健康意識や美意識の高い女性たちの間で、多くの注目を集める「グルテンフリー」。
海外でも人気を集めており、アメリカではグルテンフリー食品市場が年々拡大しています。
モデルや女優さんもこぞって実践しているグルテンフリーですが、一体どのような効果があるのでしょうか?

今回はグルテンフリー生活に期待できる効果やデメリット、グルテンフリーのおすすめレシピをご紹介します。

そもそもグルテンとは?

グルテンとは、小麦やライ麦といった穀物類に含まれるタンパク質の一種です。

パンやうどんの生地をこねるシーンを思い浮かべてください。小麦粉に水分を加えてこねていくと、最初は粉っぽかった生地がひとつにまとまり、だんだんモチモチになっていきますよね。

実は、この「モチモチ感」の正体こそが、小麦に含まれるグルテン

生地をこねることで、小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」というタンパク質が絡み合い、粘弾性のあるグルテンが生成されるんです。

グルテンが体に与える影響とは?

そもそもなぜグルテンが体に影響を与えるかを説明しましょう。
グルテンは、体内で消化されにくい物質です。消化されないと腸に異物として溜まってしまうため腸内環境に悪影響を及ぼす可能性があります。
腸内環境が悪くなってしまうと身体に様々な影響が出てくるといったメカニズムです。

腸活について詳しく知りたい方はこちらがおすすめです。
腸活とは?効果的なやり方を解説!腸内環境をチェックする診断も!美肌・ダイエット・便秘や花粉症対策に

影響として考えられるのが

  • かゆみ、ニキビ、発疹、湿疹、皮膚の赤みなどの肌トラブル
  • 腹痛や下痢、便秘などの消化器官のトラブル
  • 頭痛
  • 倦怠感

などです。
このグルテンによる影響は個人によって異なり、全ての人に当てはまるわけではありません。グルテンに対する過敏症や不耐性があるかどうかは個人の体質や状態によって異なるため、具体的な影響を評価するためには医師や専門家への相談が必要です。

グルテンフリーの効果

グルテンフリーとは、小麦に含まれるグルテンを極力摂取しないようにすることです。

もともとは、グルテンが体質に合わない人向けに生まれた食事療法ですが、近年は美容や健康のためにグルテンフリーを実践する人が増えてきています。

では、グルテンフリーの食生活には、一体どのような効果を期待できるのでしょうか?

摂取カロリーを抑えやすい

小麦粉をメインで使用した食品のなかには、パンやパスタ、ケーキやクッキーなど高カロリーのものが多くあります。また、パンやパスタを中心に献立を組み立てると、どうしても欧米的な食生活になりがちに。欧米的な食事は脂質が多く、カロリーが高い傾向がありますよね。

一方、お米を主食とした和食は低脂質で栄養バランスが良く、世界中から注目を集めているほどです。

グルテンを含むパンやパスタを食べる回数を減らし、和食中心の食生活を続けていけば、自然と摂取カロリーを抑えられるでしょう。

便秘が気になる人にも◎

グルテンは消化器官で分解されにくいという性質があり、その時々のお腹の調子や、体質によっては便秘につながる可能性があります。

ただし、グルテンによる体への影響は個人差が大きいため、一概に「グルテンフリー=便秘に効果的」とは言い切れません。食生活全般や運動習慣を見直し、それでも便秘が解消しない場合は、一度グルテンフリーな食生活を実践するとよいでしょう。

肌荒れの改善をサポート

便秘と肌荒れには、密接な関わりがあります。

グルテンフリーが体質に合えば、便秘とともに肌荒れの改善をサポートする効果も期待できるでしょう。

また、脂質の摂取量を無理なく抑えられるのもポイント。脂質の多い食生活を続けていると、皮脂の分泌が促され、肌荒れの原因になる可能性があります。パンやパスタを食する回数を減らし、和食を中心とした食生活を続けることで、美肌づくりに良い影響を期待できます。

グルテンフリーのデメリット

献立が限られる

グルテンフリー生活では、パンやパスタなど食べられないものがたくさんあります。つなぎにパン粉を使用しているハンバーグや、衣に小麦粉を使用している揚げ物もNGになってしまうので、献立のレパートリーが制限されがちです。

