「ここ1年ほどで体重が増えた」
「昼間は仕事で、夕方は育児。運動をする暇がないので食事制限でやせたい」
このような方には、鍋がおすすめです。
鍋は具材を選べば、栄養価も高く太りにくいメニューだからです。
そこで今回は、ダイエットにも適している「やせる鍋」について、食材やレシピとともに紹介します。
鍋がやせる理由とは?
まずは、鍋を食べることでなぜ、やせるのかの理由を説明していきたいと思います。
バランスよく栄養を摂ることができるから
鍋は魚や肉などとともに野菜も多く取れるので、栄養のバランスが整った食事といえます。
肉・魚・野菜はビタミンBが豊富です。
豚肉やぶりなどに含まれるビタミンB1には、活動のエネルギー源となる糖質の代謝をサポートする役割があります。
鮭などに含まれるビタミンB2には、脂分の多い食事を取ったときに体にたまってしまう脂質をエネルギーに変換して脂肪をためこまないようにする役割が。
鶏のむね肉やきのこ類に含まれるビタミンB6には、食べたものを筋肉に変換して、「やせ体質」にしてくれる役割がそれぞれあります。
代謝をアップする効果があるから
鍋は、代謝アップの効果も期待できます。
温かい鍋を食べることにより体の内部から温まり、血流がよくなるからです。
血流が良くなると、夜眠っている間にも働いてくれるエネルギー量である基礎代謝が上がり脂肪が燃えやすくなります。
そのため、鍋は「ダイエットに適した食事」といえるのです。
また、体を温めることは、冷え性や血行不良に悩まされている方にもメリットが。
代謝がよくなることで肌のサイクル「ターンオーバー機能」が正常に働き、乾燥を防いだりすべすべ肌にしたりする効果も期待できるからです。
食物繊維が便秘解消になるから
鍋の食材で使われる野菜・きのこ類・しらたきなどの食物繊維を取ることで、便秘が改善して「やせ体質」になれます。
便秘で腸内に「悪玉菌」が増えると脂肪分がたまることになりますが、食物繊維を取ることで腸の働きがよくなり、便として悪玉菌を外に出してくれるからです。
食物繊維には、「高血圧」「糖尿病」などの生活習慣病を予防する効果もあります。
また、食べるだけでなくスープとして飲めば効率的に腸内の善玉菌を増やすことも可能です。
ただし、鍋のしめとしてご飯やラーメンを取ると、食べ過ぎの原因になるので注意しましょう。
やせる鍋、11の具材
「鍋がやせる理由はわかったけど、実際に鍋に入れる具材はなにがいいの?」
ここでは、そのような疑問に答えるために代表的な11の具材を紹介します。
①しいたけ
しいたけには、ダイエット効果が見込まれます。
なぜかというと、しいたけに含まれるエリタデンに、血液中のコレステロール値を低下させて、体内に脂肪がたまるのを防ぐ働きがあるからです。
また、代謝が向上して太りにくい体質になるばかりか、血圧を下げる効果も期待できるので、高血圧の予防にも。
新鮮なしいたけの選び方は、肉厚で丸みを帯びていて、ひだが白くて張りがあるものです。
②エリンギ
エリンギは食物繊維が豊富で脂肪の吸収抑制・便秘解消効果があるきのこ類です。
人間の小腸で中性脂肪が吸収されることを抑えたり、腸内に便を押し出す運動を促したりする効果があります。
ちなみにエリンギの食物繊維は、サツマイモの倍の含有量です。
具体的には、皮付きサツマイモが100gあたり2.2gなのに対して、エリンギは3.4gあります。
エリンギは上部のかさが薄い茶色で、軸に弾力があり白くて太いものが新鮮です。
③ほうれん草や春菊
ほうれん草にはレプチンと呼ばれる肥満を防ぐホルモンが含まれているため、やせる食材です。
ビタミンと鉄分も豊富なので、代謝をよくして体内に取り込まれた脂分を調節してくれます。
また春菊には、コレステロール値を下げる天然色素・クロロフィルが含まれており、取ることにより太りにくい体質になることが期待できます。
