「足のむくみがひどくて朝になっても取れない」「足がむくんで靴が入らない」
足のむくみは不快なばかりか、足の形が凸凹してしまう危険性さえあります。
そこで今回は足のむくみの原因から即効性のあるツボ、予防に役立つ生活習慣・食生活のポイントまで紹介します!
足のむくみはなぜ起こる?
足のむくみは体内の水分バランスが崩れることにより、余分な水分が皮下組織に溜まった状態のことをいいます。
人間の身体の60%は水分でできています。そのなかの20%にあたる細胞外液は、体内の水分バランスを保ったり、細胞や血管のなかを行き来して栄養を送ったりする重要な役目を持つものです。
長時間立ち続けるなど同じ姿勢を続けているとその機能が低下し、本来心臓に向かって流れていくべき血流が足に留まる原因となり、「足のむくみ」となって現れるのです。
「足のむくみ」の6つの原因とは
足がむくむ原因は、運動不足・身体の冷え・長時間の同じ姿勢・塩分のとりすぎ・女性ホルモンの影響・病気のサインの6つです。
①運動不足
運動不足は足のむくみの原因の一つです。普段あまり運動をしていない人は、ふくらはぎの筋力低下により筋肉のポンプ機能の働きが弱くなっています。
ポンプ機能が低下すると足の血液が心臓に戻りにくくなり、血液が足下に留まって「足のむくみ」となるのです。
②身体の冷え
身体の冷えも、足のむくみの原因となります。
血行不良で身体が冷えることにより十分な血液が足の毛細血管まで行き届かなくなると、リンパや血液の流れが滞り足のむくみ症状が現れます。
特に女性の身体は、体温を温める作用をもつ筋肉量が少なく、身体を温めにくくする脂肪分が多いため、十分に血流の循環が行えなくなりがちです。
③長時間同じ姿勢を続けている
長時間同じ姿勢で作業を続けていると、血流にも影響が出ます。
同じ姿勢を保ち続けることで、ふくらはぎを動かす機会が減って下半身の血流が悪くなり、足のむくみにつながってしまいます。
そのため、長時間のデスクワークや同じ姿勢の立ち仕事をする場合には注意が必要です。
適度な休憩を取り、ふくらはぎを意識的に動かすようにしましょう。
④塩分の摂りすぎ
塩分の多い食べ物を好んで摂る人は、足がむくみやすくなります。
体内では塩分濃度を常に0.9%に保つように働きます。しかし、塩分を過剰摂取すると体内で塩分バランスが崩れてしまいます。
塩分濃度が上がると、体内では水分を送り込み塩分濃度を抑えようとする働きが生まれます。そのとき血液中の水分量は増え、足の皮膚や皮下脂肪に水分がたまりやすくなり、「足のむくみ」となってしまうのです。
⑤女性ホルモンの影響
足のむくみの原因には、生理や妊娠など女性ホルモンの影響も考えられます。
- 生理によるホルモンバランスの乱れ
生理中の女性は、「黄体ホルモン」と呼ばれるホルモンの分泌量が生理前と比べて多くなります。そのことが原因で、余分な水分が体内に溜まりやすくなり、むくみを引き起こしやすくなるのです。
- 妊娠中
女性の約30%は、妊娠すると足のむくみを感じやすくなるといわれています。
⑥病気のサイン
なんらかの病気が原因で、足のむくみが出ることも考えられます。
- 心臓の障害
心臓に障害があると、ポンプの役割を果たすべき心臓の動きが鈍くなります。そのことにより血液の流れが悪くなると、むくみの原因となります。
- 肝臓・腎臓の障害
肝臓や腎臓に障害があると、血中のたんぱく質成分「アルブミン」の量が低下し、血管の水分調整が利かなくなります。アルブミンは、血管に水分を取り込んだり取り除いたりを繰り返しながら、調整する役割を持つ物質です。
もし、気になる症状があれば、専門外来で医師の診断を受けましょう。
足のむくみを即効で解消する方法①ツボ押し
ここでは、足のむくみ解消に効果的なツボを5つ紹介します。
①足三里(あしさんり)
ふくらはぎにあるくぼみ「足三里」は、むくみに効果があるツボです。
やり方は、下記の通りです。強く押しすぎないことがポイントとなります。
