「最近なんだか目の疲れが取れない」

「肩こりや頭痛がひどくなった気がする」

それ、ひょっとしたら”スマホの使い過ぎ”が原因かもしれません。

実は、スマホの長時間の連続使用は、さまざまな体調不良を引き起こす原因になるんです。

あなたはスマホ症候群になっていませんか?

簡単にチェックしてみましょう!

スマホ症候群のセルフチェック

  1. スマホを使っていると、肩や首のこりを感じる。
  2. スマホを一日に連続して1時間以上使用する。あるいは合計で4時間以上使用する。
  3. 目が疲れやすくなった気がする。
  4. 首を後ろに倒そうとすると痛みがある。
  5. 気づくと猫背になっている。
  6. 最近、頭痛が増えた気がする。
  7. 肩が重く、うまく上げられない。

※簡易的な自己チェック方法であり、病気を診断するものではありません。

当てはまれば当てはまるほどスマホ症候群と言えます。

この記事では、スマホの使い過ぎによる体調不良の症状や、改善策をご紹介しますので「いつでもスマホが手放せない」という人は、ぜひこの機会にスマホとの付き合い方を見直してみましょう。

スマホ症候群の代表的な症状

スマホ症候群とは、医学的専門用語ではありませんが、スマホの使い過ぎによる体調不良の総称です。

10代~50代のスマホ保有率が90%を超える昨今、スマホ症候群に悩む人はこれからますます増えると考えられます。しかし、スマホ症候群はまだまだ認知度が低く「ちょっと目が疲れただけかも?」「なんだか調子が悪いな」で片付けられがち。

以下のような症状にお悩みの人は、一度スマホとの付き合い方を見直してみましょう。

眼精疲労

スマホの使い過ぎで目を酷使すると、眼精疲労ドライアイの症状が現れることがあります。

眼精疲労とは、目を使う作業を長時間続けることにより、目のかすみや痛み、充血などの症状が現れる状態です。いわゆる「疲れ目」と眼精疲労との最も大きな違いは、以下の2点。

  • 目の症状だけでなく、頭痛や肩こりといった全身症状を引き起こす。
  • 十分な休息や睡眠を取ったあとでも、それらの症状が回復しない。

眼精疲労は、スマホやパソコンの長時間使用だけでなく、「メガネやコンタクトの度が合っていない」「精神的なストレスがある」といったさまざまな要因が絡み合って引き起こされるといわれています。眼精疲労を予防するためには、スマホとの付き合い方も含め、生活習慣を全体的に見直すことが大切でしょう。

ドライアイ

ドライアイとは、涙の質のバランスが崩れたり、分泌量が減ったりすることで目の乾きやかすみ、疲れなどの症状が現れることです。ドライアイの原因は加齢やエアコンの風による乾燥など多岐に渡りますが、現代人のドライアイの特徴はスマホやパソコンの長時間使用による「まばたき」の回数の低下による涙の質の低下にあります。

ドライアイのセルフチェック

  1. 10秒間、まばたきをせずに目を開けてみましょう。
  2. 10秒以内に目をとじてしまった場合は、ドライアイの可能性があります。

※簡易的な自己チェック方法であり、病気を診断するものではありません。

ストレートネック

ストレートネックとは、首の骨がまっすぐになってしまう症状のことです。

通常、首の骨は上部の骨が後ろ側に反るような形で、S字のカーブを描いています。しかし、ストレートネックになると、このカーブが失われまっすぐになってしまうのです。症状が進行すると、首の骨の反りの向きが反対になってしまうことも。

ストレートネックの原因は、長時間の前傾姿勢にあるといわれています。そのため長時間のパソコン作業なども原因のひとつですが、近年問題視されているのが、スマホの使い過ぎによるストレートネック。スマホを操作しているときは、自然と前かがみの姿勢になるため、ストレートネックを引き起こすリスクが高まります。スマホが普及してからは「スマホ首」「スマホネック」とも呼ばれるようになったほど、スマホが原因でストレートネックになってしまう人が非常に多いんです。

ストレートネックのセルフチェック

「私ってストレートネックかも?」と思った人は、以下のセルフチェックを試してみましょう!

