ただただ体重を減らしたいのなら食事量を減らせば良いのですが、それでは栄養が足りずに痩せにくい身体になったり、体調を崩してしまったりしてしまいます。

美しく健康的なスタイルのためには、毎回の食事で必要な栄養をしっかり摂りたいところなのですが、忙しい現代人にとって毎食栄養素のことを考えながら食事をするのはなかなか大変です。

そこで今回は、すでに必要な栄養素が詰まった「完全食」について紹介します。また、天然の完全食となる栄養たっぷりな食材についても紹介するので、レトルトや自炊と組み合わせて無理なく栄養たっぷりな食事を続けてみてくださいね!

健康を保つためのバランスの良い食事とは

まずは、食事バランスの基本やバランスの応用を確認していきましょう!

食事バランスの基本は、
「主食」「主菜」「副菜」「牛乳・乳製品」「果物」
の5つのグループを組み合わせ、自分に合った量を食べることです。

5つのグループの主な食材や得られる栄養素は以下の通りです。

  • 主食(炭水化物)…ごはん、パン、麺類など
  • 主菜(タンパク質・脂質)…肉、魚、大豆、大豆製品など
  • 副菜(ビタミン・ミネラル・食物繊維)…野菜、きのこ、海藻など
  • 牛乳・乳製品(タンパク質・カルシウム)…牛乳、ヨーグルト、チーズなど
  • 果物(ビタミン・食物繊維)…バナナ、りんご、キウイ、グレープフルーツなど

このうち「炭水化物、タンパク質、脂質」は3大栄養素と呼ばれ、体を動かすエネルギーを作り出すのに欠かせない栄養素です。

また3大栄養素に「ビタミン・ミネラル」をプラスした5大栄養素は、体を動かすエネルギーを作り出すことに加え、体の調子を整えるのに欠かせない栄養素の組み合わせです。

それではここで、バランスの良い食事例を見てみましょう。

バランスの良い食事例
  • ごはん…主食
  • 鮭…主菜
  • ほうれん草のごま和え…副菜
  • 豆腐とわかめのみそ汁…汁物
  • りんご1切れ…果物
  • 牛乳コップ1杯…乳製品

例のメニューは5つのグループからまんべんなく食材が取り入れられており、バランスの良い食事といえます。

ここからは応用です!

1日の食事量の目安は個人によって異なるのですが、そこで役立つのが厚生労働省が出している「食事バランスガイド」

食事バランスガイドとは、健康のために1日に何をどれくらい食べたら良いのかがわかるツールなんです。

自分の身体活動レベルをチェックし、1日に必要な摂取量を確認して食材や調理法を工夫しましょう。

厚生労働省「食事バランスガイド」チェックシート

例えば豚肉でいえば、「ひれ、肩、ロース、ばら」など部位によってもエネルギー量が異なります。

  • ひれ…115kcal
  • 肩…216kcal
  • ロース…263kcal
  • ばら…386kcal

(全て100gあたり)

さらに、茹でて「豚しゃぶ」にするのと、揚げて「とんかつ」にするのとではカロリーも脂質も変わります。

  • 豚しゃぶサラダ(野菜含む)1皿385g…320kcal
  • とんかつ1枚134g…463kcal

参考:https://calorie.slism.jp

普段デスクワークなどで活動量が少ない人は消費カロリーも少ないため、ヘルシーな調理法を意識して選ぶと良いですね。

完全食って?

完全食とは、健康を保つために必要な栄養素が全て含まれていることを定義とした食品です。一般的に厚生労働省が定めた「日本人の食事摂取基準」に基づいた必須栄養素を、過不足なく満たしているものが完全食とされています。

1つの食品から、タンパク質、ビタミン、ミネラル、カルシウムなどさまざまな栄養素が手軽にまんべんなく摂れるのが完全食の良いところです。

卵

昔からあった完全食と呼ばれる食品たち

実は昔から完全食と呼ばれている食品があります。では、どのような食品があるのか見ていきましょう。

卵は完全食のひとつです。食物繊維は含まれていませんが、タンパク質やビタミン、ミネラルなどを含む約27種類もの栄養素が含まれています

また、卵の脂質には必須脂肪酸のリノール酸が含まれており、体の機能を正常に保つための役割を担う大事な栄養素です。

卵は手軽に調理でき、生でもゆでてもさほど栄養価が変わらないのも、使い勝手が良く取り入れやすいですよね!

納豆

納豆も完全食のひとつ。納豆には食物繊維と5大栄養素が全て含まれています

その他にも、イソフラボン、大豆ペプチド、納豆キナーゼなど健康維持に役立つ栄養素が数多く含まれています。

イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと同じ働きを持つため、骨粗しょう症予防や更年期障害を軽減する効果が期待できます。納豆キナーゼは納豆菌によって生成される納豆独自の酵素で、血栓を溶かす働きがあり生活習慣病予防にも期待できるんです!

一つだけ注意点として、納豆キナーゼは熱に弱いため、熱々のごはんにかけるのではなく少し冷ましてからごはんにのせて食べてくださいね。

バナナ

果物を代表するバナナも完全食のひとつです。バナナには炭水化物やタンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラル、食物繊維、葉酸、カリウムなどの栄養素がバランス良く含まれています。

例えばビタミンB群の一種である葉酸は「造血のビタミン」と呼ばれており、DNAやタンパク質の合成を促進させ、赤血球の生成や細胞の生産、再生に大きな役割を担っています。

葉酸は熱に弱いのですが、バナナは火を通さずに食べられるため栄養素をまるごと吸収できるのが嬉しいポイントですね。腹持ちも良いのでダイエット中の人にもぴったりです!

最近よく聞く完全栄養食って?

完全栄養食とは、完全食と同様に、必要な栄養素が全て含まれていることを定義とした食品です。しかし、卵や納豆などと違う点は、必要な栄養素と量を計算して作り、商品化していることです。

完全栄養食は、もともと粉類や飲料ゼリーなどのドリンクから出始め、最近ではパンや麺類、カレーに加え、チョコレートやクッキー、カップケーキなどのスイーツまでさまざまな種類が発売されています。

主に、ネットショップなどで手に入りますが、パンや麺類などはコンビニで手軽に購入できるものも増えつつあります。

完全栄養食のメリットは、どんなに忙しい人でも手軽に必要な栄養素が摂れることです。欠食や栄養の偏りを防ぎ、健康維持やダイエット中の食事に役立てることができますよ。

これまで麺類やスイーツを我慢していた人も、気兼ねなく食べることができるのではないでしょうか。甘いものを食べても必要な栄養が摂れるのは嬉しいものですね!

ただし注意点として、栄養の過剰摂取や消化機能の低下の可能性があるため毎食置き換えをしないようにしましょう。

食べ過ぎには注意し、あくまで捕食として取り入れるのがおすすめです!

健康やダイエットに完全食を活用してみよう!

健康やダイエットには食事バランスの基本である「主食」「主菜」「副菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つを組み合わせたバランスの良い食事が欠かせません。

しかしその食生活を続けるのは、忙しい人や料理が苦手な人にはハードルが高いかもしれませんね。

そこで、今回紹介した完全食や完全栄養食を上手に取り入れると、手間を掛けずに必要な栄養素が摂取できますよ!完全栄養食にはさまざまな種類があるのでいろいろ試してみるのも良いでしょう。

ぜひ、この記事を参考に、健康維持やダイエットの成功のために完全食を上手に活用してみてくださいね。