ダイエットしたいけど時間がないし運動もキツイ……。主婦業や仕事で毎日くたくたで運動なんてできない。毎日のメニューを考えて買い物に行くだけで精一杯。そんなふうに考えている人も多いと思います。
しかし、食事制限やキツイ運動が絶対必要なんてことはありません。太るのを気にするがあまりに食事をするのが怖くなって食べなくなったり、激しい運動を無理して続けたりすると、体に異常が出てきます。気持ちが折れてやめてしまったら、リバウンドする恐れも。
実は、毎日の生活に少し変化を加えるだけで「痩せ体質」をつくれます。この記事では、毎日の「痩せルーティン」を紹介します。
痩せ体質を目指せる毎日の「食事」ルーティン
「朝食」は痩せ体質をつくるカギ
メイクやヘアセット、朝食の準備と、朝はいくら時間があっても足りませんよね。「朝食を抜いてギリギリまで寝ていたい」という気持ちもあると思います。しかし、「朝食」こそが痩せ体質への第一歩です。
朝食を食べないことで空腹時間が長くなると、昼食を食べたときに血糖値が急上昇し、そのあとに急降下することがあります。これは、血糖値を抑制するインスリンというホルモンが出すぎてしまうことで起こる現象です。
「血糖値スパイク」または、「食後高血糖」という言葉を耳にしたことがある人もいるでしょう。この血糖値の急上昇・急降下する「血糖値スパイク」が起きるような日々を過ごしていると、糖代謝が悪化し、結果として糖質をためやすい「太り体質」になってしまいます。
女性にありがちな「太り体質」ですが、正しく「朝食」を食べるだけで一日の血糖値や自律神経が安定して、気持ちも穏やかになり、少しずつ「痩せ体質」へと変化します。
「朝食」は米食がおすすめです。一日の始めの食事がパン食だと、合わせるおかずがどうしても脂っぽくなりがち。そのため、食べたものを吸収しやすい「朝食」には、脂質が少なく、血糖値を上げにくい米が最適といえます。
いつもの毎日に、「朝食をしっかりと食べる」ことを加えて「痩せ体質」への第一歩を踏み出しましょう。
ランチは栄養バランスの取れた和定食
ランチは外食で済ませる、という人も少なくないはずです。そのような人にもおすすめなのが、定食。なかでも和定食は、主食・主菜・副菜などがそろい、大変栄養バランスの考えられたメニューです。難しく考えずに和定食を選べば、自然に栄養バランスが整います。
ただし、和定食を選ぶ場合は少し注意が必要。それは、主菜を何にするかです。
メインがとんかつやからあげ、フライなどの揚げ物ですと脂質が上がり、カロリーが高くなり過ぎてしまいます。焼き物などのシンプルで低カロリーなものを選ぶようにするとよいでしょう。
ランチは麺類を食べる!と決めている人もいるかもしれませんね。麺類を選ぶなら、蕎麦がおすすめです。蕎麦は調理時間も短く、手早く食べることができるため、簡単にランチを済ませたいときにもぴったり。
蕎麦は、低カロリーでありながら、たんぱく質、ビタミンなども豊富な健康食品です。ただし食べるときは、脂質の多い天ぷらをトッピングとして選ばないように。蕎麦と一緒に食べるなら、とろろやきのこ類にしましょう。
夕食は寝る3時間前までに
体の中のリズムをコントロールしてくれるBMAL1(ビーマルワン)というたんぱく質は、体内の脂肪の増減に深く関わっています。BMAL1が増加しているときに食事をすると、体は脂肪を取り込みやすくなり、逆に減少しているときは脂肪が蓄積しにくくなるのです。
よく、夜遅い時間に食事をすると太るというのは、ここに原因があります。BMAL1が最も減少している時間は、「おやつの時間」と呼ばれる15時。反対に、最も増加している時間は、深夜2時です。BMAL1は、22時から深夜2時にかけてだんだんと増加をするため、22時以降に夕食を取らないようにしましょう。
仕事などで、どうしても夜遅くにしか食事を取れない場合は、外食をせずに夕食用のお弁当を用意する、もしくは夕方と夜で分食するなどの工夫をしてみて。
22時以降に食事をする場合は、次の点に気をつけましょう。
- 油を使わない調理方法にする。
- 主食以外は、スープや野菜などなるべく低カロリーの食材を選ぶ。
食べても大丈夫!忙しい人におすすめの「コンビニごはん」
①朝食におすすめな「コンビニごはん」
- おにぎり(鮭・マグロなど)、納豆巻き
- サンドイッチやサラダ(卵、野菜、ツナ、チキンなど)
- 高たんぱく質のヨーグルト
朝食には、「糖質」に加えて「たんぱく質」と「食物繊維」がしっかり取れるような食材を選びましょう。ヨーグルトは「高たんぱく質」と表記されているものを選んでください。
②昼食におすすめな「コンビニご飯」
- おにぎり(鮭・マグロなど)、納豆巻き