  1. 壁を背にして立ちます。
  2. 息を吐いて力を抜き、肩・お尻・かかとの3点を壁にくっつけます。
  3. このとき、壁と後頭部との間にスキマができる場合は、ストレートネックの可能性があります。

※簡易的な自己チェック方法であり、病気を診断するものではありません。

肩や首のこり

スマホを使用する際は、前傾姿勢でうつむくことが多いもの。人間の頭の重さは全体重の10%を占めるとされているため、長時間うつむいたままでいると、肩や首に大きな負担がかかります。

慢性的な肩や首のこりにお悩みの人は、ちょっとするとスマホの使い過ぎが原因かもしれません。また、スマホを日常的に長時間使用していると、「巻き肩」のリスクも上がってしまいます。

巻き肩とは、通常よりも肩が内側に丸まっている状態のこと。スマホやパソコンを操作しているときの内向きな姿勢が下人のひとつとされていて、デスクワークの人に多い症状です。肩や腕が通常よりも前にくることから、次第に猫背になってしまうケースも少なくありません。

腱鞘炎(けんしょうえん)

スマホの使い過ぎにより、腱鞘炎を引き起こす人が増えています。スマホの画面をスクロールするためには、親指を上下に動かす必要があります。ネット記事やSNSなどを長時間見続けていると、この親指の動きを何度も繰り返すことになり、いつの間にか筋肉や関節に負担がかかってしまうのです。

ドケルバン病

ドケルバン病は腱鞘炎の一種で、主に親指を動かしたときに手首が痛むという症状が特徴です。

指の使い過ぎによる炎症が、手首の親指側に起こるのが特徴で、症状を放っておくと日常生活に支障をきたす恐れがあります。親指をまったく使わず過ごすことは難しいため、炎症が治まりにくいのも特徴です。少しでも思い当たる節がある人は、整形外科を受診しましょう。

VDT症候群

VDT症候群とは、スマホやパソコンの使用による心身の不調を総称したものですが、先に述べた眼精疲労とドライアイに精神症状を足したものと言えます。

従来はパソコンを使うことが多いオフィスワーカー特有の症状とされていましたが、スマホの普及にともない、年齢・職業問わず誰もがVDT症候群になる可能性が高くなりました。

症状は目の乾きや充血などにはじまり、肩こりや頭痛などの全身症状、不安感やイライラ感といった心の不調が現れることもあります。また、肩こりや頭痛が悪化することで、吐き気を催す場合もあるようです。悪化すると鬱症状まで引き起こすことがあるので、注意が必要です。

体調不良を防ぐ!手軽にできるスマホ症候群対策4選

スマホを日常的に使い過ぎると、目に負担がかかるだけでなく、心身の健康状態にまで影響を及ぼすことがわかりました。

では、スマホ症候群にならないためには、どのような点に気をつければよいのでしょうか?

1.自分の手に合うサイズを選ぶ

手のひらに対して大きすぎるスマホを使い続けると、手や指に余計な負担がかかってしまいます。片手で持った場合は、快適に操作できるサイズのスマホを選びましょう。

どうしても画面サイズの大きなスマホを使いたい場合は、両手操作を習慣づけるとよいですね。

2.スマホを長時間連続して使用しない

スマホを使うときは、こまめに休憩を挟みましょう。30分に一度は画面から目を離し、遠くを見たり、首や肩のストレッチをしたりするのがおすすめです。

3.正しい姿勢を意識する

前かがみの状態でスマホの画面を見ていると、肩や首に負担がかかってしまいます。スマホを見るときは姿勢を正し、スマホ画面と目線の高さを合わせて使用しましょう。

腕が疲れる場合は、肘を反対の手で支えるのがおすすめです。

4.まばたきの回数を増やす

スマホの画面に集中していると、まばたきの回数がついつい減ってしまうものです。
スマホ操作中は、意識してまばたきの回数を増やすようにしましょう。涙の分泌が促され、ドライアイのリスクを軽減できます。特に乾燥や疲れを感じた時は、体のストレッチと同じ感覚で、ギュッギュッとしっかり瞬きを5回〜10回行ってみることも有用です。

+αのおすすめセルフケア!

