「仕事で不規則な生活を続けていたら、便秘がちでお腹が張るようになった。」
「仕事のイライラも重なり、肌が荒れてきたような気がする。」
今、そのようなことで気が滅入っている方には、腸マッサージがおすすめです。
お腹周りを効果的に刺激することで、便秘や肌荒れが解消するからです。
そこで、この記事では、腸活マッサージのメリットやデメリット、具体的な腸活マッサージやエクササイズ、便秘に効くツボ押しなどについて紹介します。
腸活マッサージとは、腸内細菌のバランスを保つこと
腸活とは、腸内環境を良好にする活動のことをいいます。
人の大腸には約1000種類、100兆個にも及ぶ腸内細菌が生息していますが、そのなかには、「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」といった菌が存在しています。
その役割は下記のとおり。
善玉菌 | 食中毒菌などから腸を守り正常な状態に保つ菌。腸内に約20%生息。 |
悪玉菌 | 腸内に有害物質を発生させ、便秘や下痢、お腹の張りを引き起こす菌。腸内に約10%生息。 |
日和見菌 | 善玉菌・悪玉菌のどちらか優勢な方に付く菌。腸内に70パーセント生息。 |
腸内細菌の理想のバランスは、「善玉菌2」「悪玉菌1」「日和見菌7」が理想といわれています。
しかし、脂分の多い食事や不規則な生活を続けていると、悪玉菌が腸内を支配して腸内環境のバランスが崩れることに。
そのバランスが崩れないよう程よく保つためには腸のマッサージが必要です。
腸活マッサージ6つのメリット
ここでは腸活マッサージのメリットを紹介します。
①腸を動かして便秘解消
腸活マッサージをすることで便秘解消になります。
腸活マッサージは、腸の流れにそってお腹をマッサージしていくので、腸内にたまった便が外に出ていくようにサポートをしてくれます。
水分が少なくてなかなか外に出ない硬い便も、マッサージにより腸内の血流の流れがよくなることで、便に水分が含まれスムーズに便の通りを良くしてくれるのです。
そのため、腸活マッサージをすることが大事です。
②肌荒れ防止効果
腸活マッサージは、肌荒れ防止効果も期待できます。
なぜなら、便秘と肌には深い関係があるからです。
便秘によって腸内環境が悪化すると、腸内に有害物質の悪玉菌が増えていきます。
悪玉菌が腸内にたまり、血液で吸収され全身をめぐることで「乾燥肌」「吹き出物」「ニキビ」などの原因となります。
それを避けるためにも腸活マッサージをして、腸内に悪玉菌がたまらないようにしなければいけないのです。
③血行促進によりイライラ解消
腸活マッサージをすることで、イライラがなくなります。
なぜなら、腸活マッサージをすることで血流がよくなり自律神経のバランスが整うから。
人間の自律神経には、活動するときに働く「交感神経」とリラックスするときに働く「副交感神経」があります。
そのバランスが整っているときは問題ありませんが、なんらかのストレスで自律神経のバランスが乱れると、イライラとして現われることに。
そのようなときに腸活マッサージをすれば血の流れがよくなり、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が活性化して、自律神経のバランスが整います。
その結果、イライラが解消されるのです。
④免疫力を高めて風邪やアレルギー症状を和らげる
腸活マッサージをすることは、免疫力を高めることにつながります。
マッサージで腸内の悪玉菌が減少し善玉菌が増えると、腸の免疫細胞が正常に働くようになるからです。
そのことにより、外から持ち込まれるウイルスが体内に侵入しても病気にかかりづらくなります。
また、免疫力を高めると、花粉症などのアレルギー症状を和らげてくれるとも考えられているんですよ。
⑤過敏性腸症候群にも効果
腸活マッサージは、過敏性腸症候群も改善します。
過敏性腸症候群は、心の影響で自律神経のバランスが乱れることにより発症する病気です。
慢性的に便秘になる「便秘型」、慢性的にお腹を壊す「下痢型」、便秘と下痢を交互に繰り返す「混合型」の3種類があります。
特に女性に多いのは、便秘型です。
症状を改善するには、腸活マッサージで血流をよくすることが大切。
血流がよくなれば代謝が上がり便秘も解消します。また、自律神経のバランスも整うため、症状の改善になりますね。
⑥ねじれ腸に効果
ねじれ腸の改善にも効果が期待できます。
ねじれ腸とは、腸の形がねじれていたり、曲がっていたりする状態です。症状としては、腹痛を伴う便秘が長引きます。
そこで、腸活マッサージ。
ねじれ腸により腸内に引っかかる便を動かし、正常に外に出してあげるのです。
腸活マッサージのデメリット
腸活マッサージのデメリットも紹介します。
腸活マッサージは基本的にデメリットはありません。しかし、腹部に炎症がある方、重いヘルニアを抱えている方、妊娠中や出産後まもない方は控えた方がいいでしょう。
また、健康な状態でもマッサージをすることで痛みを感じるようなら、途中でやめてください。
マッサージのタイミングはいつ?
