「パソコン作業が多くて目が疲れる」「いくら目を休めても目の疲れが取れない」
最近そんな目の疲れを感じていませんか。
仕事ではどうしてもパソコンを使うことが多く、プライベートではスマートフォンが手放せない私たちの生活。
今回は疲れ目と眼精疲労の原因、その対策について紹介します。

「疲れ目」と「眼精疲労」の違い

目の疲れには、大きく分けて「疲れ目」と「眼精疲労」の2種類があります。
その2つの違いについて詳しく紹介します。

疲れ目

疲れ目は、一時的に目が疲れる状態をいいます。集中して目に負担をかけ続けることにより、目の筋肉や細胞が疲れてしまうのです。

大半は目を休めることで回復しますが、あまりにも酷使しすぎると眼精疲労につながってしまうので、注意が必要となります。

1時間に5分から10分ほど休憩して目を休めましょう。

眼精疲労

眼精疲労は仕事でパソコンを長時間見続けたりすることにより、目の充血・痛みが発生して視界がかすんだりぼやけたりする症状です。まぶしさを感じることもあります。

この状態をそのままにしておくと、目の症状ばかりか、きつい肩こりや首の張りが起きることも。さらには、吐き気やめまいなど全身の不調につながります。

十分な休息や睡眠をとっても回復しないところが、眼精疲労のやっかいなところです。

眼精疲労の症状は?目の疲れのセルフチェック

「自分が疲れ目なのか、眼精疲労なのか知りたい…」
そんな悩みに答えるためにチェックシートを設けたので、当てはまる症状がないかをチェックしてみてください!

目の症状にだけ該当するものがある場合は「目の疲れ」、全身の症状にも該当するものがある場合は「眼精疲労」の可能性があります。

目の症状

  1. 目がしょぼしょぼしてしかたない
  2. 目が見えづらい
  3. 目の奥が痛い
  4. 目の重さを感じる
  5. 目が充血している
  6. 目が乾く
  7. いつもより周りがまぶしく見える

目の疲れの可能性があります。

全身の症状

  1. 首や肩の凝りを感じる
  2. 頭が痛い
  3. 体がだるい
  4. 吐き気がする
  5. めまいを感じたりふらついたりする

眼精疲労の可能性があります。

疲れ目や眼精疲労が起きる原因

疲れ目や眼精疲労が起きる原因には、大きく分けて2つの原因が考えられます。
一つは目の病気、もう一つは全身疾患です。
それぞれ詳しく見ていきましょう。

目の病気

目の病気で考えられるのは、ドライアイ・白内障・緑内障の3つです。
それぞれの特徴は下記の通りとなります。

  • ドライアイ

涙量の不足で、目を守るのに必要な涙が均等に行き渡らなくなる病気です。国内の患者数は、約2,200万人と推定されています。

原因として考えられるのは、パソコンやスマートフォンの見過ぎ、コンタクトレンズの長時間の着用、エアコンによる目の乾燥です。加齢による目の衰えもあります。

  • 白内障

加齢などにより、目の水晶体が白く濁る病気です。

目の水晶体は外部の光を曲げる働きがあり、対象物が網膜にきれいに見えるようピントを調節する働きがあります。
しかし、水晶体が白く濁ると対象物が見えづらくなったり、光の乱反射によって眼精疲労を起こしやすくなったりします。症状が進行すると、手術が必要になる場合も。

  • 緑内障

眼圧が異常に高くなることにより起こる病気です。

まぶたの上から目を触ると弾力のある膨らみ部分があります。それは房水と呼ばれる液体で、その房水によって眼球内が一定の圧力で保たれることを眼圧といいます。
この眼圧に異常があると網膜や視神経などに障害が起き、次第に視野が狭まってしまいます。
緑内障により視野が狭くなった眼でむりやり物を見つづけることにより頭痛が起き、眼精疲労につながることもあります。