①座った状態のまま膝の外側を包むよう手を置きます |
②手を置いたときに中指辺りにあるくぼみ(足三里)を3秒間ほど押します |
③ゆっくりと押す力を弱めていきます |
④①~③を約1分間繰り返します。 |
30分に1回のペースを目安にツボ押しを行なってください。
②豊隆(ほうりゅう)
両足のふくらはぎにあるツボ「豊隆」は、足でもっとも気になるふくらはぎのむくみに効果があります。豊隆はすねの外側にあり、膝と足首の中間に位置して筋肉が一番盛り上がった部分です。ここを刺激することにより、身体の余分な水分をスムースに取り除いてくれます。
①親指で豊隆を押します |
②肌に指を染みこませるようにゆっくりと垂直に押していきます |
1回につき10~15回が目安です。
③承筋(しょうきん)
ふくらはぎで一番高く盛り上がるところに位置するツボ「承筋」は、ふくらはぎのポンプ機能に働きかけ、血流の流れをよくする効果を期待できます。下半身のだるさや腰回りや背中の痛みを和らげてくれる効果もありますよ。
①承筋の位置に両手の親指を重ねるようにあてます |
②その他の指ですねを包み込むように足を持ちます |
③やや力を入れて強めの力で1回につき3秒を、10回に分けて押していきます ※痛いと気持ちいいの中間くらいの力で押すのがポイント |
指で押すのが難しい場合は、仰向けになって立てたひざにふくらはぎを押しつけることでも
承筋を刺激することが可能です。
④三陰交(さんいんこう)
足の内側にあり、足首よりも少し上のところにあるツボ「三陰交」は、消化器をはじめとする内臓の活性化に効果的。むくみや血行改善、冷えの解消につながります。生理痛や生理不順などにも効果的です。
①指を4本揃えて三陰交に手を添えます |
②人差し指が当たる部分から、筋肉と骨の境目で押すと痛みを感じる部分を探します |
③ゆっくりと息を吐きながら押していき、息を吸いながら指を離します |
強い痛みを感じないくらいの力加減で、3回ほど繰り返すのが目安です。
⑤湧泉(ゆうせん)
足の裏側の足先から1/3ほどの位置にあるツボ「湧泉」には、血行改善や水分の代謝をよくし、むくみや冷え、倦怠感などを解消する効果を期待できます。疲労回復や不眠にも効果的です。
①両手の親指を湧泉に当てます (※湧泉の位置は、足の指を曲げたときに最もへこんだ部分です) |
②親指以外の指で足の甲を包み込むように支えます |
③足先に押し出すようなイメージで、湧泉をきもちいい程度に押していきます |
ゴルフボールを当てる方法でもツボを刺激することができますよ。
足のむくみを即効で解消する方法②ストレッチ&マッサージ
足のむくみを即効で解消するのは、ツボ押しだけではありません。
ストレッチやマッサージでもむくみを解消できます。
ここでは、6つの方法を紹介します。
①ふくらはぎのストレッチ
足のむくみを和らげる効果があるふくらはぎのストレッチです。
方法は下記の通りとなります。
①直立姿勢で立ちます |
②足を肩幅に合わせて開きます |
③片足を前にもう一方の足を後ろにして、前後に開きます |
④後ろ足をふくらはぎの筋肉が張る位置まで下げます |
⑤後ろ足のかかとを床に付けたまま、前足にゆっくりと体重をかけていきます |
⑥きもちいい程度の位置で姿勢を止めて20秒数えます |
⑦左右の足を交代し、①~⑥を繰り返します |
②ふくらはぎのマッサージ
ふくらはぎのストレッチをしたあとは、ふくらはぎをマッサージしましょう。
①椅子に座ります |
②右足を左足の太ももの上に乗せます |
③右足を持ち、足首を大きく時計回りに19回まわします |
④同じ足首を逆時計回りに19回まわします |
⑤右足のすねの内側にある骨を、人差し指の第2関節で外側からさすります |
⑥⑤同様、人差し指の第2関節で右足の外側の骨もさすります |
⑦左足も同じように、①~⑥の順番でマッサージします |
③股関節のストレッチ
足のむくみには、股関節のストレッチも効果的です。