腸活マッサージを行なうタイミングについてもお伝えします。
腸活マッサージは、入浴後に行なうのがベストタイミング。
なぜなら、入浴後は体が温まり血行がよくなっているからです。
そのタイミングで行なうと、血流の流れがさらによくなりマッサージの効果が期待できます。
お風呂上がりは副交感神経が活発になってリラックスした状態でもあるので、マッサージを行なうにはベストなタイミングだといえますね。
8つのマッサージで腸活!
ここからは、8つの腸活マッサージを紹介していきます。
①基本の腸活マッサージのやり方
まずは、基本的な腸活マッサージです。
ポイントは腸の四隅をつかんでもみほぐすこと。
場所は、左右の肋骨の下と左右の腰骨の下です。
この4点をつかんで、ゆっくりともみほぐしていきましょう。
このマッサージを行なうタイミングですが、朝と夜の2回行なうのがベストです。
ただし、消化不良を起こしてしまうので、食後1時間は控えてください。
②小腸マッサージのやり方
小腸マッサージのやり方を紹介します。
ゆるめの便で悩んでいる人向けのマッサージです。
手順は下記のとおり。
①床に仰向けに寝る。 |
②手を軽く握り、グーの手をつくり、指の第二関節をお腹に当てる。 |
③おへその周りを円を描くように反時計回りに軽く押しながらゆっくり動かす。 |
④さらに5mmほど円を広げながらゆっくり動かす。 |
③腸活 大腸マッサージ 手順
大腸マッサージです。
便秘に悩んでいる方におすすめのマッサージ。
手順は下記のとおり。
①両膝を立てて仰向けに寝る。 |
②立てた右足に左足をかける。 |
③そのまま両足を右側に倒して、左の脇腹に体重がかかるように寝る。 |
④ゆっくりと呼吸をしながら、左手の親指を支えにほかの4本指と共に左脇腹あたりを押すようにもんでゆく。 |
朝は便意が起きやすいので、朝に行なうのがおすすめです。
④腸さすり
硬い便に悩んでいる人向けのマッサージです。
手順は下記のとおり。
①床に仰向けに寝る。 |
②右手を軽く曲げおへその上に置く。 |
③指先と手首の付け根のやわらかい部分がお腹に触れるようにして、右から左、左から右と交互にゆっくりとさすっていく。 |
④慣れてきたら、手を②の状態から動かさないように、さするスピードを上げて小刻みに動かして腸を刺激していく。 |
⑤①~④を3分間行なう。 |
⑤過敏性腸症候群に効く腸マッサージ
女性に多い便秘型の過敏性腸症候群に効く腸マッサージです。
手順は下記のとおり。
①床に仰向けに寝る。 |
②両膝を曲げて合わせる。 |
③②の状態から、左右交互にゆっくりと倒す。 |
④膝を片方ずつ曲げ、反対側の足にクロスさせるように腰をひねっていく。 |
⑥ねじれ腸マッサージ
ねじれ腸を揺らす腸活マッサージです。
手順は下記のとおり。
①足を肩幅くらいに開き、両腕を下に広げて胸を張って立つ。 |
②両腕は広げたまま、息を吐きながら上半身だけを左右にひねる。(※肩の力を抜いてリラックスしながらひねるのがポイント) |
③①〜②を1セットにして20回、1分ほど行なう。 |
もし、ねじれ腸だと診断されている場合は、まずはかかりつけの医師と相談のうえで行なうようにしましょう。
⑦座ったままでできる腸活マッサージ