眼精疲労や肩こりといった症状は、さまざまな要因が絡み合って引き起こされるものです。

スマホとの付き合い方だけでなく、この機会に生活習慣全般を見直してみましょう!また、毎日をイキイキと過ごすために、以下のようなセルフケアを取り入れるのもおすすめです。

ストレッチ

筋肉の緊張をほぐして、肩や首のこりをやわらげましょう。スマホやパソコンを長時間使用する場合は、適度に休憩を挟んで、肩や首をストレッチするのがおすすめです。

今すぐできる!肩のストレッチ

  1. 両手を組んだら、息を吸いながら手のひらを天井に向けて突き上げます。
  2. 息を吐きながら体を右に倒していきます。
  3. 息を吸いながら元の姿勢に戻ります。
  4. 息を吐きながら体を左に倒していきます。
  5. 息を吸いながら元の姿勢に戻ります。
  6. 1~5を左右3回ずつ繰り返します。

今すぐできる!首のストレッチ

  1. 右手で左側頭部を持ち、右斜め前に倒します。
  2. そのままの姿勢で15~30秒キープします。
  3. 反対側も同様に行ないます。

深呼吸

休憩タイムに取り入れたいのが、深呼吸。深い呼吸は副交感神経を刺激し、体をリラックスモードへ導いてくれます。

また、深呼吸をすると自然と鎖骨が動くため、肩こり対策としても◎腹式呼吸を心がけ、腹筋や胸の筋肉が大きく動いていることを意識しましょう。

入浴

お風呂で体を温めることで血行が促進され、筋肉の緊張や疲れがやわらぎます。

暑い季節もできるだけお風呂に浸かり、一日の疲れを癒やしましょう。また、寝る1時間前くらいにお風呂に入ると、睡眠の質の向上にも役立つとされています。

食生活の改善

心身の調子を整えるには、食生活を見直すことも大切です。栄養バランスのよい食事を心がけましょう。

目に良い効果を期待できる食材や、体を内側から温めてくれるような食材を積極的に摂取するのもおすすめです!

目や肩の疲れにおすすめのレシピ

スマホの使いすぎで、目や肩を酷使しがちなあなたへ!

おいしく体をケアできるような、おすすめレシピを紹介します。

スマホとの付き合い方と一緒に、ぜひ日々の食事も見直してみてくださいね。

ブルーベリーとにんじんの豆乳スムージー

「目に良い食べ物」として有名なにんじんとブルーベリーを同時に摂取できるレシピです。

にんじんに含まれるβカロテンは体内で必要な分だけ、目の健康維持に役立つとされるビタミンAに変換されます。また、ブルーベリーに含まれる青紫色の天然色素・アントシアニンは、ポリフェノールの一種。目の疲れの改善効果などが期待でき、昔から「目に良い食べ物」の代表格です。

【材料(2人分)】

  • バナナ 150g
  • にんじん 40g
  • 冷凍ブルーベリー 40g
  • プレーンヨーグルト 120g
  • 豆乳 200mL

【作り方】

  1. バナナとにんじんは一口大にカットしておきます。
  2. ミキサーまたはブレンダーにバナナ、にんじん、冷凍ブルーベリー、プレーンヨーグルト、豆乳を加え、撹拌(かくはん)します。
  3. よく冷えたグラスに注いだら完成です。

生ハム入りキャロットラペ

常備菜にもぴったり!食卓が一気に華やかになるデパ地下風サラダです。

「目に良い」とされるにんじんをたっぷり摂取できます。

さっぱりとした味付けで、洋食の付け合わせにおすすめ。お好みでりんごやレーズンを加えてもおいしくいただけます。

【材料(3~4人分)】

  • にんじん 大1本
  • 塩 小さじ3分の2
  • 生ハム 35g
  • クラッシュアーモンド 15g
  • オリーブオイル 大さじ2
  • すし酢 大さじ1(カンタン酢やリンゴ酢でもOK)
  • 粒マスタード 小さじ1

【作り方】

  1. にんじんをスライサーで千切りして、塩をふって5分程度おいておきます。
  2. にんじんから水気がでてきたら、ぎゅっと絞ります。
  3. ボウルに千切りしたにんじん、生ハム、クラッシュアーモンドとすべての調味料を加えて和えたら完成です。