このストレッチをすることにより、足にたまった余分な水分や老廃物を重力で上半身に送り込むことができます。
①壁の近くで仰向けに寝転がります |
②背中を床にピタリと付け、お尻から足先は壁に沿わせて天井方向に伸ばします |
③両足を左右に開き、痛くない程度の位置で止めます |
④そのままの体勢をキープし、ゆっくりと5回呼吸していきます |
⑤①~④を数回続けます |
心地よい程度に行なうのがポイントです。
④かかとのストレッチ
かかとを上げ下げをすることで、足の血行をよくするストレッチです。
①直立姿勢で立ちます |
②①の状態で片足を1~2分ほど上げ下げしていきます |
③①~②の動作を1日に2、3回行ないます |
簡単にできるストレッチなので、自宅だけでなく仕事の合間にもできて助かりますね。
⑤足指のストレッチ
足指のストレッチで血流をよくしましょう。
職場でも座りながらできるので、作業の合間などに行なってみてはいかがでしょうか。
①床や椅子に座ります |
②足の5本指を広げたり閉じたりする動作を1分ほど繰り返します |
③②を1日に2~3回おこないます |
慣れないうちは、手の指を使って足の指を広げてあげると楽にできますよ。
⑥足首のマッサージ
足に水分や老廃物がたまっていると血行が悪くなり、足がむくみます。
足首のマッサージで、血行をよくすることが必要です。
①床に座り片方の足首を両手で包み込みます |
②足首から膝裏方向へむかって撫でるように5~10分ほどマッサージしていきます |
③②の動作を、足が軽くなったと感じられるまで繰り返し行ないます |
④片方の足も同じようにマッサージします ※マッサージの際は、力を入れないようにすることがポイントです。痛みを感じたらやめましょう |
このマッサージは、お風呂上がりや寝る前のリラックスした状態のときに行なうとより効果的です。
足のむくみの予防に役立つ生活習慣&食生活のポイント
足のむくみには、ツボ押しやマッサージだけでなく生活習慣の改善や食生活に気をつけることも大事なことです。
ここでは、生活習慣や食生活の面で足のむくみを予防することに注目して取り上げます。
適度な運動を心がける
「身体を動かすのは通勤時間だけ」
運動が足りていないと、足の筋肉量が減ってむくみにつながってしまいます。
そのため、適度な運動で足の筋肉量を増やすことが必要です。
特に足のむくみは、ふくらはぎの筋肉の低下が原因なので、ふくらはぎを鍛える運動が最適です。
簡単にできる運動として、手軽なウォーキングをおすすめします。
目安は30分ほど。人によって体力に差があるので、キツいと感じる場合は15分程度でかまいません。身体の脂肪が燃焼しはじめるのは、歩き始めてから15分程度といわれているためです。
例えばスイーツ好きなら、ケーキ屋さんを目標にウォーキングして、最終的にお目当てのスイーツを買うなどの楽しみを見つけてもいいかもしれませんね。
身体を温める
身体を冷やすことは、足のむくみにとって大敵。冷えると血液の流れが悪くなってしまうからです。
そのため、普段の生活で身体を冷やさない工夫が必要となります。
夏場のオフィスでは、エアコンなどの冷風に直接当たらないようにしましょう。難しい場合は、薄いショールなどを着て対処します。冬場は、膝掛けをするなどして足元を守るとよいでしょう。
自宅では足元を冷やさないように靴下をはいたり、レッグウォ―マーなどを履いたりします。
お風呂はシャワーで済ませると身体の芯から温まらないので、お湯を貯めた湯船に浸かるようにすることも必要です。
適度に水分を摂る
足のむくみには水分のとりすぎも原因として考えられます。
しかし、むくみを気にするあまり水分を控え過ぎても逆効果になります。体内では水分を貯める働きがあるため、かえって下半身に余分な水分がたまりむくみを悪化しまいます。適度に水分を摂るよう心掛けてください。
