大気が乾燥してくる秋冬は、一年のなかでも特に乾燥肌が気になる季節ではないでしょうか?

乾燥対策というとスキンケアによる「保湿」があげられますが、実は何気ない生活習慣や食事内容の見直しも大切なんです!

そこで今回は、気になる乾燥肌の原因とその改善策について解説します。

乾燥肌の人へおすすめしたい秋冬の食材と食事法も紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね!

あなたは乾燥肌?セルフ肌診断をしてみよう

乾燥肌はドライスキンとも呼ばれており、肌の皮脂や水分が不足してうるおいがなくなっている状態を指します。お風呂や洗顔のあとに肌がつっぱる・化粧ノリが悪くなったなと感じたら、それは肌が乾燥しているサインかもしれません! では、具体的にどのような状態を乾燥肌と呼ぶのでしょうか。まずは乾燥肌のチェックリストで、セルフ肌診断をしてみましょう!

  1. 目元・口元にしわ感がある
  2. 顔から白い粉が吹いているように見える
  3. ファンデーションのノリが悪い
  4. 肌に透明感やハリが感じられない
  5. 化粧をするとかゆい

これらの症状は、主に肌の水分不足が原因で生じます。1つでもチェックがついたらあなたの肌は乾燥している可能性があるでしょう。

些細な刺激にも敏感になってしまうため、化粧の際に痒みを感じた場合は乾燥肌が原因かもしれません。

乾燥肌になる原因はバリア機能の低下?改善策とは

乾燥肌の主な原因として、肌の「バリア機能」低下が考えられます。

私たちの皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3構成でできています。バリア機能とは、皮膚表面の角質層に備わっている肌の保護的役割を担っている機能です。

主な機能は大気の汚れや埃、ウィルスなどの外的刺激から肌を守ること、そして皮膚内側の水分が外に逃げるのを防ぐことの2つ。そのため、バリア機能が低下すると、水分が逃げて乾燥肌になりやすくなります。

肌にとって非常に大切なバリア機能。この機能を低下させる原因として考えられるのが生活習慣の乱れなのですね。

不規則な睡眠や偏った食事をしていると、就寝中に分泌する成長ホルモンが正しく分泌されず、約1カ月ごとにある肌の新陳代謝のサイクル「ターンオーバー」が滞ります。

また、睡眠中の成長ホルモンには肌の水分を保つ働きもあるため、規則正しい生活やバランスのよい食事が大切です。

このほかには、紫外線によるダメージや間違ったスキンケアも要因として考えられます。紫外線は肌の水分を奪い、肌の奥まで浸透して若い細胞を傷つけるのです。

また、汗をいっぱいかくと肌表面にあるpHバランスが崩れます。pHとは「水素イオン濃度指数」のことで、pHが低いと肌は酸性に傾き、高いと肌がアルカリ性に傾くのです。

このpHバランスが崩れると、乾燥肌やニキビなどの炎症を起こす原因になり、バリア機能の低下にも影響を及ぼします。こうした肌トラブルを防ぐためにもマメな保湿ケアが大切なのですね!

つまり、バリア機能の低下による乾燥肌の対策としては

  1. 規則正しい生活
  2. バランスのよい食事
  3. 紫外線への対策
  4. 正しいスキンケア
  5. マメな保湿ケア

が大切です!しかし、誤ったスキンケアをしてしまうと、反対にバリア機能の低下を促してしまう可能性も…。適切なケアを行うことが大切です! 後ほど、正しいスキンケア方法も解説しますので、参考にしてくださいね。

乾燥肌改善におすすめの食べ物!

乾燥肌を防ぎ、美肌を維持するにはバランスのよい食生活や睡眠が欠かせません。ここでは、乾燥肌改善の食事法とおすすめ秋冬食材を3つ紹介します。

発酵食品や食物繊維を摂る

オススメ食材02

腸内環境を整えることは、乾燥肌改善にとって非常に大切なこと。腸内環境を整える働きを持つ、乳酸菌や善玉菌を多く含む発酵食品を積極的に摂りましょう!善玉菌を効果的に増やすため、善玉菌の栄養源になるオリゴ糖や腸内環境を整える食物繊維と一緒に食べるのがおすすめですよ。

おすすめ秋冬食材

  • きのこ類
  • ごぼう
  • さつまいも

旬を迎えるきのこはマリネにすると食べやすく、液みそやヨーグルトを調味料に使用すると発酵食品を一緒に摂ることができます。ごぼうやさつまいもはスープや、チーズやキムチを和えたサラダにするのがおすすめです!