体をさび付かせないようにする働きや、体を酸化から防ぐ働きもあるので、老化防止の手助けも。
ほうれん草は、葉に厚みがありピンと張っていて濃い緑色のものが新鮮です。また、根元に葉が集まっていて量が多いものがベストです。
春菊は全体的にみずみずしく、鮮やかで濃い緑色のものが新鮮です。
④だいこん
だいこんに含まれるイソチオシアネートには、体の新陳代謝を高めて老廃物を外に排出する効果が期待できます。
また、中性脂肪を分解してくれるリパーゼや、たんぱく質を分解するプロチアーゼという消化酵素が多く含まれています。
そのため、ダイエットにも効果があるといえるのです。
だいこんは、ハリとツヤがあってまっすぐと伸びて太いものが新鮮。
持ったときの重さも重要で、ずっしりとして重いものは水分が豊富でみずみずしい証拠ですよ。
⑤白菜
白菜は全体の約95%が水分のためカロリーが低く、食物繊維も豊富です。
そのため、ダイエットや便秘解消に適しています。
また、ビタミンCも豊富に含まれていることから、肌のしわやシミを防いだり、免疫力を高めたりして風邪を予防する効果も期待できます。
押すと弾力があって上部まで葉っぱがすき間なく詰まっているものや、下の部分の切り口が、白くて新鮮なものがよい白菜です。
⑥トマト
トマトには、水溶性食物繊維ペクチンが豊富に含まれています。
ペクチンは血液中のコレステロール値を抑えたり、便秘がちのお腹を整えて便の通りをよくしたりするので、ダイエット効果が見込めます。
また、トマトに含まれるリコピンには血流をよくする作用があり、体のむくみを取り除いてくれるので、体や足のむくみに悩んでいる女性には最適ですね。
新鮮なトマトの選び方のポイントは、色。
真っ赤に熟しているものは、栄養価が高い証拠です。皮は色にムラがなくハリ・ツヤがあるものを選ぶとよいでしょう。
⑦鶏肉
鶏肉は、高たんぱく質・低カロリーな食品です。
筋肉をつくる材料となるので、無駄な脂肪分を減らして、引き締まった体型をつくることができます。
部位ごとに見ると、ささみはたんぱく質が23gで105kcal。皮なしむね肉は、たんぱく質18.8gで116kcal、皮なしのもも肉はたんぱく質19gで127kcalです。
鍋の材料に使うならば、ささみや皮なしむね肉、皮なしもも肉を取りたいところですね。
ちなみに、鶏むね肉やささみには、ストレスを和らげる幸せホルモン「セロトニン」を生み出すアミノ酸のトリプトファンが豊富に含まれているため、精神を安定させたり不眠を解消したりする役割も期待できます。
鶏肉の見分け方としては、ややピンク色の肌色で透き通ったものが新鮮です。弾力を感じられるものほど、いい鶏肉ですよ。
⑧豚肉
豚肉、特に赤身肉には脂肪を燃焼しやすくするL-カルニチンと呼ばれるアミノ酸の一種が含まれています。
ビタミンB1も豊富です。ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える働きがあるので、食べてから運動をすればカロリーを消費してダイエット効果が見込めるでしょう。
新鮮な豚肉の見分け方は、少し灰色がかった淡いピンク色で、ツヤと粘りがあります。切り口はなめらかなものを選ぶといいでしょう。
⑨鮭
鮭は、EPA(エイコサペンタエン酸)が豊富です。
EPAにはGLP-1という名のホルモンが含まれていて、基礎代謝アップ・食欲抑制・脂肪分の分解を促す役割があります。
そのことにより、満腹感が長続きしたり、血糖値が上昇したりするのを抑えて、無駄な脂肪が付くのを防いでくれたりするんですよ。
ちなみにGLP-1には、「やせホルモン」という名前もついています。
また、EPAには記憶力や思考力の低下を抑える働きもあることから、老化防止も期待できます。
