炎症の軽減にも寄与します。

水溶性食物繊維を摂取することで、中性脂肪の蓄積を抑制し、心血管疾患や肥満のリスクを低減することが期待されます。
ただし、水分摂取との関連も重要であり、適切な水分補給を行いながらバランスの取れた食事を心掛けましょう。

まとめ

中性脂肪を下げるためには、食事や運動の改善が重要ですが、伝統的な東洋医学においては、特定のツボの刺激が効果的であるとされています。今回は、以下に挙げるようなツボを紹介しました。

  • ツボ①:気海(きかい)
  • ツボ②:合谷(ごうこく)
  • ツボ③:湧泉(ゆうせん)
  • ツボ④:足三里(あしさんり)

ただし、個人の体質や状態によって効果が異なる場合がありますので、専門家の指導のもとで行うことをおすすめします。また、ツボ刺激だけでなく、バランスの取れた食事や定期的な運動などの習慣も合わせて取り入れることが大切です。

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