座ったままでもできる便秘解消の腸活マッサージです。
家でテレビを見ながらでもできますよ。
手順は下記のとおり。
①椅子に胸を張って座る。(足は腰幅に開く) |
②右手を腰骨の上に固定、左手を肋骨下の脇腹に当てる。 |
③②の状態で上半身をゆっくりと倒して、同時に両手でお腹を3回押していく。 |
④①の状態に戻り、右手を腰骨の位置に固定しながら、今度は左手をお腹のくびれ辺りの脇腹に当てる。 |
⑤上半身をゆっくりと倒して③のように両手でお腹を3回押してゆく。 |
⑥①の状態に戻り、左手を腰骨の上、下腹あたりの脇腹に当てる。 |
⑦上半身をゆっくりと倒し、③同様両手で3回押していく。 |
⑧「の」の字マッサージ 手順
ぜんどう運動を活発にして、便秘を解消するマッサージです。
手順は、下記のとおり。
①床に座ります。 |
②おへそを中心にして大きく「の」の字を書くようにし、時計回りにゆっくりとなぞっていく。(※大腸の流れをよくして便を肛門に移動させるイメージで行なう) |
5つのエクササイズで、さらなる効果を!
マッサージだけでなく腸のエクササイズもすることにより、効果をさらに高めることができます。
ここでは5つの腸のエクササイズを紹介しますよ。
①腸をひねる エクササイズ
腸をひねることで、血流の流れをよくして代謝アップを行なうエクササイズです。
手順は、下記のとおり。
①椅子に座る。 |
②胸を張って足を組む。 |
③②の状態で腰から上全体を右側にひねり、制止した状態で深呼吸する。 |
④体を正面に戻し、左側も同様に行なう。 |
※1セットを3回、1日3セット行なう。 |
②腸上げエクササイズ
慢性的な便秘を抱えている方は、症状が続くことで腸が下がっています。
このエクササイズは、そんな方のために腸を元の位置に戻すストレッチです。
手順は、下記のとおり。
①床に仰向けに寝て膝を立てる。 |
②①の状態で足を肩幅くらいに開き、手は自然に下ろして手のひらを床につける。 |
③両手でしっかりと体を支え、ゆっくりとお尻を上げていく。(※お尻に力を入れて、肛門を引き締めるようなイメージで) |
④③の状態をキープし10〜20秒キープする。 |
⑤ゆっくりとお尻を下げる。 |
⑥①〜⑤を3〜5回繰り返す。 |
③セル・エクササイズでイライラ解消
ストレスから来るイライラが強い人におすすめのエクササイズです。
手順は、下記のとおり。
①両足を肩幅に開いてまっすぐに立つ。 |
②手をクロスして手のひらを合わせる。 |
③両腕を上げながら、肘までぐっと伸びるように伸ばす。 |
④③の状態でゆっくりと左右に倒れる。 |
⑤①~④を各10回ずつ行なう。 |
⑥③のポジションに戻し、両腕を上げたままゆっくりと右に大きく回す。 |
⑦1周回したら、左も同様に回す。 |
⑧①~⑦を1セットとして、10セット行なう。 |
体全体ではなく指先で円を描くイメージで行なうのがポイントです。
④腸もみ呼吸でリラックス
便秘によって腸のぜんどう運動がうまくいかないのは、自律神経が整っていないことが原因と考えられます。
そのため、この腸もみ呼吸で自律神経を整え、副交感神経を優位にしてリラックスした状態で便意を促しましょう。
この呼吸で、気分転換にもなりますよ。
方法は、下記のとおり。