- サンドイッチやサラダ(卵、野菜、ツナ、チキンなど)
- 蕎麦(海藻、キノコなど)
昼間は、エネルギー源となるご飯やパンなどを取りましょう。野菜や海藻などの「食物繊維」を一緒に取ると、血糖値の上昇を抑え、脂肪が蓄積しないようにする効果が期待できるのでおすすめです。
特に蕎麦は、海藻やキノコ、温泉卵などの食材と食べることで、たんぱく質と食物繊維が一緒に取れる「痩せ体質」づくりにはもってこいのメニューの一つ。蕎麦が苦手な人は、うどんやそうめんでもOK。その際も、野菜や海藻類がたくさん入ったものを選ぶとようにするとよいですね。
③夕飯におすすめな「コンビニごはん」
- 蕎麦(海藻、キノコなど)
- 野菜と肉類の入ったスープ、煮物
- 冷ややっこ
夜は脂肪が蓄積しやすくなるため、脂質を抑えつつ高たんぱくな食材を選ぶように心がけましょう。
特に具だくさんのスープや煮物は、「たんぱく質」や「食物繊維」に加え、ビタミンやミネラルも取りやすいのでおすすめです。簡単に済ませたいなら「冷ややっこ」に納豆やキムチを合わせて食べるとよいでしょう。
④おやつにおすすめな「コンビニごはん」
- 高たんぱく質のヨーグルト
- さけるチーズ
忙しく動いたあとなど、どうしてもお腹が空いてしまうことがありますよね。ダイエット中でもおやつとしておすすめしたいのが、たんぱく質の多いヨーグルト製品や、チーズなどの乳製品です。乳製品は、ダイエット中に不足しがちな「カルシウム」を補ってくれるメリットも。
しかし、何となく食べてしまうのはやめましょう。お腹が空いていないのに、食べてしまうのは悪いルーティンとなってしまいます。どうしてもお腹が空いてしまう場合は、1回に取る食事の量を減らし、食事回数を増やすなどの工夫をしましょう。
ちょっとした時間でできる「朝痩せ」ルーティン
早起きして朝日でスタート。体を目覚めさせよう
まずは、早起きしてスタートを切りましょう。太陽の光を浴びると幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の分泌量が高まり、精神安定や食欲をコントロールしてくれます。
「セロトニン」を材料としてつくられる「メラトニン」というホルモンは、自然な眠気を促してくれるため、質の良い睡眠を取ることにもつながり、規則正しい生活リズムをつくることができます。
「早起き」から「良い睡眠」につながり、「良い睡眠」が「早起き」につながります。これこそルーティンを継続するうえでも、「痩せ体質」をつくるうえでも、最も大事なことだといえます。
コップ1杯の白湯を
朝食の前にコップ1杯の白湯を飲みましょう。過度な食欲も抑えられ、内臓の温度が上がるため、「痩せ体質」づくりに重要な代謝アップにつながります。消化を促す作用が期待できるので、お通じにも◎
朝だけでなく食事前には水を飲むようにしましょう。水を飲むことにより、胃が膨れるため満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防げます。
お茶よりも水を飲むようにしましょう。お茶でも水分補給はできますが、水分補給の観点からすると、水のほうが健康や美容につながる効果がより大きく期待できるのでおすすめです。
冷たい水はダイエットには適していないため避けましょう。体温が下がると代謝が落ちてしまい、「痩せ体質」がつくりづらくなります。消化器官にも負担をかけてしまう恐れがあるので、常温の水や白湯を飲むように心がけましょう。
体重測定で毎日の自己管理
一つの基準として、朝トイレに行ったあとの体重を計測しましょう。合わせて前日の夕食後に体重を計ると、食べたものが消化されたあとの正しい体重を知ることができるため、目安になります。
朝食はゆっくりと
早起きをして時間ができたら、朝食はゆっくりと食べましょう。ゆっくりと食べることにより満腹感を得やすくなるため、食べ過ぎ防止にもつながります。
一日のスタートである「朝食」からルーティン化して、一日を通して「痩せ体質」をつくっていきましょう。
体を労りながら「夜痩せ」ルーティン
夏でもしっかり入浴!自分の体をしっかりケア
就寝前は、一日がんばった自分の体をケアする時間にしましょう。
特に入浴は、シャワーで済まさずに湯船でしっかりと体を温めることで、代謝アップをはかかれます。
おすすめの入浴方法は、半身浴。38~40℃のぬるま湯にじっくりつかることで、深部の体温を上げることができます。湯上がり後に、体温がゆっくりと下がっていくことで、自然な眠気を促してくれますよ。