特に、これまで洋食中心の生活を送っていた人はストレスを感じてしまうかもしれません。

また、家での食事と同様、外食の選択肢も狭まってしまいます。家族や友達と食事に行く際は、あらかじめグルテンフリーのメニューがあるか確認しておくと安心です。

食物繊維が不足しやすい

小麦は食物繊維が豊富なため、グルテンを避けていると食物繊維が不足してしまう可能性があります。

野菜の摂取量を増やすなど、食物繊維を積極的に摂取しましょう。

グルテンフリー生活におすすめの食材

米・米粉

グルテンフリー生活中の主食は、お米が基本!和食の一汁三菜を基本として、バランスのよい献立を心がけましょう。

また、お米を細かく砕いた「米粉」は小麦粉の代わりになります。グルテンフリー生活では避けたいパンや麺も、米粉を代用すれば無理なく楽しめるでしょう。

十割そば

十割そばとはその名のとおり、「そば粉100%」のそば。つなぎとなる小麦粉を一切使用していないので、グルテンフリー生活でも安心して食べられます。

「グルテンフリー生活でも麺類が食べたい!」というときは、ぜひ十割そばを選んでください。

イモ類

お米に飽きたら、じゃがいもやさつまいも、里芋といったイモ類を主食にするのもおすすめです。

特に、さつまいもは皮ごと調理しやすく、食物繊維を手軽に摂取できます。干し芋や焼き芋は手軽なおやつにもなり、小腹が空いたときにぴったりです。

オートミール

オートミールの主原料は、燕麦(エンバク)と呼ばれるイネ科の植物。一見すると小麦の仲間のようですが、グルテンフリー生活中でも安心して食べられます。

ただし、加工過程によっては少量の小麦が混ざることもあるので注意が必要!というのも、オートミールを加工する工場では、小麦系の穀物を扱う場合も少なくないんです。

心配な場合は、「グルテンフリー」「オートミール100%」などの表示がある商品を選ぶとよいでしょう。

グルテンが含まれる食品

グルテンフリー生活では、以下の食品は極力避けましょう。

  • パン
  • パスタ
  • うどん
  • そば(十割そばではないもの)
  • ラーメン
  • 揚げ物
  • カレーやシチュー
  • 加工肉
  • ケーキ
  • クッキー

パンやケーキはもちろん、十割そば以外のそばやラーメンにも小麦粉が使用されています。

また、揚げ物に使われる天ぷら粉やパン粉にも小麦が含まれているため注意が必要です。

意外なところではハムやウインナーといった加工肉のつなぎに小麦粉が使われている場合もあります。

「結構食べられないものが多いな……」と感じた人も大丈夫!

最近は小麦を使用しないパンやパスタ、お菓子など、グルテンフリーの商品が手に入りやすくなっています。置き換え食品を活用しつつ、楽しみながらグルテンフリー生活を続けましょう。

パンやお菓子も!グルテンフリーのおすすめレシピ

基本の米粉食パン

「グルテンフリー生活中もパンが食べたい!」そんなときは、小麦粉の代わりに米粉を使ったパンがおすすめです。
スライスした状態で冷凍保存しておけば、食べたいときにすぐ食べられます。もっちり感のヒミツはタピオカ粉!タピオカ粉が手に入りにくい場合は、コーンスターチで代用できます。

【材料(一斤分)】
米粉 330g
タピオカ粉 40g
砂糖 20g
塩 小さじ1
ドライイースト 6g
ぬるま湯 300mL
オリーブオイル 20g

【作り方】

  1. 食パンの型にオーブンシートを敷いておきます。
  2. ボウルに米粉、タピオカ粉、砂糖、塩、ドライイーストを入れ、泡立て器で混ぜ合わせます。
  3. ボウルにぬるま湯とオリーブオイルを加えて、ゴムベラで混ぜます。粉っぽさがなくなってきたら、そこから約3分混ぜ合わせます。
  4. 食パンの型に生地を流します。ラップをかけて、空気が入らないようゴムでしっかり留めます。オーブンの発酵機能を使い、20分間発酵させます。夏場は発酵が進みやすいので、ぬるま湯の温度は低めがおすすめです。
  5. 生地が発酵したら、オーブンを160度に予熱します。
  6. 食パン型のフタをしたら、全体をアルミホイルで包みます。
  7. 160度のオーブンで30分焼き、その後、温度を200度に上げて約15~20分焼きます。
  8. 型からパンを外し、粗熱が取れたらスライスします。