野菜の肉巻き

味付けは焼肉のタレにおまかせ!甘辛い味付けでお箸がすすむ野菜の肉巻きです。

にんじんが苦手な人も、お肉と一緒ならおいしく食べられるかも?冷めてもおいしいので、お弁当のおかずにもぴったりです。

【材料(2人分)】

  • 豚ロース薄切り肉 6枚(豚バラ薄切り肉でもOK)
  • アスパラ 6本
  • にんじん 2分の1本
  • じゃがいも 小2個
  • 焼肉のタレ 大さじ4
  • 片栗粉 小さじ2

【作り方】

  1. アスパラの根元はかたいので、あらかじめピーラーでむいておきます。
  2. アスパラ、にんじん、じゃがいもを棒状に切ります。※長さ5cm、幅5mm程度が目安です。
  1. 耐熱容器ににんじんとじゃがいもを入れ、ふんわりラップをして600Wの電子レンジで2分間加熱します。
  2. まな板やお皿の上に豚ロース薄切り肉を1枚広げます。加熱したにんじん、じゃがいもと、アスパラをのせて、くるくると巻いていきます。
  3. 同じように6個の肉巻きを作り、片栗粉を薄くまぶします。
  4. フライパンにサラダ油大さじ1(分量外)を熱し、巻き終わりが下になるように5を並べます。
  5. 中火で6を転がしながら焼きます。
  6. 余分な油を拭き取ったら、焼肉のタレを加えて煮詰めます。
  7. 粗熱が取れたら真ん中でカットし、断面が見えるよう盛り付けたら完成です。

緑黄色野菜の胡麻和え

緑黄色野菜に豊富に含まれているのが、目の網膜に存在する「ルテイン」。ルテインには抗酸化作用があり、酸化による目のダメージを防ぐ働きが期待できるとされています。

緑黄色野菜をたっぷり摂取できる副菜を常備しておけば、あと一品というときにも活躍すること間違いなし!手軽に野菜をプラスできるので、栄養バランス的にも◎です。

【材料(4人分)】

  • ほうれん草 1束
  • にんじん 2分の1本
  • 油揚げ 1枚
  • 和風だしのもと(顆粒) 小さじ1
  • 砂糖 小さじ1
  • しょうゆ 小さじ1
  • 白すりごま 大さじ2

【作り方】

  1. ほうれん草をよく洗い、たっぷりのお湯でさっと茹でます。※先に根元のみ30秒程度茹でてから葉を茹でると、全体がほどよい食感に仕上がります。
  1. ほうれん草を冷たい水に取り、冷めたら水気を絞って4cm程度の長さに切ります。
  2. にんじんは千切りに、油揚げは半分に切ったあと8mm幅に切ります。
  3. 耐熱容器ににんじんと油揚げを入れ、ふんわりとラップをしたら600Wの電子レンジで2分間加熱します。
  4. ボウルにほうれん草、にんじん、油揚げを入れ、すべての調味料と白すりごまを加えて混ぜ合わせます。
  5. 冷蔵庫で小一時間寝かせておき、味をなじませたら完成です。

まとめ

スマホの使い過ぎは、眼精疲労やドライアイ、肩や首のこりなどさまざまな体調不良を引き起こします。長時間使用するときは、30分ごとなどこまめに休憩を挟むようにしましょう。また、その際、ストレッチや目のマッサージなどをするとさらに◎

現代人にとって、スマホやパソコンはもはや必需品。仕事にプライベートに欠かせない存在だからこそ、上手な付き合い方を考えていきたいですね!

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この記事の監修者

林田康隆
眼科専門医。「医療法人社団康梓会Y’sサイエンスクリニック広尾」理事長。 過去、大阪大学大学院医学系研究科および米国フロリダ州マイアミ・オキュラーサーフェスセンターにて眼 表面および間葉系細胞の幹細胞研究に携わり、実際の細胞培養の経験まである再生医療のスペシャリス ト。現在は、主に名古屋で眼瞼手術や難治性白内障手術、緑内障手術等に取り組む傍ら、眼科の領域にとど まらず、東京では肌再生療法や脂肪幹細胞療法などの再生医療を手掛ける。また、メディアにおいても活躍中。