入浴時は、入浴剤やアロマなどを使うのもおすすめです。自分がリラックスできる環境をつくり、ストレスをためないようにしましょう。ストレスをためてしまうと、身体機能のバランスが崩れて、ダイエット効果が薄れてしまうことに。しっかりとストレスや疲労を軽減して、「痩せ体質」を維持しましょうね。
お風呂から上がったあとは、ストレッチをする時間をつくりましょう。
入浴後にストレッチを行なうと、筋肉の柔軟性がアップし、ダイエットする際の運動効率が高まります。ストレッチにより筋肉の伸縮が大きくなると、消費カロリーがアップ。同時に、筋肉の柔軟性が増すことで関節の可動域が広がり、より大きく無駄のない動きになります。
一日の終わりに……寝る時間をルーティン化
一日を締めくくる就寝。太りにくい体質をつくるには、7~8時間の睡眠が必要といわれています。翌朝7時に起きるのであれば、24時までには就寝しましょう。良質な睡眠を得るには、就寝前はなるべくパソコンやスマートフォンを見ないよう心がけてください。
どうしても見る必要がある場合は、パソコンやスマートフォンの画面設定を変えたり、ブルーライトをカットするメガネを着用したりするのがおすすめです。
睡眠時間が少なくなると、満腹感をえやすくなるホルモンの「レプチン」が減ってしまい、逆に空腹感をえやすくなる「グレリン」が増えます。早く寝ることで、夜食や遅い食事によるカロリーの取り過ぎも防止できますね。
睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は、筋肉や骨の成長に関わるだけでなく、脂肪細胞を分解する作用があります。睡眠時間は「痩せ体質」づくりの最後のカギとなるので、しっかりと確保しましょう。
質の良い睡眠と睡眠時間を確保することにより、寝起きの改善にもなり、早起きルーティンの継続につながります。
忙しくても大丈夫!隙間時間で「運動」ルーティン
ウォーキング
忙しくて運動時間が取れない人は、日頃利用している一駅手前で降りて歩くや、少し離れたコンビニへ行くなどの工夫をして、ウォーキングする時間をつくりましょう。
徒歩や自転車を活用して買い物に行くのもおすすめです。少しでもよいので、こまめに毎日続けるのがポイントです。
ウォーキングのときは、背筋を伸ばして腕を振り、少し汗ばむ程度のスピードで。スマートフォンの歩数計やアプリなども活用して、楽しくルーティン化しましょう。
家事をしながらドローイング
ドローイングとは、息を吸ってお腹を膨らませたり、へこませたりする運動のことです。
激しい動きをする必要はないので、洗い物をしながらや座ったままの状態でもできます。
- 姿勢を正し、お腹に空気をためるように大きく吸います。
- 息をゆっくり吐きながらお腹をへこませていきます。
- 息を吐ききって限界の状態で30秒キープ。
正しい姿勢で行なうと背筋も伸び、気持ちよく続けることができそうですね。
オフィスでこっそりつま先上げ・かかと上げ
椅子に座った状態でできるのでデスクワークの人におすすめです。
やり方は、
- 両足を肩幅に広げ、かかとはつけたまま、つま先をしっかり上げます。
- かかとを上げて、つま先を下げます。
家でやる場合は、音楽に合わせてリズムよくやるのもよいでしょう。
「痩せ体質」づくりに効果が期待できるだけでなく、女性に多い悩みであるむくみや冷え性の改善にもつながりますので、ぜひチャレンジしてみましょう。
スマホを見ながらプランク
SNSの投稿でもよく見かけるプランクです。プランクとは、うつ伏せから前腕と肘、つま先を地面につけた姿勢をキープする簡単なエクササイズです。
簡単で複雑な動きを必要としませんが、正しい姿勢で行なうと、たったの30秒でもきついと感じるエクササイズなため、少しずつ取り入れましょう。無理して行なうと腰などを痛めることもあるので注意が必要です。
余裕が出てきた人は、プランクに加えてドローイングも取り入れると、さらに効果が期待できるためおすすめ。
まとめ
今回は、さまざまな「痩せルーティン」を紹介しました。誰もが挑戦しやすい簡単なルーティンばかりですので、自分のライフスタイルに合わせて少しずつ取り入れて「瘦せ体質」をつくっていきましょう。
一度にすべてのルーティンをする必要はありません。大事なことは「諦めずに続けること」。つらくなったら、いったん休憩してもOKです。できそうなものだけトライするというのもあり!そうやって休憩しながら何日、何ヵ月と続けることこそが、ダイエットの秘訣です。
家族がいる人は協力してもらうのも重要。家族や親子で一緒に楽しみながらできれば、ルーティン化もしやすく、ダイエットにも健康にもつながります。無理して「ダイエットする」のではなく、一日をトータルケアして、これが私の「痩せルーティン」となるよう、美しく痩せる毎日を目指しましょう。