気付かずに放置しておくと徐々に進行し、最悪の場合失明する場合もあるので、専門の医療機関で緑内障の検査を受けるようにしましょう。

全身疾患

なんらかの身体の不調により、眼精疲労が起きる場合もあります。
低血圧や高血圧、自律神経の乱れ、脳神経疾患や糖尿病などです。女性の場合、月経異常が原因の場合もあります。

また、耳や鼻の病気、風邪やインフルエンザ、虫歯や歯周病などで起きることもあるので注意が必要です。

長時間のスマートフォンやパソコン作業

環境による影響で、疲れ目や眼精疲労を引き起こしていることも考えられます。
仕事で長時間パソコンを使い続けたり、一日中スマートフォンを見続けたりして目を酷使しているのが原因です。
これらは、近年VDT症候群と呼ばれ問題になっています。

パソコン・スマートフォンなどの画面を集中して見つめ続けることによりまばたきの回数が減り、涙が蒸発して、目の乾燥が進むのです。

症状が進行すると仕事の能率が悪くなったり、気分が落ち込みやすくなったりするなどの影響もあるので、画面の見過ぎには注意しましょう。

合わない眼鏡やコンタクトレンズ

今使っている眼鏡やコンタクトレンズは、自分に合ったものでしょうか。
近視や乱視などで見え方が変化しているのに合わない眼鏡やコンタクトレンズを使用して、眼精疲労が起きている可能性もあります。

また、左右の視力が異なっていて、眼精疲労となる場合も。かかりつけの眼科や眼鏡屋さんで、現在使っているものが合っているかを確認してもらうとよいですね。

ストレス

ストレスが原因で眼精疲労になっている場合もあります。仕事や人間関係によるストレスから、自律神経が乱れることが原因です。

自律神経の乱れでまばたきの回数が減ると、涙の量が減って眼が疲れやすくなってしまいます。できる限りまばたきをする回数を増やす、少しでもストレス要因があれば取り除くことが必要です。

部屋の照明

部屋の照明には、眼精疲労の原因が隠れています。照明器具は、明るすぎず暗すぎずのバランスがよいものを利用することが大事です。たとえばデスクライトは、手元の明るさを調整できるので便利です。

中には、「照明でたくさんの影が発生して手元が見えづらい」という悩みを解消したデスクライトもあるので、気になったら調べてみましょう。オフィスで仕事をする際には難しいかもしれませんが、自宅でのテレワークには役立ちますね。

エアコンの風

エアコンの風が原因で眼精疲労を引き起こすことがあります。

エアコンの風に直接あたり続けていると目が乾燥して、ドライアイになりやすいからです。

そのためエアコンを点けた環境では、適度に空気の入れ換えをしたり、目を休めたりする必要があります。

紫外線

紫外線を多く浴びることは皮膚だけでなく、眼にもダメージを与える可能性があります。

眼精疲労やドライアイなどの初期症状から、白内障や白目の一部が変色する病気に発展する場合もあるので注意が必要です。

日差しが強い日は、日傘を差したり、サングラスをかけたりして紫外線から目を守りましょう

生活リズムの乱れ

生活習慣の乱れも、目に悪影響を与えます。
過労やストレスから、夜遅い時間までテレビやスマートフォンを見続けることで生活リズムが乱れると、寝不足や体調不良になります。
その結果、自律神経のバランスが乱れて目を休める時間が足りないまま朝を迎え、眼精疲労につながってしまうのです。
夜遅くに画面を見ることは控え、睡眠はしっかり取りましょう。

目の疲れ、眼精疲労の対策6選

ここでは、目の疲れや眼精疲労の対策を紹介します。
正しいパソコンの使い方や目薬の使用、食生活やストレス解消方法など7つです。

1.パソコンの正しい使い方を身につける

仕事で長時間パソコン作業をし続けていると、眼精疲労になりやすいです。
パソコンを正しく使うポジションを身につければ、対処できるかもしれません。
4つの対策を紹介します。

①パソコンとの間の適度な距離

パソコンと座との適度な距離をとりましょう。
理想は、顔とモニターまでの距離が約50〜70cmです。
具体的には、手を伸ばせる距離が目安となります。正しい姿勢を保つことも重要です。
背筋を伸ばして椅子に座り、足を床に付けるようにします。そして自然に机の上に手を置いて、余計な力を入れずにキーボードをたたきます。