また、冷たい飲み物は控え目にして、温かいお茶やカフェインレスの飲み物で身体を冷やさないようにすることも大事です。
塩分の多い食品は控える
塩分の多い食品にも気をつけましょう。
塩分のとりすぎは他の病気の原因となりますが、足のむくみにも大きく影響するからです。
足のむくみに悩まされている人は、インスタント食品やレトルト食品、味の濃いつまみ類などは控えたほうがよいです。
コンビニ中心のご飯をとっている方も可能な限り自炊をし、塩気を抑えた食事を作ることがむくみ対策になります。
平日は仕事で忙しい場合でも、土日や休日など比較的余裕のあるときに料理をするといいですね。
飲酒量を控えめにする
お酒を多くとりすぎると、血中のアルコール濃度が高まります。
血管が拡張して、リンパや静脈での水分処理が追いつかなくなるためです。
そのことが原因となり体内の水分バランスがくずれ、足のむくみとなって現れてしまいます。
毎日アルコールを飲む習慣があるならば、2日に1回にしたり、ノンアルコール飲料を飲むようにしたりするなどお酒の量を抑えるようにしましょう。
カリウムの多い食品を摂取する
カリウムは、体内の余分なナトリウムを尿とともに体外へ排出してくれる物質です。
塩分のとり過ぎによって足のむくみがあるならば、カリウムを積極的に摂取するようにするのも効果的です。
カリウムが多く含まれる食品には、切り干し大根やほうれん草、こんぶや納豆、バナナやぶどうなどが挙げられます。
カリウムは煮たりゆでたりすると水に溶け出す特徴があるため、できれば生のまま食べるのが理想です。もし煮るとしたら、汁も一緒にとれる煮物にして食べれば効果的にカリウムをとることができますよ。
ビタミン・ミネラルの多い食品を摂取する
ビタミンやミネラルが不足すると血流が悪くなりがちです。
そのことが足のむくみにつながるので、ビタミン・ミネラルの多い食品を積極的にとることが必要になります。
例えば、血流をよくするビタミンB1・B2・B6を多く含む食品は、肉類や魚類、乳製品や豆類やナッツなどが挙げられます。これらの食品は、むくみだけでなく、生理痛などの症状を和らげる効果もあります。
タンパク質の多い食品を摂取する
タンパク質の多く含まれる食品を食べると、血管内にアルブミンという物質が蓄積されます。
アルブミンは、血管内外の水分量を調整する役割をもつ物質です。不足すると水分量をうまく調整できず、血管の外側に多く水分が流れ「足のむくみ」として現れてしまいます。
そのため、たんぱく質を多くとることが必要になるのです。
タンパク質を多く含む食品には、肉類や魚介類、乳製品や卵などがあります。
例を挙げると、若鶏のささみは1枚で23.9g、ぶり1切れでは21.4g、プロセスチーズスライス1枚では22.7gと豊富なタンパク質がとれます。
慢性的にむくんでいる場合は?
これまでご紹介した内容を実践して翌朝には改善されているといった場合は一過性のむくみとして改善したと考えやすいのですが、何を試しても改善が見られないといった場合はお早めに医療機関などへ相談することをおすすめします。
例えばこのような症状がある方は特に注意してください。
- 何日もむくんでいる状態が続いている
- むくんでいる部位を押してもなかなか元の状態に戻らない
- 異常にむくんでいる
- むくみがあるせいで歩く際などに痛みが生じる
むくみは大したことないと放置していると危険です。慢性的にむくみがあるというのは何らかの病気のサインである可能性があるからです。
心臓や肝臓、腎臓、甲状腺機能、リンパなどの異常を知らせるサインである可能性もありますので医療機関などで相談しましょう。
まとめ
足のむくみは、体内の血流の流れが悪くなることが原因で起こります。
むくみを解消するには、ツボ押しやストレッチ、マッサージだけでなく、運動や身体を温める習慣、塩分の高い食べ物やアルコールのとりすぎを控えるなど、広く注意することが必要です。
これらのことに注意しながら、女性を悩ます「足のむくみ」を解消しましょう!