米粉のかぼちゃグラタン

グルテンフリー中は気をつけたいグラタンも、米粉を使ったホワイトソースならOK!
同じ要領でホワイトソースをつくれば、ドリアもできます。

【材料(2人分)】

  • 鶏もも肉 160g
  • 玉ねぎ 100g
  • かぼちゃ 150g
  • 牛乳または豆乳 300mL
  • 米粉 大さじ2と1/2
  • 塩 小さじ1/8
  • オリーブオイル 大さじ1
  • 白ワイン 小さじ2
  • ピザ用チーズ 適量

【作り方】

  1. 玉ねぎは薄切りに、かぼちゃは一口サイズにカットします。
  2. 耐熱ボウルにかぼちゃを入れ、水大さじ1を加えてラップをして、600Wの電子レンジで4分加熱します。かぼちゃがまだ固い場合は、様子を見ながら加熱します。
  3. 鶏もも肉の筋を取り、白ワインと塩コショウ少々(分量外)を加えて混ぜます。
  4. 深めのフライパンでオリーブオイルを熱し、鶏もも肉を入れて中火で炒めます。
  5. 鶏もも肉に焼き色がついたら、玉ねぎと塩を加えてさらに炒めます。
  6. 玉ねぎが透き通ってきたら米粉を振り入れ、よく混ぜ合わせます。
  7. 牛乳または豆乳を少しずつ加えます。焦げないように気をつけながら混ぜ合わせて、ホワイトソースをつくります。
  8. コンロの火を止め、やわらかくなったかぼちゃを加えて混ぜ合わせます。
  9. グラタン皿に入れて、ピザ用チーズをのせてオーブントースターで焦げ目がつくまで焼きます。

きのことアスパラのガレット

おしゃれな朝食・昼食にぴったりなガレット。そば粉でできているから、グルテンフリー生活でも安心して食べられます。
今回はきのことアスパラを使用しましたが、具材はお好みでOK!生地のみ焼いてメープルシロップやジャムをかければ、おいしいデザートにもなります。

【材料(2人分)】

-ガレット生地-
そば粉 50g
塩 少々
水 75mL
牛乳 50mL
タマゴ 1個

-具材-
エリンギ 1本
しめじ 1/2房
アスパラ 2本
オリーブオイル 大さじ1
塩コショウ 少々
タマゴ 2個
ピザ用チーズ 適量

【作り方】

  1. 水と牛乳、タマゴを混ぜ合わせておきます。
  2. ボウルにそば粉と塩を入れ、1を少しずつ加えながら泡立て器でダマがなくなるまでしっかり混ぜ合わせます。
  3. ボウルにラップをして、冷蔵庫で1時間以上休ませます。
  4. エリンギ、しめじ、アスパラを食べやすい大きさに切ります。
  5. フライパンにオリーブオイルを熱し、具材を炒めます。火が通ったら塩コショウを加え、皿に移しておきます。
  6. 冷蔵庫から生地の入ったボウルを取り出し、泡立て器でよく混ぜます。
  7. キレイにしたフライパンを中火にかけ、オリーブオイル(分量外)を全体に薄く伸ばします。
  8. お玉1杯分の生地を流し、クレープのように丸く、薄く伸ばします。
  9. コンロを弱火にして、真ん中に具材の半量を入れます。真ん中にくぼみをつくって、タマゴを1個割り入れます。適量のピザ用チーズをのせます。
  10. 生地のフチが焼けてきたら、フライ返しで4辺を内側に折りたたみます。フライパンにフタをして、タマゴが半熟になるまで約3分焼きます。
  11. フライ返しでガレットの下を支え、スライドさせるように皿に移します。

米粉のタコス

ホームパーティにぴったりなタコス。本場のタコスはとうもろこし粉を使用しているため、もともとグルテンフリーですが、日本では小麦粉を使用したトルティーヤが主流です。
でも大丈夫!小麦粉の代わりに米粉を使ったタコスなら、グルテンフリー中も安心して楽しめます。ちなみに片栗粉の原料はじゃがいものデンプンなので、グルテンが含まれる心配はありません。

【材料】

  • 米粉 80g
  • 片栗粉 20g
  • 塩 少々
  • サラダ油 大さじ1
  • 水 約60mL
  • ターメリックまたはカレー粉 小さじ1
  • タコスの具材 お好みで