②ディスプレイの高さ

ディスプレイを見上げるようにしていると、目が疲れやすくなります。
首や肩が凝る原因にもなるので、適切な高さにすることが大事です。
作業しやすい角度は、視線をやや下向きにしてディスプレイを見られる位置。椅子の高さも調整する必要がありますね。

③パソコンモニターの明るさ調整

モニターが明るすぎたり暗すぎたりすると、疲れ目になりやすいです。
バランスのよい明るさに調整してください。
モニター用のフィルターを購入して、明るさを調整するのも手です。
窓に近い席に座っている場合は、外からの光がモニターに映り込まないよう、ブラインドを閉めて光をさえぎりましょう。

④使用時間を制限する

正しい姿勢やモニターの明るさを調整しても、長時間同じ姿勢で作業をし続けていると、どうしても体に負担がかかってしまいます。
1時間に10分ほどの休憩を取って、目を休めてください。
席に座っていると、ついパソコンを見てしまうので、完全に席から離れてストレッチしたり、近くのコンビニにお茶を買いに行くのもいいですね。

2.目薬を適切に使う

目薬を適切に使うのもよい方法です。

効果が持続する時間は短いものの、直接目に栄養分が行き渡るため、長時間のパソコンやスマートフォンなどで、急速に目の疲れを感じたら使うのがおすすめ。

その有効成分はさまざまです。

ビタミンB群のほか、疲れ目による充血を改善するテトラヒドロゾリン、ドライアイを改善するコンドロイチン、ピント調節機能を改善して視力回復効果が期待できるネオスチグミンなどが含まれています。

自分の症状に合った目薬を選ぶようにしましょう。
また、あまり頻繁に点けすぎると副作用を起こす可能性もあるので、注意が必要です。

3.目のまわりを温める

仕事でパソコンの画面に集中し目を酷使し続けていると、通常より多くの血液が目に送り込まれてしまいます。すると目の血管拡張につながり、痛みや充血などの症状が起こりがちです。

こんなときは、タオルを冷たい水で絞り、目に軽く乗せると症状が和らぎます。
寝る前には、加熱した蒸しタオルやホットアイマスクを目に当ててあげると、リラックス効果が期待できます。
目を温めることで血行が良くなり、筋肉の緊張がほぐれるのでおすすめです!

4.目の体操をする

自宅でのリラックスタイムや仕事の合間に、目の体操をするのも効果的です。

【目のストレッチ】

①正面→上→下→正面と順番に目を動かす
②正面→右→左→正面と順番に目を動かす
(※各10秒ずつ、目だけを動かすのがポイント。)

【毛様体筋のストレッチ】

①自分の手元を見る
②まばたきする
③遠くの景色を見る
④まばたきする
(※20~30秒ずつ各4~5回ほど繰り返す)