①両手をお腹の上にそえる。 |
②①の状態で肩の力を抜いて、鼻からゆっくりと4秒間息を吸う。(※自然とお腹が膨らむのを感じながら肩に力が入らないようにする) |
③8秒間口からゆっくりと息を吐いていく。(※吸った時間の2倍ほどの時間をかけてゆっくり行なう) |
④①〜③を10回ほど繰り返す。 |
⑤腸活に活きるウォーキング
ウォーキングを腸活に活かす方法があります。
そのポイントは、
- 背筋を伸ばして歩く。
- 歩くときには、肘を90度にして肩甲骨から離れるイメージで手を振る。
- お尻に力を入れてお腹を引き上げるように意識する。
- かかとで着地して、足の親指の付け根で蹴り上げるようにする。
などがあげられます。
オフィスでもできる5つの「ツボ」押し
ツボを押すことでも、腸活に効果的です。
ここでは8つのツボ押しを紹介します。
①ストレス緩和にも最適!合谷(ごうこく)
ストレスを和らげてくれたり、肌荒れを解消してくれたりするツボです。
手の甲の親指と人差し指の間でくぼんだところにあります。
(押し方)
①親指の腹にツボを当て、残り4本の指を手のひらに当てる。 |
②少し痛みを感じられるくらいの強さで、5秒間ツボを押してゆっくりと離す。 |
③②の動作を左右5回ずつ行なう。 |
②気分転換のツボ 神門(しんもん)
仕事で気が滅入ったときに押すと、気分転換になるツボです。
ツボは、手首の内側、小指の下のくぼんだあたりです。
(押し方)
①親指を立ててツボに当てる。 |
②そのまま親指を左右に動かす。 |
③お腹の張りを解消!天枢(てんすう)
便秘でガスがたまることによるお腹の張りに有効なツボです。
左右にあり、おへそから指3本分外側にあります。
(押し方)
①左右の親指をみぞおちにそえる |
②左右同時に人差し指・中指・薬指をそろえ、軽くへこむくらいに押す。 |
④便秘だけでなく腰痛にも。大腸兪(だいちょうゆ)
腸の働きを正常に保ち、便秘や下痢、腰痛や座骨神経痛などに有効なツボです。
背中側・腰骨から指2本分外側の左右にあります。
(押し方)
①床に仰向けになる。 |
②膝を曲げ足を立てて、背中の下で手を握りツボに当てる。 |
③こぶしにしっかり体重がかかっているのを確かめながら、左右にゆっくりと動かしていく。 |
④①〜③を5回ほど繰り返す。 |
⑤便秘を解消するツボ 足三里(あしさんり)
便秘や免疫力を高めるツボです。
膝の外側のお皿の下から指を4本分下げ、一番くぼんだところにあります。
(押し方)
①親指もしくは中指をツボに当てる。 |
②少し強めの力でこねるように意識してツボを押す。(※ペンなどを使って押すのも可) |
まとめ
今回は、腸活マッサージについてのメリットやデメリット、実際の腸活マッサージについて取り上げました。
腸活マッサージは、腸内のバランスを良好に保つ活動です。
マッサージをすることで、
- 便秘解消
- 肌荒れ防止
- 血行をよくする
- 免疫力を高める
- 過敏性腸症候群を改善
- 腸のねじれによる便秘を解消
といった効果が期待できるとわかりました。
記事で紹介した腸活マッサージやエクササイズ、ツボ押しなどを参考にして、便秘や肌荒れなどのトラブルから解放されたストレスのない毎日を送りましょう!