おいしい鮭の選び方は、脂がのっていて鮮やかな色味があるもの。さらに、背中の銀の部分と身の間に白い筋が入っているものは新鮮な証拠です。
⑩タラ
白身魚であるタラには、たんぱく質を分解する役目を持つタウリンが豊富に含まれています。
コレステロールを減らして太りにくくなる効果が期待できる物質です。
老化を防止する抗酸化物質の一種・グルタチオンも含まれているため、美容の点でも適しているといえるでしょう。
タラは身が張っていて透明感があり、真っ白でなくややピンクな色味のものが鮮度がよいとされています。
⑪牡蠣
タラと同様、牡蠣にもタウリンが豊富に含まれているので、コレステロール値を抑えて太りにくくする効果が見込めます。
シミ防止やしっとりすべすべ肌になる成分も含まれているため、女性の美容には強い味方です。
新鮮な牡蠣の見分け方ですが、殻なしの場合、身がふっくらとしていて、やや薄く黄色みがかったもの。貝柱が大きく透明のものが新鮮です。
やせる鍋おすすめレシピ5選
①鮭と豆乳の鍋
鮭と野菜に豆乳を加えてつくるざっくり鍋です。
カロリー:370kcal
【材料:2人前】
- 生鮭(切り身) 2切れ
- 無調整豆乳 カップ2と1/2
- コンソメ(顆粒タイプ) 大さじ1
- バター 10g
- 塩・胡椒 少々
- (野菜)
- しめじ 1パック(100g)
- 玉ねぎ 1個
- にんじん 1本
- 水菜 1/2把
- コーン 60g
【調理手順】
- 生鮭にコンソメを均等にふりかけてバターを加える。
- しめじの石づきを除いてほぐす。
- 玉ねぎを薄切りにする。(厚さ約7mm)
- にんじんの皮をむき、半円形に切る。(厚さ約3mm)
- 水菜を切る(厚さ約5㎝)
- コーンの汁気を切る
- 鍋に野菜(しめじ・玉ねぎ・にんじん・水菜・コーン)と生鮭を豆乳とともに入れ、強火で煮る。
- 沸騰したら弱火にし、アクを取りながら約10分煮る。
- 塩・胡椒で味を調えたら、できあがり。
②タラと野菜の鍋
タラとだいこんなどの野菜を入れてつくる鍋です。
カロリー:325kcal
【材料:2人前】
- タラの切り身(骨なし) 2切れ
- だいこん 10㎝
- にんじん 1本
- ねぎ 1本
- 水菜 1/2束
- 水 5カップ
- かつおだし 小さじ1
- 昆布だし 小さじ1
(調味料など)
- A.酒 大さじ2
- A.みりん 大さじ2
- A.しょうゆ 大さじ2
- A.塩 少々
【調理手順】
- だいこんとにんじんの皮をむき、縦長の細切りにする。
- ねぎを3cmの長さに切る
- 豆腐を横半分に切り、縦3等分にする。
- タラを3等分に切る。
- 鍋に水とかつおだし・昆布だしを入れて混ぜる。
- 5を中火にかけて煮て、Aを加えて混ぜる。
- 煮立ったら、たらと2のねぎと3の豆腐、4のタラを加えてふたをして約5分煮る。
- だいこん・にんじんを加えて、再びふたをして約1〜2分煮る。
- ふたを取り、水菜を加えてさっと煮てできあがり。
③トマトときのこの鍋
ペクチンが豊富なトマトとエリンギ・しめじ・えのきなどのきのこ類をあわせた鍋です。
カロリー:490kcal
【材料:3~4人前】
- トマト水煮缶詰 1缶
- トマト 中1個
- エリンギ 1パック
- しめじ 1パック
- えのき 1袋
- 薄切り豚肉 300g
- キャベツ 1/2個
- にんじん 1/2本
- 玉ねぎ 1/2個
【調理手順】
- 野菜、きのこを食べやすいサイズにカットする。
- 豚肉を食べやすいサイズにカットする。
- 鍋にトマト水煮缶を入れて沸騰させる。
- 豚肉→きのこ類→キャベツ→玉ねぎ→にんじんの順に火の通りやすい具材から鍋に入れて煮る。
- 火が通ったらできあがり。
④ヘルシー鶏むね肉鍋