目だけでなく、その周辺やこめかみ、頭全体を指で優しく刺激して緊張をほぐしてあげたり、肩や首まわりをストレッチして血行を促進するのも効果的ですよ。

5.食事内容の見直し

食生活が乱れていると、目にも良くありません。
栄養のある食事をバランスよくとることが必要です。
ここでは目によい成分を10個紹介します。

成分効果食材
ビタミンA目の粘膜を保護し網膜の状態を良好に保つ働き。
視力低下予防・目の老化防止に有効。
緑黄色野菜、レバー
ビタミンB2網膜の働きを助ける。疲れ目・目の充血を回復させる。目の細胞の再生も。納豆、レバー、いわし、さば、ヨーグルト、牛乳
ビタミンB6目の調節機能を持つ水晶体や毛様体筋の主成分・たんぱく質の吸収に必要。かつお、さけ、さば、牛・鶏レバー、バナナ、さつまいも
ビタミンB12視力の低下を防止する豚肉、牡蠣、あさり
ビタミンC水晶体の透明度保持・酸化防止。白内障予防オレンジ、キウイ、小松菜、ブロッコリー、キャベツ、さつまいも
ビタミンE血行を促進して目の老化を防止。疲れ目、ドライアイ、老眼予防ほうれん草、カボチャ、キングサーモン、アーモンド
DHA疲れ目やドライアイの予防。視力の改善を図る。マグロ、アジ、いわし、サンマなど青魚
カルシウム白目の部分・強膜の機能を強化する。乳製品、大豆製品、海藻類や野菜類に多く含まれる
タウリン紫外線による目の疲れやダメージを回復する。視力回復・目の健康維持にも。貝類全般、タコ、イカ
マグネシウム眼球の血液の流れを一定に保ち、網膜色素を保護する。緑内障を予防する。ノリやこんぶ、ひじきなどの海藻類、ほうれん草、カシューナッツ、アーモンド

6.ストレスの解消

自分なりの方法でストレスを解消することも眼精疲労対策となります。
早めに仕事が終わる日には、エクササイズジムや身体を動かすスポーツなどで思い切り汗を流したり、自分の趣味に没頭したりしてストレスを発散する方法です。
毎日、湯船につかりリラックスするのもいいですね。
もし、自分なりのストレス解消法でも症状が改善しない場合は、迷わず専門医やカウンセリングルームなどへ行き、適切なアドバイスを受けましょう。

目の疲れに効くツボを押す

ここでは目が疲れたときに押すと効果的なツボを5つ紹介します。

①魚腰(ぎょよう)

眉毛の真ん中のくぼんだところにあるツボです。

目の充血やかすみ、腫れや痛みに効果的。

②睛明(せいめい)

目頭と鼻の付け根のくぼんだところにあるツボです。

視力回復効果による目のかすみの改善、目の充血・痛みに効果を発揮します。

仕事で長時間パソコンを見続ける人におすすめです。

③太陽(たいよう)

こめかみの、くぼんだところにあるツボです。

目の疲れによる頭痛や目の充血、めまいなどに効果があります。

④瞳子髎(どうしりょう)

目尻から指1本分外側にあるツボです。

頭痛や目の痛みに効果があります。

⑤四白(しはく)

頬骨の下のくぼんだところにあるツボです。

目の痛みや充血、かゆみのほか、頭痛やめまいに効果があります。

例えば会社や出先などすぐにどうにかしたい場合に試してみてはいかがでしょうか。

目の疲れ、眼精疲労で医療機関を受診する目安

目の疲れや眼精疲労を強く感じた場合、いつ医療機関に診せるのが正しいのでしょうか。

その目安は、1ヵ月以上に渡って不快な状況が続くときです。

単なる目の疲れが、重大な病気の初期症状である可能性もあるので、少しでも「おかしいな」と思ったときには、専門の医療機関にすぐに診せに行きましょう。

その際、医師に次の項目を伝えることをおすすめします。

  1. 目や体の具体的な症状
  2. 症状が出始めたのはいつからか
  3. 症状が出始める前後であった生活環境など変化
  4. 何をしているときに症状がひどくなるのか
  5. どんなときに発症しやすいのか
  6. 過去、目の病気をしたことはあるか
  7. 持病はあるか
  8. 眼鏡やコンタクトはしているか、いつから付け始めたのか
  9. 眼鏡やコンタクトを最後に作ったのはいつか

原因の特定のためにもこれらを伝えておくとよいでしょう。

まとめ

疲れ目と眼精疲労の原因と対策について紹介してきました。
「疲れ目」は目に負担をかけ続けることによる一時的な目の疲れ、「眼精疲労」は長期的な目の不調です。

この2つの症状は、

  • 長時間パソコンやスマートフォンを見続けない
  • ストレスをため込まない
  • 生活リズムを正しく整える

などの対策で、予防できるとわかりました。
正しいパソコン姿勢、こまめな目のケア、食事内容の見直しなども重要ですね。
効果的なツボ押しも試してみましょう。

この記事を見て、自分に合った目の対処法を考えてください!

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