世界では食のトレンドとして広がりを見せているプラントベースフード。日本でもファストフード店や焼肉チェーンでプラントベースフードのメニューが登場するなど、話題になってきていますよね!
しかし、なぜプラントベースフードが広がってきているのかを知っていますか?
プラントベースフードを取り入れることにより、地球環境問題の改善に貢献できるといわれているからです。加えて、環境だけでなく健康にも良いとされています。
そこで今回は、プラントベースフードの基準や、世界や日本における意識、環境や健康に良いとされる理由を解説します。
プラントベースフードってどんなもの?
プラントベースとは「植物由来」という意味を持ち、植物由来の食品を「プラントベースフード」と呼びます。
例えばチーズであれば、乳製品ではなく植物であるカシューナッツ等から作られていたり、お肉も動物ではなく大豆から作られていたりなど、動物性ではなく植物性のものから作られる食品です。
ひと昔前は、見た目だけ似せていて味のクオリティが低いものが多く「肉を食べないと決めた人が選ぶ食材」というイメージだったかもしれません。
しかし現在は、見た目はもちろん味のクオリティも食べ応えも抜群なものが増えていて「プラントベースの方が好き」なんて人もいるくらいなんです!
ただし、プラントベースフードとして販売されていても、メインの食材がプラントベースの食材で、加工する段階で卵などが使用されているものもあります。そのため、動物性食品を摂らない人向けの食品でないものもプラントベースフードに含まれます。
例えば、プラントベースミートを使用したナゲット。ナゲットの肉部分はプラントベースですが、ナゲットにする段階で衣に卵が使用されていることがあるんです。
なので、少し似ていますが、プラントベースフードはイスラム教の教えに沿った「ハラルフード」や、はちみつや魚を含む動物性全てを排除した「ヴィーガンフード」とは全く違うものです。
プラントベースのナゲット等を販売しているグリーンズベジタリアン↓
https://greens-vegetarian.com/html/page123.html
海外と日本、プラントベースフードの浸透度はどのくらい違う?
海外と日本でのプラントベースフードの浸透度はまだ少し差があるようです。
海外では、コロナ禍で消費者の健康志向が高まったことに加え、環境問題に対する意識の変化によって、ここ数年でプラントベースへの認知度はさらに上がってきています。
なかでも、大豆などを代替してつくったプラントベースミートは、精肉売り場で普通に販売されているなど、すでに市民権を得た食材といえます。
もともと、動物性のものを口にしないベジタリアンやヴィーガンが多い傾向にある海外では、私たちがお肉の部位を選べるように植物性か動物性かを選べる文化が根付きやすいのかもしれませんね。
一方日本ではプラントベースフードが当たり前になるにはまだ先のようですが、徐々に身近なものになってきています。
例えば、豆乳は代表的なプラントベースフードですが、最近ではアーモンドミルクやオーツミルクもスーパーの牛乳売り場で目にする機会が増えてきました。コーヒーショップでラテのミルクをソイミルクやアーモンドミルクに変更する人もいますよね!
さらにコンビニでも大豆ミートを使ったお弁当やレトルトなどが販売されるなど、専門店や海外発祥のレストランに行かなくても、プラントベースフードを選択できる場所は日本でも増えてきているんです。
このような傾向から、日本でもプラントベースフードの関心が高まっていて、今後もさらなるひろがりを見せると思われます!
環境に良いプラントベースフード
最近では、SDGs(持続可能な開発目標)への関心が高まり、環境問題を意識する人が増えています。
プラスチックごみを減らすために、ストローの使用を控えたり、エコバッグを持ち歩いたりしている人も増えてきましたよね!
