よく寝たつもりなのに起きたらだるい…。ぐっすり寝たはずなのにすっきりしない…。

たくさん寝たのに疲れが取れない、睡眠時間が短くていつも疲れを感じているなど、睡眠の悩みを抱えている方は多くいます。

世界的に見て日本の女性の睡眠時間は「トップクラスに短い」といわれていますが、かといって日本中の女性が疲れきっている訳ではありません。

中には、短い睡眠時間なのにすっきりと目覚めて元気よく活動している女性もいます。この差はどこにあるのでしょうか。

今回は、そもそも睡眠って何?というところから、睡眠時間や質の良い睡眠、悪い睡眠など睡眠について徹底解説します。睡眠について悩んでいる方は必見ですよ!

そもそも睡眠って?睡眠のメカニズムを理解しよう!

不思議なもので、人は、毎日ほぼ同じ時刻になると眠くなり、いつもと同じ時間に目が覚めます。

徹夜をすると、明け方頃に耐えられないほど眠くなりますが、午後には眠気が軽くなる瞬間もありますよね。

このように、決まった時間に眠気が現れてしばらくすると覚めていくリズムが私たちの体には備わっていますが、これは睡眠欲求と覚醒力によるものです。

睡眠欲求とは、脳が疲れてくると眠ることで脳を休ませようとする欲求のこと。脳を休ませる時間が取れて、この睡眠欲求が満たされると次は、覚醒力で目が覚めるという仕組みです。
しかしながら、寝ている間は脳がずっと休んでいるかというと、そうではありません。

「レム睡眠」「ノンレム睡眠」という言葉を聞いたことはありませんか?

レム睡眠とは、眠りが浅く脳が活動し、体が休んでいる状態をいいます。寝ている人を見ると眼球が動いていることがありますが、この状態がレム睡眠です。

脳は活動しているのに筋肉が休んでいるので、夢を見ることや金縛りもこのタイミングで起こりやすくなるんですよ。

反対にノンレム睡眠は、脳を休ませる睡眠です。レム睡眠とノンレム睡眠は90分の周期で訪れ、一晩に3~5回ほど繰り返されますが、起きる時間が近づくにつれて、レム睡眠の時間が長くなっていきます。

また、睡眠と覚醒のためには、人の生体機能を総動員させる必要があります。

例えば、寝る前は、脳を冷やすために体から熱を放出する必要がありますが、反対に覚醒するときは、副腎皮質ホルモンの分泌や脳の熱が高くなっていくのです。

睡眠は、バランスよく脳と体の休息をとっているだけでなく、神経や免疫、ホルモンなどの生理機能の調整を行う大切な時間なんですね。

やっぱり睡眠って大切!ベストな睡眠時間はどれくらい?

やっぱり睡眠って大切!ベストな睡眠時間はどれくらい?

世界の平均睡眠時間を見ると、アメリカが8.8時間、中国は9時間、イギリス8.4時間に比べて日本は7.3時間と比較的短いのがわかります。

また、厚生労働省が推奨している年齢別の睡眠時間は、10代前半までが約8時間以上、25歳は約7時間、45歳になると約6時間半、65歳で約6時間です。これを見ると、年齢が上になるにつれ睡眠時間が減少しますが、これには加齢が影響しているようです。

しかし睡眠は、年齢だけでなく6時間未満のショートスリーパー、9時間以上のロングスリーパー、中間の6~9時間の睡眠が必要なバリュアブルスリーパーの3タイプに分けられるともいわれています。

ショートスリーパーの人は睡眠時間が短くても問題なく活動ができますが、ロングスリーパーの人は、長時間睡眠を取らないと睡眠不足になってしまいます。

ショートスリーパーとロングスリーパーについて詳しくはこちら

ショートスリーパーとロングスリーパーはどちらが良いの?訓練すればなれる?

また、季節によっても睡眠時間は変わってきます。例えば、日の短い冬は睡眠時間が長くなりますが、反対に夏は睡眠時間が短くなる傾向にあります。

このように、理想の睡眠時間はその人が持つ体質や季節などさまざまなものに左右されてしまいますが、睡眠時間の長さにかかわらず浅い眠りのレム睡眠のタイミングで起きることがすっきりと目覚める秘訣なのです!