ビタミンB2・B6が豊富な食材を摂る

オススメ食材

肌のターンオーバーが乱れることで起こりがちな乾燥肌は、ビタミンB2やビタミンB6などを含む食材を摂りましょう!レバーや豚肉に多いビタミンB2やビタミンB6は、ターンオーバーを正常に保つ働きが期待できます。

おすすめ秋冬食材

  • カツオ
  • サンマ

カツオは生で食べる場合、カルパッチョやごま油で韓国風たたきにすると飽きが来ず食べられます。シンプルな焼き魚が美味しいサンマですが、秋冬野菜であるきのこ類と合わせたホイル焼きもおすすめ。ポン酢やレモンのさっぱりとした味付けが食欲をそそるでしょう!

タンパク質を摂る

たまご

タンパク質はターンオーバーを活発にする働きがあり、また肌の弾力を維持するコラーゲンのもととなるため、乾燥肌改善には欠かせません!⑩朝に摂取すると夜の睡眠の質がよくなるといわれています。

特に卵は、完全栄養食と呼ばれるほど栄養バランスに長けており、タンパク質も多く含まれています。しかし卵には、ビタミンCと食物繊維の含有量がゼロという欠点も…。そこを補ってくれるのが秋冬食材の「ブロッコリー」「白菜」!ぜひセットで食べましょう。

おすすめ秋冬食材

  • ブロッコリー
  • 白菜

ブロッコリーは、100gあたり食物繊維が4.3g・ビタミンCは55mg含まれています。

白菜は生と茹でた状態で成分の含有量が変わります。生の白菜は100gあたり食物繊維が1.3g・ビタミンCは19mgで、茹でると100gあたり食物繊維が1.4g・ビタミンCは10mgです。

白菜の栄養素はブロッコリーに比べると少ないものの、約95%が水分でできているので一度にたくさん食べられるのが魅力ですよ。ブロッコリーとゆで卵のサラダやブロッコリーと卵の中華炒め、白菜は卵とじや、溶いた卵の入った白菜スープなどにして食べましょう!

完全栄養食を生活の一部に取り入れて健康で美しくなろう!

乾燥肌の人必見!おすすめスキンケア

乾燥肌を改善するためには、スキンケアの見直しも大切です。正しいスキンケアを行い、美肌を目指しましょう!

まず乾燥肌は、刺激に敏感な状態のため洗浄力が高いクレンジングは避けましょう。肌への負担が大きいオイルクレンジングや洗い流さない拭き取りシートは避け、ミルクタイプやクリームタイプのクレンジングを使ってくださいね。

また、すすぎ残しがあると、雑菌の繁殖や毛穴の詰まりの原因にもなるので注意が必要です!乾燥肌以外にもニキビや毛穴のトラブルを引き起こすため、ぬるま湯で丁寧に洗い流しましょう。ダブルクレンジングが必要なタイプは、必ずクレンジング後に洗顔を行います。

洗顔は、肌に摩擦を与えずやさしく洗うのが基本です。洗顔料をしっかり泡立てて、肌の上で泡をそっと転がすように洗いましょう。また、お湯の温度が高すぎると肌に必要な皮脂も洗い流してしまうため、34~37℃のぬるま湯がベストです。

乾燥肌の場合、化粧品を使用して痒みを感じる人もいるでしょう。その場合は、化粧品の裏面に書かれた全成分表示を確認し、エタノールフリーのアイテムを選んでくださいね。

なお、スキンケアは年齢に適した内容で行うことも大切です!一般的に肌への刺激に弱くなるのが30代、保水量の低下が40代、ターンオーバーが遅くなるのが50代といわれているため、年齢に適したスキンケアは必須なのです。

例えば、30代からは肌に負担の少ない化粧品を選び、40代ではオイルを使った保湿アイテムをプラス。50代ではサプリメントや栄養ドリンクなどを摂取するといった方法があります。

肌の状態は年代ごとに異なるため、定期的にスキンケアの見直しを行いましょう!

乾燥肌の治し方を実践して、悩み知らずの肌を目指そう!

偏った食事や不規則な睡眠は乾燥肌の大敵です!生活上どうしても不規則になってしまう場合は、バランスのよい食事を心掛けましょう。

正しいクレンジングやスキンケア、使用するアイテムによっても乾燥肌を防ぐことが期待できます。化粧品は20代、30代、40代と年代ごとに見合ったものへシフトチェンジしていくのがおすすめですよ。

今回紹介したさまざまな改善策を実践し、乾燥肌からトラブル知らずのハリ・ツヤ美肌を目指しましょう!

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監修

さいとう
さいとう
大学院修士課程修了後、化粧品会社で主に化粧品の薬事、品質保証、エビデンス取得の仕事をしてきました。 現在はその経験を活かしながら、食品、化粧品介入による肌改善評価試験に携わっています。