脂肪分が少ない鶏むね肉を、たっぷりの野菜とともにいただく鍋です。
カロリー:244kcal
【材料:2人前】
- 鶏むね肉 1枚
- まいたけ 100g
- にんじん 1/2本
- レタス 1/2個
- もやし 100g
- 青ねぎ 1本
- 乾燥春雨 20g
- 水 800~1000ml
(調味料)
- A.鶏ガラスープ(細粒タイプ) 大さじ2
- A.酒 大さじ2
【調理手順】
- にんじんを短冊切りにし、青ねぎを5cmの長さの斜め切りにする。
- レタスを食べやすい大きさに手でちぎる。
- モヤシを洗い、水気を切る。
- 春雨に火を通し、取り出して食べやすい長さに切る。
- 鶏むね肉を縦半分に切り、約7〜8mmの厚さのそぎ切りにする。
- 鍋に水を入れて、沸騰したらAを加える。
- 1〜5の具材をすべて入れ、火が通ったらできあがり。(好みで柚子胡椒を入れても可)
⑤白菜と牡蠣の鍋
食物繊維が豊富な白菜を牡蠣やしいたけとともに煮てつくる鍋です。
カロリー:86kcal
【材料:2人前】
- 白菜 7枚
- 牡蠣(むき身) 200g
- しいたけ 4枚
- にんじん 2/3本
- 長ネギ 1本
- ニラ 1束
(調味料)
- A.水 4カップ
- A.鶏からスープの素 大さじ2と1/2
【調理手順】
- 牡蠣をざるに入れて塩を少々振る。
- 1をボウルに入れかえて、水を3回ほど取り替えながら振り洗いする。
- 白菜と芯と葉に分けて、芯を4cm幅のそぎ切り、葉を4cm幅に切る。
- しいたけを2等分のそぎ切りにする。
- にんじんを大きめの短冊切りにする。
- 長ネギを3mm幅の斜め切りにする。
- ニラを5cmの長さに切る。
- 鍋にAを入れて火にかける。
- 8が煮立ったら、白菜の芯→にんじん→長ネギ→しいたけ→白菜の葉→牡蠣の順に入れて煮る。
- すべての具材に火が通ったら、7のニラを加えてさっと煮てできあがり。
鍋を食べるときの注意点
やせる効果を高める食材やレシピなどにを取り上げましたが、ここではダイエットで鍋を食べる際の注意点を紹介します。
鍋を食べるときの注意点
①脂身の多い肉は避ける | 豚肉はバラ肉を避ける。鶏肉はももよりむね肉。(使うときは皮を切る) |
②塩分に気をつける | 濃い味付けで塩分を取りすぎると体のむくみとなり体重増加の原因に。 |
③しめにご飯やラーメンを食べない。 | 麵を食べたい場合は、春雨・しらたき糖質0麺などでカバーするのがベター。 |
④食物繊維の取りすぎに注意 | 野菜はたくさん取りすぎても問題はないものの、キャベツ・トマトなど不溶性食物繊維を取りすぎると、体内で消化がうまくできなくなって下痢や便秘になることもあるので注意。 |
鍋ができない昼ご飯はどうすれば?
朝食や夕食で鍋を取ることは可能ですが、仕事でお昼に鍋を食べられない場合はどうすればいいのでしょうか?
そんなときは、カロリーが低めな「煮魚定食」や「刺身定食」、「野菜の多いエスニック料理」などがおすすめです。
しかし、同僚との付き合いで、カロリーが高めの料理を食べてしまうこともあるでしょう。
そんなときには、階段を使うなどしてエネルギーを消費するのがいいですね。
まとめ
ダイエットに適した「やせる鍋」について紹介しました。
鍋を食べることは、
- バランス良く栄養を摂ることができるので、ダイエット向き。
- 代謝が上がることで基礎代謝も高くなり、脂肪が燃えやすくなる。
- 食物繊維の働きで便秘が解消されることで、悪玉菌を排除して腸内に脂肪分がたまりにくくなる。
ということがわかりました。
ただ、鍋は取り方によってはカロリーを増やしてしまうこともあるので、食べ方には気をつけましょう。
栄養たっぷりな鍋を楽しみながら、「やせ体質」に。
おすすめのレシピも参考にしながら、ダイエットに取り組んでくださいね!