レム睡眠とノンレム睡眠は90分間隔で交互にやってくるので、90分の倍数で自分に合う睡眠時間を見つけることが理想的ですね。

しかし「わかっているけれど、そんなにタイミングよく起きられない」「ちょうど良い睡眠時間が確保できない!」という人におすすめなのが、お昼寝タイムです。

昼寝は、夜の熟睡と同じくらいの効果があるといわれているので、疲労回復に最適です。ただし、30分以上寝ないように注意が必要です。

30分以上寝てしまうと、反対にすっきりと起きることが難しくなってしまいます。

「寝不足かも?」と思ったら、10分~30分ほどお昼寝をすれば疲れが取れて、記憶力や集中力を高めることができますよ!ぜひ、試してみてくださいね。

このように、ベストな睡眠時間は人によって異なりますが、寝不足で頭がぼーっとしているときは、お昼寝タイムで調整してみるのもおすすめです。

ちょっとのお昼寝でも、理想の睡眠時間に近づけることができるでしょう。

心と体のために!良い睡眠って?

最近、「質の良い睡眠」という言葉をよく聞きますが、どのような状態のことを「質の良い睡眠」というのでしょうか。

実は、質の良い睡眠について厚生労働省が評価指標を公表しています。

これによると、「規則正しい睡眠と覚醒のバランスが維持できて夜と日中のメリハリがある」「十分な睡眠時間を確保し、昼間に強い眠気に襲われることがない」「夜中に目が覚めず、睡眠時間が安定している」「朝、スムーズに目覚める」「起床後もすぐに活動できる」「ベッドに入ってすぐに眠れる」「ぐっすり寝たという感覚がある」「昼間の疲労感が少ない」とあります。

つまり、質の良い睡眠とは、朝すっきりと目覚めすぐに活動でき、よく寝た!という感覚が得られるということでしょう。

実際に、すっきりと目覚められた日は良いことがありそうな気がしますよね!

また、質の良い睡眠は感覚的に良いだけでなく、実際に体や心にも良い影響を与えるんですよ。

例えば、質の良い睡眠は脳の疲労を回復させ、ストレスの解消や自律神経を整えてくれます。他にも、生活習慣病の予防や美容とダイエットにも効果があるといわれています。

特に気になる美容やダイエットに対する影響として、お肌のターンオーバーを促してくれたり、食欲をコントロールするホルモンの分泌によって食べ過ぎを防ぎ、太りにくい体に導いてくれる効果が期待できるそう。

このように質の良い睡眠は、女性の心と体にとても良い影響を与えてくれるんです!

こんな睡眠はダメ!質の悪い睡眠って?

反対に「質の悪い睡眠」とは、「寝たのに疲れている」「快眠できない」「夜中に何度も目が覚める」「朝、起きてもすぐに活動できない」など。寝れば寝るほど疲れて、日中のパフォーマンスが下がるような状態を指します。実際に、現代人の約20%が睡眠に満足していないという調査結果があるほどです。

質の悪い睡眠の原因の一つに、就寝前のスマホやタブレットのブルーライトがあります。ブルーライトは、質の良い睡眠に必要なホルモンのメラトニンを減少させてしまうため、眠気が弱まってしまいます。

他にも、部屋が明るい、音がうるさいなどの寝室環境や日中に受けたストレスなどが睡眠の質を低下させてしまう原因に…。そして、質の悪い睡眠は、人の体に大きな悪影響を与える可能性があるんです!

睡眠の質が悪いと、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病にかかりやすくなるだけでなく、それらの進行も早いといわれています。

他にも、記憶力や判断力、集中力などが低下し気分が落ち込んでうつ病になるリスクも高まる可能性があります。

朝、疲れた状態で起きるような毎日を過ごしていると、心も体も病んでしまいそうですよね。

質の良い睡眠で心も体もすっきりさせよう!

心身ともに健やかでストレスのない毎日を送るためにも、睡眠はとても大切なものです。
質の良い睡眠をとることによって、健康だけでなく美容やダイエットにも効果が現れるかもしれません!

言い換えると、質の悪い睡眠は知らないうちに心と体に悪影響を及ぼしてしまうということですね。

たかが睡眠、されど睡眠…
質の良い睡眠やベストな睡眠時間によって、すっきりとした朝を迎えられると良いですね!