【作り方】

  1. ボウルに米粉、片栗粉、ターメリックまたはカレー粉、塩少々を入れて混ぜます。
  2. ボウルにサラダ油を加え、水を少しずつ加えながら混ぜ合わせます。粉っぽさがなくなるよう、水の量は適宜調整してください。
  3. 生地がまとまってきたら手でこねて、ラップをして冷蔵庫で10分ほど休ませます。
  4. まな板や台に打ち粉(分量外)をします。打ち粉は通常小麦粉を使用することが多いですが、片栗粉やコーンスターチでも代用できます。
  5. 生地を少量ずつ丸めて、ラップを敷いた上から麺棒を使って薄く伸ばしていきます。
  6. 丸型の容器やカップのうちなどを使い、生地を丸くくり抜きます。
  7. フライパンにサラダ油(分量外)を熱し、両面こんがりするまで生地を焼きます。
  8. 生地の粗熱が取れたら、お好みの具材(レタス、タコスミート、アボカド、チーズなど)を挟みます。

オートミールクッキー

グルテンフリー生活のおやつは、ザクザク食感が楽しいオートミールクッキーがおすすめ!
材料を混ぜて焼くだけでOKなので、料理が苦手な人もぜひチャレンジしてください。

【材料】

  • オートミール 100g
  • 製菓用米粉  30g
  • 塩      少々
  • 植物油    30g
  • メープルシロップ 50g

【作り方】

  1. オーブンを170度に予熱しておきます。
  2. ボウルに植物油、メープルシロップ、塩少々を加え、泡立て器で混ぜます。
  3. ボウルにオートミールと製菓用の米粉を加え、よく混ぜ合わせます。
  4. 天板にクッキングシートを敷き、3の生地を適量ずつのせていきます。指やスプーンで生地を軽く押し、薄く伸ばします。
  5. オーブンで15分焼きます。

米粉のバナナ蒸しパン

おやつや朝食にぴったり!小麦粉の代わりに米粉を使った蒸しパンです。
熟したバナナの自然な甘みで、砂糖なしでもおいしくいただけます。
くるみやレーズンを加えたり、バナナの代わりにすりおろしたにんじんを加えたり、お好みのアレンジを楽しんでください♪

【材料(2人分)】

  • 米粉 50g
  • ベーキングパウダー 小さじ1/2
  • 水 50ml
  • 熟したバナナ 80g
  • 砂糖 大さじ1

【作り方】

  1. 熟したバナナをボウルに入れ、フォークで潰します。
  2. 米粉とベーキングパウダー、水を加えてよく混ぜ合わせます。
  3. お好みの形の耐熱容器に生地を入れます。※生地がくっつくのが気になる場合は、容器にラップを敷きましょう
  4. ラップをせず、600Wの電子レンジで3分加熱します。
  5. 粗熱が取れたら容器から取り出し、必要に応じて切り分けます。

豆腐の焼きドーナッツ

高カロリーなイメージのあるドーナッツも、揚げない&豆腐を使えばヘルシーに!
生地にきな粉や抹茶パウダーを入れたり、レーズンやチョコチップを加えたりするのもおすすめです。

【材料(約5個分)】

  • 絹豆腐 100g
  • 米粉 80g
  • ベーキングパウダー 4g
  • タマゴ 1個
  • 砂糖 20g
  • サラダ油 5g
  • 塩 少々

【作り方】

  1. オーブンを180度に予熱しておきます。
  2. ボウルに絹豆腐、タマゴ、砂糖、サラダ油、塩少々を入れてよく混ぜます。
  3. ボウルに米粉とベーキングパウダーを加えて混ぜ合わせます。
  4. シリコン製のドーナツ型へ生地を流し入れます。空気を抜くために、台に数回たたきつけます。
  5. オーブンで15分焼きます。

まとめ

グルテンフリー生活は、

  • 摂取カロリーを抑えやすい
  • 便秘が気になる人にもおすすめ
  • 肌荒れの改善をサポートする

このように美容や健康にうれしいさまざまな効果を期待できます。ただし、NG食品が多いことで献立が制限されてしまうというデメリットも。食物繊維も不足しやすいので、栄養バランスに気をつけながら、無理のない範囲で実践しましょう。

「パンやパスタを我慢するなんて無理!」という人は、グルテンフリーのパンやパスタを活用するのがおすすめです。今回ご紹介したレシピも参考に、おいしく楽しくグルテンフリー生活を続けてくださいね。

お肌に関連するおすすめ記事はこちら