プラントベースフードも、環境保護に役立つとされていますが、なぜ環境に良いといわれているのでしょうか。その理由を見ていきましょう。
メタンガスなど温室効果ガス排出の抑制
プラントベースフードに切り替えることで、メタンガスなどの温室効果ガス排出を抑制できるといわれています。
なぜなら、日本の農林水産分野における温室効果ガスの排出量の約30%は、牛のゲップや排せつ物から出るメタンガスや一酸化二窒素なのです。
特にメタンガスは、二酸化炭素の次に、地球の温暖化を促進させる原因ともいわれているんです。
そのため、プラントベースフードという選択は家畜の飼育数を減らし、排出されるメタンガスを減らすことにつながります。
メタンガスの排出が減れば、温暖化を防ぐことにもつながるということですね!
水資源の節約
プラントベースフードは水資源の節約になるといわれています。その理由は、畜産動物を飼育するのに比べ、植物を栽培するのに使う水の量ははるかに少なくてすむからです。
畜産動物を飼育するためには、動物が誕生してから食肉として出荷されるまでの年月の間に、大量の水を使用します。畜産動物に与える飲み水だけでなく、動物が食べるえさを育てるための水やりも必要となるでしょう。
世界では気候変動による干ばつや水不足などの問題が深刻化しています。そういった問題を解決するためにも、水資源の節約は重要課題なのですね。
私たちがプラントベースを取り入れることで、間接的に水資源の節約に貢献できます!
未来に起こりうる食糧危機の解決策
プラントベースフードが未来に起こりうる食糧危機の解決策になるといわれています。
世界の人口は増え続けており、国連のデータによると2050年には97億人に達すると予想されています。そうなると、当然ながら食糧を増やさなければなりませんね…。
肉類の供給を増やすとなると、今以上に土地や水資源が必要となるでしょう。
しかし、温暖化による気候変動の影響で、自然災害や干ばつが多発し、農作物の不作によって、将来的に食糧危機に陥る可能性があると考えられています。
ですから、肉類に頼らず、植物性食品にシフトすることで、少ない土地や水資源で農作物を生産でき、食糧危機の解決策につながります。
プラントベースフードは持続可能な「食」ということですね!
実は健康にも良いプラントベースフード!
プラントベースフードは環境だけでなく、健康にも良いといわれています。実際、プラントベースフードは脂質の摂り過ぎを防げると、健康や美容を目的として選ぶ人も多いようです。
例えば、肉類は脂身も多くカロリーが高くなりがちですが、植物由来の大豆ミートなら低カロリーで低脂質。植物性タンパク質に加え、ビタミンやミネラルも豊富に含まれているんです!
しっかりとした旨味や食べ応えもあるため、あっさり味ばかりになりがちなダイエット食へのストレスも少なくすむのが嬉しいポイントです。
自分にも環境にもやさしくできるプラントベースフードを日常にプラス!
動物性の食品を食べない選択をすることによって、温室効果ガスの排出抑制や、水資源の節約、食糧危機の解決策など、さまざまな環境問題の改善につながることも驚きでしたね。
プラントベースフードには基準はあれどヴィーガニズムやベジタリアニズムのようなルールはないため、誰でも取り入れやすい手軽さがあります。
動物性食品を一切食べないわけではなく、あくまで「植物由来の食品や食材を多く摂る」という「ユルさ」も継続のポイントですよ!
現在、毎週月曜日だけ動物性の食べ物を摂らない「ミートフリーマンデー」という取り組みがあります。「みんなで1週間のうちに月曜日はお肉を食べない選択をして、地球環境問題を考え、改善する」という取り組みです。
月曜日に固定しなくても、1週間に1度でも良いでしょう。一人一人が行動に移すことに意味があります。
プラントベース食材には調理済みの冷凍食品もあるので、調理の手間を省きたい日はプラントベースフードの日にしてみるなどから始めてみてもいいかもしれませんね!
私たちのちょっとした選択が、SDGsの目標達成に貢献できるのは、嬉しいものです。
ぜひ、自分にも環境にも優しいプラントベースフードを食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?
次回はプラントベースフードの健康面への効果について、より詳しく紹介していきます!お楽しみに!